大学では社会福祉学部に在籍、福祉心理を専攻し、某アパレルメーカーに就職
前職は公務員として11年間勤務し、1000人規模の職場で心理カウンセラーとして様々なお悩みを聞き、解決に尽力してきました。
どうも!ご無沙汰しております。みなぐちだいすけです!
今回は、ASTEPで実施したソーシャルスキルトレーニング(以下、SST)『対人マナー:お誘い』を評価していきたいと思います。
この記事をご覧の大人の方でも、友達とのやり取りの中で「今から遊ぼうよ!」と誘うことは、誰しもが経験のあることですよね!
お誘いしたのにも関わらず『誘ったけど断られてしまったら…』という場面を設定して、相互の気持ちを考えながら適切な行動・言動・態度を明らかにしていきました。
目次
活動の概要
少人数(1~3名)で、イラストを入れたパワーポイントのスライドを使い、頭でイメージできる形でSSTを進めていきました。
- かっこよく座る。
- 最後まで話をよく聞く。
- 質問は手を挙げてから。
活動の冒頭、お約束として子どもたちに以上の3点をお伝えしました。
まず『お誘い』についてイメージアップを図るため、2者の中から「誰がお誘いをしているか?」を選択形式のクイズをして、お互いの立場の理解を深めていきました。
そして「いいよ!」と、お誘いを受けてくれたら『嬉しい!』という当たり前の感情を実際にお誘いのやり取りを行い、湧き上がる感情を体感してもらいました。
その後「今日はだめなんだ…」と断られたときの対応として、イラストを3パターン(以下のスライドは一例)用意し、実際に指導員とやり取りを行い、適切かどうか?何が良くて何がいけなかったのか?の判断を求めていきました。
全てのイントロダクションが終わったのちに、だいすけさんからのアドバイスというイラストを用意し、以下の3点をお伝えしました。(子どもたちにはもっとかみ砕いてお伝えしています。)
- 『人と関わる』ということは、嬉しくなる時もある反面、嫌な気持ちになったりすることもある。
- 嫌なことを言われていつも怒ってばかりだと仲良くなることができない。
- 怒りたい気持ちをグッとこらえることも時には必要
SSTの最後の締め言葉として『怒ってもいいことなんかないよ!』とお伝えをし、しっかり話を聞けた自分とみんなに対して拍手をして終了しました。
活動の狙い
友達を誘うという行為の中には、〖誘い・要求・依頼〗の3つの行動原理のもと行われます。また、断られた際には、感情のコントロール(怒り)が必要となってきます。
今回のSSTの狙いには『気持ちの折り合いのつけ方を学ぶ』ことを焦点とした内容に仕上げています。
子どもさん自身が相手の感情をくみ取ること、また、感情移入ができるよう、適切なイラストを用い、実演しながら行う工夫をしています。
SSTの展開として、すべてのパターンを見せるることで、お互いの気持ちをそれぞれのパターンで言語化をさせて、どのパターンがお互い心地よいかを考えさせていきました。
また、落ち着いて相手の気持ちを考えると、自分の気持ちがおさまることに気づくことができるような言葉掛けを行いながら活動を進めていきました。
活動の様子
さいごに
この日のご利用された子どもさんについては全員がSSTの活動に参加することができました。
それぞれの子どもさんのご学齢、発達段階を考慮して『今伝えたいコト』はしっかり伝えられたかと評価しています。
ASTEPでSSTをしたからといって自分自身の気持ちをコントロールすることができるか?相手の気持ちを理解できるか?というとそうではありません。
こういった取り組みの積み重ねや、日々の関わりでの言葉掛けの積み重なりにより、初めて芽が出るものです。
日々の関わりの中心であり、一番の支援者である親御さんに対して、療育日誌で子どもさんへの今後の関わり(対応)について書かせていただき、今回使用したスライドをお送りさせてもらいました。
先ほども申し上げましたが、ASTEPでSSTを受けたからOK、ASTEPでプラスな言葉掛けをされていればOK、というわけではありません。
子どもさんの生活の中心は、ご家庭であり学校であることは間違いありません。
生活のコアな部分であるご家庭や学校に、ASTEPは積極的に介入していきます!
なぜなら、そのお節介が子どもさんの成長に繋がるものだと信じていますから…
ありがとうございました★
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