障がいのある子どもさんを育てる親御さんは、どんな関わりをされて子育てをされていますか?
良かれと思って掛けている言葉の主体は親御さんになっていませんか?
目線違いの言葉を掛けてしまうことで、子どもさんからすると難しいだろうなと思うことが多くなります。
もっと大人(親)の発信の方法を変えれば、きっと子どもさんにも通じるし、パニックになり泣くことも暴れることも反抗することも減るのになぁと思っています。
掛ける言葉や関わりの質で、間違いなく子どもさんは変わります!
今回は、ASTEPでよくある事例を取り上げながら、実際の関わりの中で行っている『対話術』についてお伝えしていきます。
感情論は捨て、あくまで一般論で書かせてもらいますが、いわゆるグレーゾーンといわれる子どもさんや障がいがある可能性もある子を対象にお伝えしていきたいと思います。
子どもさんを取り巻く地域社会と足並みを揃えていければ効果大なので、最後までお付き合いくださいね!
立命館大学・政策科学部卒 卒業後、アパレル企業に就職
父が特別支援学校の校長であったこともあり、児童福祉の道へ進むことを決意
一児の母でありながら、2021年にASTEPを立ち上げ、仕事と子育ての両立を目指し、日々奮闘しています!
目次
根気よく何度も教える
障がいを持つ子どもさんは、同じ間違いをしたり、何度言っても忘れたりする場面が多くあるかと思います。
そもそも間違った時というのは、子どもさんがどういう状態だと思いますか?
知っているのに間違っているのかというと、そんなことはありません。
単純に忘れてしまったり、前に言われたことの内容が難しく伝わっていなかったり、他のことに気を取られていたり、そういった状態の時に間違いが発生します。
「さっき言ったのにどうして忘れているの!」
などという言葉を掛けたところで、何で覚えていないのかを聞いても思い出せませんし、反省させるということをしたところで小さい子どもさんほど反省の意味を見出すことができず、正しい理由の判断がつきません。
ですから「さっき言ったのにどうして忘れているの!」などという怒りの感情を含めた言葉は無用です。
正しい関わりとしては、『再度、正しいことを教える』ことです。
忘れたら繰り返し同じことを教えることを根気よく続けることで覚えていきます。覚えているかを確認してみても良いと思います。
間違えた時や忘れてしまっているときは、負の感情をもって叱るのではなく根気よく教えてあげてください。
具体性をもった言葉を掛ける
施設での決まった活動、親が決めた行動予定を嫌がる子どもさんがいらっしゃるかと思います。
これは、子どもさんの気持ちが「これをやる」と決めていたのに、大人(親)が他のことをやろうと予定変更している状態なので、なかなか気持ちを切り替えることができません。
まずは、子どもさんの気持ちがどこに向いているのか?スケジュールや気持ちの確認をしてみてください。宿題や集団での活動も大事かもしれませんが、本人の気持ちを尊重し認めることから入れるとベストです。
そこからは、子どもさんと『対話』に入ります。
対話する準備ができたら、具体性を含めた言葉を掛けます。
例えば「長い針が10になったら宿題をしよう!」「あと3回したら買い物に行こう!」具体的な時間や回数を先に子どもさんに提示してみてください。
決して「今すぐ行くって言ってるでしょ!すぐにやって!」のように感情をぶつけないことです。
子どもさんと目線は同じに、対話するという気持ちで言葉を掛けてみてください。
聞く耳を持つ
大人が思っていることと違うことをしたりする子どもさんも多いのではないでしょうか?
子どもの言葉自体も不正確なところも多く確立されたものではありませんが「なぜそのように思ったのか?」を聞いてあげて下さい。
ASTEPでも「なるほど、そう思ったからか!」と思うことも多くあります。
人間はコミュニケーションを取らないと、相手が思っていることや自分が思っていることは、お互いに見えませんし読み取ることができません。
人の気持ちというのは、コミュニケーションがなければ知ることができない部分なのです。
コミュニケーションがなければ、私の気持ちは私だけしか知りえません。
子どもさんの気持ちに聞く耳を立てなければ、大人の気持ちを押し付けられた状態になってしまうのが子どもです。
その状態になった時に出る最後の抵抗が『違うことをする・反抗する』になるのです。
相手の頭の中を探ってみることから始めてみてください。
大人が思っていることと違う気持ちや意味が分かれば、先ほど紹介した『対話』に発展できます。
子どもに折れてもらうばかりではなく、子どもを尊重するのも1つの方法なのではないでしょうか。
柔軟に予定を組み替える
ご飯の時間になり「ご飯だよー!」と呼んでも、自分の好きなことをやり続けている子どもさんもいらっしゃるのではないでしょうか?
この時の親御さんの心理状況としては「このあとお風呂に入れて歯磨きして寝かせてから次の日の学校の準備をして…」と時間に追われていることだと思います。
子どもが今していることを長く続けていたら後々どうなるかなど、スケジュールを立てていても計画的にできると思わない方が賢明です。
本来であれば、スケジュールを立てて、その運びでいけると良いのですが、そう簡単にいきませんし、子どもさんだけでは難しいです。
柔軟にスケジュールを組み替えて対応しながら、都度、見通しを立てられる言葉掛けを行い、根気よくインプットしていきましょう。
さいごに
以上4点を書きだしていきましたが、共通して言えることは『感情的になることはご法度』ということです。
子どもさんの能力の未発達さもありますし、子どもさんといえども言い分もあります。
考えてみると、大人の世界でもよくあることです。
大人であれば、上手く立ち回れるかもしれませんが、子どもはそういう訳にもいかず、どうしようかと悩んでいる矢先に、大人(親)から小言を言われるわけです。
その小言は、大人は怒りの感情をぶつけたり、子どもに今の怒りモードをアピールしたり考えを制止しているだけのことが多いように見受けられます。
感情で怒られた子どもさんの大体は、怒られていることしか覚えていないでしょう。
ですから、次も同じように大人(親)を怒らせることになります。負のルーティンですね。
子供と目線を合わせ対話をするというイメージで関わってみてはどうでしょうか?
もちろん対話中は怒りはなしです。
子どもさんを立てる時もあるでしょうし、自分の言うことに納得してもらえることもあるということです。
穏やかな気持ちで子どもに通じる言葉を使うことで、対話が成功するといいですね!
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