明けましておめでとうございます!今年も引き続き宜しくお願い致します。
2022年一発目のブログは、原点回帰ではありませんが、初心に立ち返り私の『遊びへの想い』をお伝えしていきたいと思います。
ASTEPでの活動の原点、それは”遊び”です。去年にASTEPを立ち上げてから、現在もこの考えは一貫しています。
「遊んでいないでしっかり療育してよ…」という声も聞こえてくるかもしれませんが、療育を行う上で、”遊び”というのは本当に大事なんです!
一言で言いますと、遊びは、ずば抜けて効果の高い『能力開発』なんです。その理由をお伝えしていきます!
遊びを語り尽くすには、1記事ではまとめきれないため、「前編・後編」の2部に分けてお伝えしていきます。
前編では、『遊びをするメリット』、後編では、ASTEPで実践している遊びで意識していることをご紹介するとともに、ご家庭でお子さまと遊ぶ上で意識してもらいたいことをお伝えしていきます。
私自信、”遊び”の重要性には強い想い入れがあり、私の全知識をまとめた内容に仕上げましたのでので最後までご覧いただけたら嬉しいです。
では、前編『遊びを行うメリット』のスタートです!
目次
集中力・創造力・発想力の根源
これら3つの能力は、子どもが成長する上で、大きな役割を担う能力です。
勉強であれスポーツであれ音楽であれ芸術であれ、一心不乱に取り組むことができると、子どもはスポンジのようにどんどん吸収し上達していき、成果にも雲泥の差が出てきます。
子どもの集中力(学齢や特性にもよる)は、個人差はあるものの大体15分~長くて30分と言われています。
宿題をさせても、習い事等の練習をさせても、15分~30分以上自立して集中させるのは、はっきり言って至難の技です。
ですが、子どもが唯一それ以上の時間、集中できてしまうことがあります。
それが”遊び”なんです。
障がいの特性上、集中することが困難な子もいらっしゃいますが、私が見てきた中では、遊びに関しては高い集中力を発揮する子が多いです。
長い時間なにかに取り組んだ経験は、後の人生における集中力に確実に繋がっていきます。
その経験に最も適しているのが”遊び”なのです。
遊びを通じて思いっきり体を動かしたり、様々なことに興味を持ったり(好奇心)、その体験で興奮したりすると、あらゆる神経が刺激されて脳が活発に働きます。
遊びを通じて脳の『前頭前野』が刺激されると、集中力をはじめ、意思や創造力、発想力や我慢する力などの成長が見込めます。
特に、創造力や発想力においては、自由にできる環境が土台となって育てることができます。
誰かに何かを教えてもらうことや、指示をされることが前提の環境では、効果は半減してしまいます。
ASTEPでは、毎日の予定を決めて療育活動を行っていますが、創造や発想に関する広い裁量を設けて子ども自身で考えてもらえる言葉掛けや環境を設定して活動を意識しています。
子どもの将来を考え、勉強や習い事を詰めてさせていることももちろん良い事だと思います。ですが、遊びの時間のない幼少期、学童期は避けてもらいたいですね!
人間性のバランスが向上
そんな人間性を育てるための土台作りは”遊び”です。
遊びには、1人遊びから複数での遊びなど多岐にわたりますが、誰かとコミュニケーションを取って行う遊びは、子どもが誰かと協同して何かを作り上げたり、楽しんだりする大事な経験です。
何より幼少期・学童期から遊びの経験が豊富な子どもは、自然とコミュニケーションを取る場面が豊富になる傾向にあると言えます。
ASTEPの子たちに長期的に目指してもらいたいコミュニケーションにおいての目標は、いつもと違う場所や違う人といるような状況の中で、物怖じせず自分の意見をはっきり言える(ヘルプを出せる)ようになれるよう、スモールステップを取り入れながら日々を活動を行っています。
その目標を達成するために何が大事になってくるのか?幅が大事になってきます。
そのためASTEPでは、事業所間の交流や、普段交わる事のない人との交流機会を多く設けています(主に土曜日)
”色んな場所で色んな遊びを色んな人とコミュニケーションを取る”
そんな経験が、一生もののコミュニケーションの土台を作っていきます。
刺激と実体験の成長の起爆剤
私が「遊びが一番!」と思う理由がこれだと思っています。
家庭や学校での知的な教育や習い事だけでは、受ける刺激や実体験の幅は限られています。
なぜかというと、教育や習い事というのは、目的は単一的で、その単一的な目的を習得するために行う行為だからです。
それに比べ、遊びに目的などはありません。
子どもがそれぞれの裁量を発動させて、最良の範囲であれば何をやってもいいわけですから、体験から得られる充実感や五感から受ける刺激の幅は圧倒的な量になっていきます。
これが幼少期・学童期に遊びを重視する理由なのです。
触って、見て、聞いて、匂いで、感じていく行為が全て脳への刺激です。大人でも刺激を受けるわけですから、頭の柔らかい子どもなら受ける刺激は計り知れません。
それは、室内であれ室外であれ、多くの体験は身近に溢れています。
特定の目的に向かった時間はおのずと出来る体験の幅は限られてきますが、幼少期・学童期では、どれだけ多くの実体験をするかが、後の子どもの成長の起爆剤になると、現場で子どもたちと接する中で強く感じます。
極論を言うと、刺激と実体験の幅は将来の可能性の幅であると言えるかもしれません。
学ぶ力が育つ
ここで言う遊びこむ経験は強い子というのは…
- 自由に好きな遊びをする
- 好きなことや得意なことを活かして遊ぶ
- 遊びに自分なりの工夫を加える
- 自分の能力より少しレベルの遊びに取り組む
そういった遊びを経験したり自発的に取り組む子どもは『様々なことに自信を持って取り組める』『新しいことに好奇心を持てる』など、子どもが成長していく上で欠かせない学びに向かう力が育っていきます。
外遊びでの基礎的な動きの習慣を通じて、運動能力が身に付くと、学習能力などにも効果が良いと言われています。
運動は、ニューロンという脳内物質の数を増やして、物を覚えたり認知する神経を育て、思考力に係る神経伝達物質を多く分泌する研究結果があったりします。
外で遊ぶ=学習能力の向上という、通常では考えにくい相関性もあったりします。
質の良い睡眠に繋がる
夜の睡眠は、日中にどれだけ体を動かして疲れるかに大きく影響を受けます。
実際にASTEPから保護者へお送りしている療育日誌の中でも、「たくさん体を動かして疲れていると思うのでしっかり寝て疲れが残らないようにしてください」とよく連絡をさせてもらっています。
現代では、習い事や家庭での教育学習など、放課後に行うことの選択肢は多くあります。
ですが、本来子どもは『とことん遊んで、とことん食べて、とことん寝る』…これが、頭と体と心を成長させる一番の方法です。
極端に放課後の学習をまったくしないで遊びだけさせようということではありませんが、子どもがどれぐらい室内や屋外で遊んでいるかを意識しながら過ごしてもらいたいと思います。
放課後等デイサービスは、事業所の特色にもよりますが、遊びを中心とした施設もあるので(もちろんASTEPもそうです)小集団で普段できないような経験ができるという側面もあるのでうってつけかもしれませんね。
自己肯定感を育む
その『できた!』の1つ1つが子どもの自信となって蓄積していきます。この1つ1つというのはどんなに小さなことでも構いません。紛れもない”成功体験”ですから。
その繰り返しが自身になったり自己肯定感を作っていくことに繋がっていきます。
幼少期や学童期に遊びよりも勉強に力を入れすぎていると、楽しく成功体験をさせにくい環境になっている可能性もあります。(一概には言えませんが…)
私が子どもたちを見ていて思うのは、毎日遊びの中からスモールステップで成功体験を蓄積している子どもは、『自分のことが好き』な子の割合が高い印象です。
遊びの中から小さな目標を見つけ(見つけてあげて)あくまでも主体は子ども、それを達成できるようサポートする支援を心掛けていますので、ご家庭で遊びを行う際も意識されてみてはいかがでしょうか。
さいごに
これまで、遊びのメリットについて解説をしてきました。
遊びとは、障がいの有無や種別を問わず、どんな子どもでも共通して楽しめるものです。遊びを通じてどんな成長が期待できるのか?1つでも構いません、気に留めていただければ嬉しいです。
後編では、実際にASTEPで活動をしている内容も挙げながら『子どもの遊ばせ方』について解説をしていきたいと思います。
後編は、後日アップしますので是非ご覧くださいね!では^^
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