ASTEPのブログをご覧のみなさま、こんにちは!こんばんは!
京都府向日市の放課後等デイサービスASTEP(アステップ)の、みなぐちゆきよです。
先月、半年に一度の個別支援計画の見直しのためのモニタリングを実施し、無事に終えることができました。お時間を取っていただきましたご利用児童保護者様に感謝を申し上げます。
さて、皆さまは、個別支援計画についてどんな目的で作成し、どんな意味合いがあるのかをご存じでしょうか?
①ご契約→②重要事項の説明→③個別支援計画の作成→④ご利用開始
ご利用開始時だと、この4段階の流れが一般的ですが、ASTEPでは個別支援計画の作成が特に重要な項目だと捉えていて内容や作成までの手順についても強い信念を持って作成しています。
結論から言いますと、個別支援計画の在り方は『指導員の専門知識・技術に加え、熱い情熱に支えられているもの』でなければならないものです。
この記事では、個別支援計画作成の目的と、ASTEPの個別支援計画の在り方について詳しくお伝えをしていきます!
目次
個別支援計画作成の目的
ASTEPの契約書にこのような条文がありますのでご紹介します。
第1条(契約の目的)
利用者の意思及び人格を尊重し、利用者の立場に立った適切な放課後等デイサービスを行い、地域において自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう(~中略)サービスを適切に提供することを定めます。
第3条(サービス計画)
利用者の置かれている環境及び日常生活全般の状況等を通じて利用者が希望する生活や課題等の把握を行い、適切な支援内容を検討し、計画書を作成します。
この条文が個別支援計画の全てです。この条文から解釈する個別支援計画を作成する目的は…
個別支援計画を作成する目的は、利用者の人格を尊重し、利用者のニーズに合ったサービスの提供を行い、利用者に満足してもらえるように生活の質を向上すること
利用者の生活の質を向上することに個別支援計画作成の目的であるため、サービスの提供にあたる指導員には、利用者の生活を楽しく、満足できる充実した生活実現に向けて努力する姿勢を求めています。
また、利用者の生活は、多くの面で指導員の専門性に強く依存しています。個別支援計画の実施を通して、指導員の知識と技術の力量が問われていることになります。
個別支援計画書が形式的に作成され、ありふれた評価であったとしたら、個別支援計画を作成しても意味がありません。
個別支援計画の実施によって、指導員自身の専門職としての知識・技術を磨き、計画の改善と評価に誠実に対応ができないのであると、これもまた意味がありません。
個別支援計画作成の実例
ASTEPの保護者さんを例に出します。(※許可を得ています)
その保護者さんは「指導してくれる先生と子どもの立場を入れ替えて、自分ならこうした支援をしてほしいという願いや望みを活動に反映してほしい。」と仰りました。
また、個別支援計画書とその内容に関しても「毎日の生活やこれから先の人生が少しでも良くなる目標を設定してほしい。」というご要望をいただきました。
この保護者さんの願いには、個別支援計画の作成を形式的、機械的に扱って欲しくないという気持ちが込められているとものだと解釈しています。
そのお子さまの課題は、自立した排泄や手洗いうがいはできますが行動に移すことが困難な部分があります。
その点を重点的にアセスメントを行い、修正を繰り返しながら実現可能な短期(中期)長期の目標を設定し、具体的な支援の内容・方法を個別支援計画書に反映することができました。
また、このお子さまには新たに、ご家庭での支援という項目も設定し、家庭での取り組みについてもご提案させていただきました。
このように、個別支援計画作成の視点を変えると、その効果は、保護者さんとASTEPとの”協同作業”であることが理解できます。また、事業所だけの支援では限界があるため、ご家庭での支援に同意をいただき行っていただくことで、子どもの生活の質が高まることに最大の効果を求めることができるのではないでしょうか。
個別支援計画書の在り方
今から「個別支援計画」の心得をお伝えしていきます!
放課後等デイサービスや児童発達支援の”児発管”と言われる責任者は、どういった視点をもって作成するべきなのか。陥りやすい間違いや、個別支援計画の在り方についてお伝えしていきたいと思います。
陥りやすい間違い
保護者さんと半年に1度モニタリングをする際、日々の子どもの様子が元となり、支援者である私たち指導員がどのように支援したかが問われる部分です。
その部分の理解がないと、子どもがどれだけ目標のために頑張ったのかを確認しているような支援計画になりがちです。
個別支援計画は、本人やご家族のニーズに沿って、「こんな支援をしますよ!」という計画なので、指導員がしっかり支援をしたかが問われるものなのですが、どうしても、ご本人がどれだけ頑張ったかを問う計画の作成やモニタリングが行われています。
もちろん、本人が支援のために、どのように行動するかは大事な部分ですが、よくあるのは、その子どもが、頑張っていなかったから出来ていないというような内容になっているということは問題です。
ニーズに沿ってという段階で、そもそもニーズがつかめていない場合が多くあります。
良くない支援目標の例
例えば「友達と仲良くしてほしい」ということ、もうこうなるとニーズがなんなのか不明です。このような支援目標を立てている施設が実際に多くあります。
この目標が立てられたら、他の友達と仲良くするために、私たちが支援をする計画になってしまいます。
そして、モニタリングでは「友達と仲良くするために公園遊びや製作活動をしました」このように、実りのないモニタリングとなってしまいます。
ひとりでできないから支援が必要ですし、支援がきちんとなされているかを見るための個別支援計画なのです。支援者が、どのような働きをしているのかをモニタリングしていくべきなんです。
そのために日々の活動を行っているのです!
上手なニーズの掴み方
ニーズとは本来、その子自身がどんな将来を考えているか?そのためにどんなスキルがあったらよいのか?そのためにどんな支援が欲しいかなどを、本人やご家族に対してヒアリングをしたうえで、彼らの普段の言葉や行動をもとに施設全員の指導員が考えたりするものです。
よく間違えるのは、主訴とニーズです。
本人やご家族が「社会性を身につけたい、身につけさせたい」と言った時に、じゃあ友達と一緒にゲームをしましょう、製作しましょう、という支援を考えがちです。
表面的な言葉だけを捉えて「それがニーズ」と勘違いしてしまうことが多くあります。
そうではなく、本人や家族が「なぜ社会性を身につけたいのか?」という本質の部分を知るべきです。
その言葉の裏を知っていくと「友達と上手く関われない、本当は学校の友達と休み時間や放課後に遊びたい、でも引っ込み思案になって一歩が踏み出せない」などの本質を知ることができます。
このように考えると、本当のニーズは「社会性を身につけたい」ではなく「人との付き合いの中で、安心して生活を送りたい」になるのかもしれません。
このように、ニーズの本質は何か?と探りを入れることで支援目標が明確化できることが多くあります。
支援目標と支援内容の違い
結論から言いますと、支援目標とは「子どもが支援を受けながら、なりたい自分の姿を目指すこと」です。
本人だけで頑張ることでもありませんし、指導員だけで頑張ることでもなく、子どもが実現したい将来(望み・願い)のために、指導員が支援する方向性こそが「支援目標」となるのです。
排泄が一人でできるようになりたい、他者にヘルプを出せるようになりたい…本人やご家族のニーズが前面に出て、私たちがその支援をしますよ!と言える部分が「支援目標」です。
それに対し、本人やご家族のニーズを実現するために、私たちはどんな支援をしましょうか?の部分が「支援内容」となります。
誰のために?どんな点に着目すべき?それはもちろん、その計画の主人公である子どものためであり、自身の自立のためです。
自立とは、何でもできれば良いということでもなく、できないということで支援を受けることも自立となります。
「自立」を勘違いすると、「目標を立てたから本人だけが頑張ること」という思考となってしまい、間違い方向へと行ってしまいます。
個別支援計画書は、事業所がニーズに沿って支援をしているかどうかを表明し、評価を受けるために作るものです。
そのためには、まず、子どもと話しましょう!親御さんと連携を取りましょう!子どもの普段の姿をしっかり見ましょう!
それが明らかになると、質の高い支援目標を設定した個別支援計画書になるはずです。
さいごに
事業所(ASTEP)から提供されるサービスは、子どもたち一人ひとりのために作られた個別支援計画書によって実践されることになります。
いわば、子どもたちへの熱い思いが伝わってくる基本書となるのが「個別支援計画書」です。
この計画によって、子どもたちに質の高いサービスが提供され、評価を通してサービスの改善がなされるのも個別支援計画が果たす大きな効果と言えます。
子どもの個別支援計画が、担当する指導員の専門知識・専門技術に加えて、熱い情熱に支えられていること、そして、現在もこれからも充実した放課後の生活であることを保護者は強く期待していることをお伝えをし、結びといたします。では!
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