放課後等デイサービスASTEPの管理者・児童発達支援管理責任者として勤務しています。効果的な療育を実践するために、最前線で子どもたちの前に立ち、その効果を評価・修正を繰り返しながら子ども達の支援を行っています。
今回の記事ではASTEPの『知的障がいの子どもへの支援』についての考え方についてお伝えをします!
知的障がいの子どもを支援する指導員の方をはじめ、親御さんや教育関係者など、多くの方にご覧頂きたいと思います。
目次
知的障がい児への支援の大前提
知的障がいの子どもに、なんでもできるようになれば良い…というものでもないのはご理解いただけますか?
その道のプロの方であれば理解している方も多いはず、これは当然、できないことがあるという前提で支援をするべきことです。
本人が「これができるようになりたい!」と心から願うことは非常に稀なケースで、周囲の期待がそうさせていることも多くあります。
知的障がいの子どもへの支援のポイントとして大切なこと、それは…彼らのこれからの人生に必要と思われることを厳選していく作業です。
次で詳しくお伝えします。
知的障がいの子どもへの支援のポイント
よくある例として、こういった支援をしているところがあります。
- 計算ができない子どもに計算問題集を解かせる
- 靴紐を結べないのに結ぶ練習を延々と行う
これらができるようになることで、自立という観点では正解なのかもしれませんが、どう頑張っても絶対にできない人もいる中、教育的にできるまでやらせるということになれば、自立のためというより支援者のエゴにしか感じません。
私たちは『支援』という言葉を多用しますが、本来、支援というのは、何でもかんでもできるようにすることではなく、彼らの生活で必要なことからできるようにするべきなのです。
なので、できるべきだと思い込んで、支援者がその人の生活に強制することではありません。
ASTEPの知的障害の子どもへの支援の実例として…
- 計算問題集ではなく、計算機の使い方を教えています。
- 靴紐を結ぶことが出来ないのなら、紐なしの靴を買うことだってできます。(知的障がいの子が靴紐結びを修得した成果もあります)
でも本当は「できないから手伝ってください!」とヘルプを出せることが、一番大事だったりします。
ここが教育と療育(支援)の違いでもあるとも思います。
さいごに
何もできないままでいいとは思いませんが、彼らの生活に必要なことから厳選してできるようにすることや、できないことは支援を求める術を身につけたり、他のもので代用する生活力を身につけたりすることも大切です。
子ども本人が、生活に何が必要かなど分からない場合がほとんどだと思います。
支援者である関わりのある大人が、その子どもの生活を予測して、何が必要なスキルなのかを厳選した支援を行っていくようにしてください。
そして、今も継続している教育的支援は、その子どもの生活に本当に必要なのか?もう一度考えてもらうきっかけになれば幸いです。
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