大学では社会福祉学部に在籍、福祉心理を専攻し、某アパレルメーカーに就職
前職は公務員として11年間勤務し、1000人規模の職場で心理カウンセラーとして様々なお悩みを聞き、解決に尽力してきました。
こんにちは!こんばんは!
ASTEPではLSTやSST、ICTの療育活動担当の、みなぐちだいすけです。
今回は、ライフスキルトレーニング(以下、LST)で行った『マイプロフィールを作ろう!』を評価していきます。
ASTEPを新たに利用する子は、『マイプロフィールを作ろう!』を、個別療育で取り組んでいただいております。
どういった目的やねらいで行っているのかをご紹介し、活動の評価をお伝えしていきたいと思います。
目次
活動の概要
ワークシート「マイプロフィール」を使用して、設問について回答をしていきます。
最後に、良い部分・課題となる部分を1~3つ書き出し、回答を明確化したのち、特に良い部分の回答を1つピックアップして、白紙に丁寧に清書します。
同時並行で、段ボールで額縁を作成し、清書した紙をはめ込み、掲示します。
活動の狙い
何事にも自信が持てない者やチャレンジすることに対し意欲が持てない子どもに対し、自分のよいところや得意なことを考え知ることで、具体的に「何に自信があるのか?」を確認できる取り組みであり、自己認識・自己肯定感アップを目的とした活動です。
本活動の狙いは以下の通りです。
- 行動の調整
自分のよいところや得意なことを考え、知ることで、尻込みする場面で一歩を踏み出すきっかけを作る。 - 自己肯定感の向上
活動に対する好奇心を確認し、積極的に参加を促す事で「自信」に繋げる。 - 創造性とこだわり
半永久的に療育室に掲示される自分だけの額『マイプロフィール』を、こだわりを持って製作することができる。
※ 自分の良いところを掲示することで、尻込みする場面や自信が持てない場面において、プロフィール内に書き出した良い部分を視認することで、自分の長所に意識を向けることができ、チャレンジ精神を育むことも狙いとしています。
活動の評価
設問項目を丁寧に埋めていく作業の中で、分からない児童は指導員が助言を行いながら進めていきました。
記述が難しい子はヒアリングしながら指導員が記入し、書こうか書かないか迷っている様子が見られる場合、全て肯定、自由に書いてもらう形で進めました。
また、万が一良い点が出ない子どもについては、課題となる部分をポジティブに言い換えて良い部分として意識できるよう配慮しました。
- 自分の名前を書く練習をしてきた子どもが、プロフィール清書の時に、補助なく自力で名前(ひらがな)で書くことができた。今まで継続的に行ってきた運筆練習の成果が出た。
- 良い部分がなかなか出ず、課題となる点ばかり挙げる子に対し、課題で挙げた『神経質』に対し『几帳面』という言葉に置き換えて、几帳面の意味を理解できる形で説明すると「めっちゃ合ってる!」と納得し、新たな自分の武器となるポイントを発見できた。
- 自分の良いところを10個ほど書き出す子がいた。良い部分に対し、具体的にどんなところかな?という問いに対して答えられなかったものの、指導員が活動と重なる部分を具体的に例示し、提示してあげたことによって、自分の良い部分への理解を深めることが出来た。
- 「〇〇君の良いところはどんな遊びでも絶対やってくれるところかな!」と言うと満面の笑みで回答をしてくれた。書字がまだできないため、指導員が書こうとすると「僕がやる」という姿勢を見せてくれて指導員と一緒に筆を握り、清書まで取り組むことができた。
- 額縁作成の際、細かな計測が必要なため、算数的な能力も必要になるが、算数が得意な女の子が自ら計算をしてくれて、他のお友達の分まで下書きで計測をしてくれた。常々、フォロワーシップについて指導をしていたが、初めてその成果が見えた瞬間があった。
- 「よく分からない」という子に対し、「〇〇君は誰とでも仲良くできるところと、素直で友達が大好きなところがあるんだけど、自分ではどっちが良いところだと思う?」と選択肢を与える形で提案すると、Aを選択し、自己決定する場面があった。その子に対し「〇〇君の良いところは?」と聞くと「誰とでも仲良くできるところ」と今では、自分のストロングポイントを理解してくれている。
- 額縁作成の際、限りのある資材を使いすぎる子に対し、「次使う子がいるから残しておいてね」と子ども同士で注意喚起する場面が見られた。そういった子ども主体でのやり取りができるよう、場面に応じ促す機会を設定していきたい。
- 尻込みが多い子どもに対し「自信が持てない時はプロフィールを見に行こう!」という言葉を掛けた。その後、ゲームで負けそうなときに自分の強みを見ることで「よーしやるぞ!」と自分を鼓舞する良いツールとなっている。
- プロフィールの中には、聞きなれない『星座』『家族構成』も入っていて、初めての設問に苦悩する子どもが続出した。星座については、星座表を貼りだし、自分の星座を確認すると「そうなんだ…」と初めて知る子どもが多く、良い機会となった。家族構成についても犬や猫を家族として捉えている子どもが多く、ほのぼのした雰囲気の中、活動を進めることができた。
- 少しレベルの高い子に対して『短所というのは長所でカバーすることができる』その真意を概ね理解することができた。短所というのは誰にでも存在し、それを無理に直す必要もなく、その短所を含めて『自分』であること、そして、その短所が強みに変わる事もあるという内容で説明をすると、一定の理解が得られた。
さいごに
いかがでしたか?
子どもたちみんながこだわりを持って作成し、自分のプロフィールを逐次チェックしたり、修正したりしています。
新たに利用される子についても、早い段階でLST『マイプロフィール』を実践し、自信を持って作成、掲示させてもらいます。
自分の強みというのを理解しているかしていないかで、こうも行動や言動に差異が出るものなのかと私自身、驚いています。
ASTEPの理念が詰まった活動として今後も継続して実践していきますね!
お問い合わせはこちら