立命館大学・政策科学部卒 卒業後、アパレル企業に就職
父が特別支援学校の校長であったこともあり、児童福祉の道へ進むことを決意
一児の母でありながら、2021年にASTEPを立ち上げ、仕事と子育ての両立を目指し、日々奮闘しています!
ASTEPでは『生活力の向上』を狙いとしてライフスキルトレーニング(以下、LST)を積極的に立案し、週に1回を基準として集団活動として、また、必要に応じ個別療育としても子どもさんの特性や時期的特性に応じて、必要な時期にプログラムとして実践しています。
ASTEPでのLSTは、その名の通り、生活に関連する技術・意識の向上を狙いとして行っているものですが、そのほとんどの内容は『子育て』において親御さんから教え伝えられるものです。
LSTは何のために行っているのかと言いますと、一番の目標は『社会自立』いわゆる『ひとり立ち』を実現するためです。
今回の記事では、LSTを積極的に実践する上で、親御さんにご理解いただきたいことについて、お伝えしていきたいと思います!
目次
きっかけを作り、抜かりなく準備する
子どもさんが『ひとり立ち』をする。それは成人がゴールだとしたら20年ほど(今では成人は18歳ですが)必要になります。
知的や発達に課題のある子どもさんだと、更に時間を要することがありますが、ひとり立ちをする日は必ずやってきます!
必ずやってくるその日に向け、長い年月をかけてひとり立ちする準備を、我々支援者やご家族が中心となって行っていくことになります。
こう思う親御さんもいらっしゃることでしょう。我が子への可能性を見出せずにいる親御さんもたくさんいらっしゃるかと思います。
そんな思いを持っている親御さんにひとこと…
『できない』に注目しすぎていませんか?『できる』に注目する観点を持ちましょう!
できることをしていると、できることの幅が広がったり、奥深くなったりしていきます。また、できることを増やすために様々な経験をする場が必要になってきます。
もちろん、子どもさんにとって興味のないことであれば「やりたい!」と言わない可能性もあります。
しかし、突拍子もなく興味を示すこともあり、子どもさんから溢れる好奇心が感じられ「やる!」と言ったときに、私たち支援者やご家族が、抜かりなく準備をしているか否かがものすごく大事なことだと思っています。
そういったきっかけを作り、準備をしていかないと『やらない』結果『できない』に繋がるのかもしれないですね。
子どもさんにとって、経験したことがないことは分かりにくくイメージがしにくい(見通しが持てない)、また、課題によっては失敗を恐れているような子どもさんもいらっしゃることでしょう。
できるかできないかわからないにしても、子どもさん自身に興味がなくても、将来、生活に役に立ちそうなことを中心に経験をすることが良いので、まずは「やる!」と言うまでの姿勢作りに尽力してください。
家庭でできるLSTは?
ご家庭で簡単にできるLSTは、やはり『お手伝い』ですね!
洗濯物をたたむ、料理の作業をを一緒に行う、掃除機をかける、最初はうまくいかないかもしれませんし、上手くいくはずもありません。
大事なことは興味を示すかどうかです。子どもさんの様子を見てみることが大切です。そこで好奇心に溢れた目(目をまんまるにして視線を離さない)をしている時こそタイミングです!
嫌いなことはできませんが、好きと思えること、興味を示したことへは、上手くいかないかな?と感じても挑戦してくれることもあります。
やることはまだまだたくさんあります。お手伝いだけではなく、自分の身の回りのこともそうです。
更衣、洗顔、歯磨き、片付け、少し難易度が上げると、シャンプーや爪切りなどは後回しにしても良いかと思いますが、できるようになる日を思い描きながら準備をしておくことが大事です。
お店に行けることも必要ですね。普段行くスーパーやコンビニ、理髪店など、目標とした場所に行けることもライフスキルとして大事な部分の1つです。
これらの要素を、幼少期~学童期のうちに経験ができる場を作って、遊びの中にも取り入れて体験していけると、何年後かの将来に必ず役に立ちます。
うちの子にはまだ早い…もうちょっと大きくなってから…などと思わず、とりあえずその時点で、できるかできないかは分からないけれど、まずやってみてください!
子どもさんが興味を持っている機会を逃すのは、成長のチャンスを逃すようなものですので、積極的に経験できる場を設定していくことです。
興味も示さないのであれば、少し時間や日をおいてから経験してもらえるようにするのも良いです。1回やってダメならこの子はできない!というように決めつけることもありません。
興味が持てるようにしながら興味が持てたときに、子どもさんの生活力をつける場を充分に取っていきましょう。
そうは言っても、仕事や家事で時間を設けることができず、経験の場や時間を裂けないご家庭もあるかと思います。
そういった時に頼っていただきたいところが、放課後等デイサービスや児童発達支援などの療育施設です。
将来、自立に繋がる様々な経験ができる場所であり、親御さんにはできない経験の拡大になります。
一人で抱えず、色々な人に頼んでいくことも必要です。
将来、子どもさんに何ができるようになるかはわかりませんが、ひとり立ちを目指して、やりたいこと・興味を持ったことからスモールステップで成長の機会を作り出していきましょう!
さいごに
ASTEPで行っているLSTはご家庭でも行うことができます。ご利用保護者さんには、その日のLSTの内容、手順、資料等を送付しています。
内容や資料については『企業秘密』ですが、その内容を保護者宛てに送付している理由は…
ASTEPで行ったLSTをご家庭で振り返りを行ったり、後日、子どもさんに対して親御さんから再度インプットを幾度か行っていただくことで、知識や知恵の定着を促し、ひとり立ちに向けての『土台』を作ってもらいたいからです!
また、色々な特色を打ち出している放課後等デイサービス事業所があり、子どもさんの特性や性質に合う施設、ライフワークに合う施設を選ばれると良いのではないでしょうか。
何より、子どもさんの体験から得る経験は、どんなモノにも代えられない財産です。
子どもさんの経験という名の貯金を増やしていけると、ゆとりを持ったひとり立ちが実現できるかもしれません。
その準備は今からできます。思い立った今からがスタートです。
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