大学(保育過程)卒業後、保育園で2年間勤務、前職の園で特性を持つ子どもさんと触れ合う中で自分の道を模索する。
『障がい』への理解を深めるため、ASTEPでの勤務開始、子どもさんのピュアで素直な面を心で感じながら、日々勉強中の毎日です!
こんにちは!こんばんは!よしださくたです!
今回は製作を行う上での視点について解説していきたいと思います。
多くの放課後等デイサービスで製作活動は行われていると思いますが、製作活動の目的の最終地点は、将来の仕事に繋がり『お金を稼ぐ』ことに直結するものだと考えています。
製作活動で得られる能力は決して技術だけではありません。
- 指示された工程を指示通りに正確かつ時間内にこなすことができるか?
- 主体的に物事を捉えて作業に反映することができるか?
- 分からなかったり間違いに気づいたときに指導員に助けを求めることができるか?
これらはほんの一部ですが、製作活動には将来、就労を目指す上で重要な要素がたくさん含まれているのです。
製作に係る作業は、指導員の指示通りにやっていくことが基本となります。
基本を抑えて、そのあとに応用となり、自分で判断して行うこともできるようになっていく子どもさんもいらっしゃいます。
最初から応用ではありません。基本ができて応用になります。
しかし、まずするべき「基本」が、うまくいかないことがあります。
- 指示を理解できていない。
- 指示の先を見越してやろうとする。
- できると言ってできない。
やっているそばから、間違いを発生させてしまったり、手直しや二度手間を発生させてしまい、作業の流れをストップさせてしまうわけです。
さて、こういった指示通りではないことをしてしまう彼らは、何故、指示通りに行うことができなかったのでしょうか?
そこに支援者側の支援に落とし穴があったりします。
ここでは、そういった落とし穴に陥らないよう、製作活動の『指示通りに行うための基本』の4つの視点をご紹介していきたいと思います!
目次
できるだけ返事の真意を問う
指示通りに作業ができなかった子どもさんの多くは、指導員の指示が理解できなかったためであることが多いです。
指導員の言葉で説明をすると、子どもたちには分からないことが多くあります。
ですので、こちらからの指示が本当に伝わったかどうかを、本人の言葉で再度言ってもらうようにしています。
また、指導員が言葉だけで伝えている場合、伝わりにくいこともあります。
指示書を見せたり、絵にかいたり写真を使ったりなどの工夫をして、視覚でわかるものがあると、より理解することができます。
子どもたちから「はい!」「わかった!」の返事の中にある真意を考えたときに、指導員に良かれと思って言っている場合も考えられます。
「はい!」「わかった!」だけの返事を鵜呑みにするのではなく、より具体的にどう理解したのかを子ども自身の言葉で話してもらうことで、もう一度インプットすることもできますし、理解していない部分の確認にもなります。
場合によっては工程を区切って説明する
作業指示についても工夫を行っています。
工程の全体を説明してしまうことで、子どもさんの中には、早々に次々と作業をやろうとしてしまうことがあります。それにより、作業の精度も落ちてしまい、求めている目標まで到達することができず、修正により時間が倍ほどにかかってしまいます。
指導員としては、見通し立てるために良かれと思ってやっているかもしれませんが、場合によっては間違った支援となりうるわけです。
ですので、工程を部分的に説明するほうが、こういった場面では良いと思います。
もちろん全体の工程を話す必要がある場合もあるかと思います。
そんな時は、『ここまで出来たら手を止める』『ここまで出来たら指導員に声を掛ける』など、作業においての子どもさんとの約束や取り決めをしておきたいところですね。
ここまでと分かっていても、どんどん進めたい気持ちがあるのが子どもというものです。
ひとりでやっていいところ、やってはいけないところを、子どもさんに事前に伝えるべきであり明確にしてあげることこそ『見通しを持たせる』ことなのではないでしょうか。
なぜここまでしかしてはいけないのか?という理由も説明できると一層◎ですね!
より具体的な指示を出す
指示語や曖昧な言葉を多く使うことで、指導員と子どもとの解釈の違いによる間違いが出てきます。
ですので指導員は、より具体的な言葉で明確に指示をするべきです。
特に数字で示すことについては「あとちょっとやったら休憩しよう!」と言っても、子どもさんは、その「あとちょっと」が分からないわけで、延々と作業を続けてしまう場合があります。
これではメリハリをつけることができなくなることで作業の流れが変わり、全体の工程に影響することもあります。
そういった場合には「あと5分したら休憩しよう!」と具体的な数字で意識をさせたり、タイマー(音)で休憩時間を決めることを行うことを伝えるなど、子どもさんに具体的に話すことが大切になってきます。
難しい工程は観察する
子どもさんのできるかできないか微妙なラインの作業については、最初にどういう様子で始めるのかをしっかり観察することです。
観察している間に、できない部分を把握すること。把握が終わった時点でどのように支援に入るか?また、その作業が難しい場合、代替えになる作業を提案する等を行う場合があります。
その子どもさんに、できることなのか?どうやったらできるのか?それともできないのか?しっかりと見極めていくことが大事になります。
その際の、作業環境には十分に配慮したいところです。
それぞれの子どもさんにとって、どういう環境が良いのかを把握して、作業の邪魔になるものは省いていきたいところです。
座席の配置、机の高さ、周りに気を逸らす物(おもちゃなど)がないか、その日の体調など、環境によってできないのであれば、直接支援となる子どもだけでなく、周りに対しても支援が必要となります。
「できるって言ったじゃない!」といってもそれは無駄です。その時はできると思ったから言っています。子どもがウソをついてると思わないことです。
さいごに
ASTEPの製作活動のほとんどは、私が立案・実践を経て、評価をさせてもらっています。
本記事でもお伝えしましたが、ASTEPでの製作は『指示通りに行うことが基本』としています。
今回は一部ですが、4つの視点をお伝えをさせてもらいましたが、これらの視点を持つことができれば、子どもたちは間違わずにできるようになることが格段に増えていきます。
作業を間違ってしまったのは、子どもの障がい特性や能力の低さによるものではなく、子どもたちの障がいを理解していなかった支援者側の認識違いによるものが多いです。
子どもさんはそれぞれに違うわけですから、今後の製作活動でも『作業を指示通りに行うことを基本』とし、その後の応用力につなげるためにも、まずはこの基本をASTEPの指導員にも徹底していきたいと思います!
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