朝晩はだいぶ冷え込みが厳しくなってきましたね…それでも元気な吉田です★
今回は、認知ゲームの定番『神経衰弱』の集団活動について評価をしていきたいと思います。
とはいってもトランプでの神経衰弱だけではありません。
今回は、神経衰弱用のカードを3つ用意して、グループ分けを行い、個々の能力・特性に応じてゲームを実践していきました!
それぞれの神経衰弱に『狙い』が隠されていますので、親御さんをはじめ、同支援施設の方々も是非チャレンジしてみてください!
大学(保育過程)卒業後、保育園で2年間勤務、前職の園で特性を持つ子どもさんと触れ合う中で自分の道を模索する。
『障がい』への理解を深めるためASTEPでの勤務開始、子どもさんのピュアで素直な面を心で感じながら日々勤務しています!
現在は、勤務をしながら社会福祉士資格の取得に向けて勉強しています!
目次
活動の概要とねらい
一般的に言われる神経衰弱を行う効果には『記憶力・集中力・忍耐力』の向上が見込まれるゲームとされています。
トランプで行った際のゲームの内容として、めくったカードの位置や数を記憶する必要があります。この際、記憶する時に「目で見たものを写真で撮ったように記憶する力」が無意識のうちに発揮されていたりします。
目で見た情報を脳に伝え、記憶として残そうとすることで脳が刺激されて、短期的な記憶力が強くなったり、友達がめくったカードの位置を見続ける集中力や、負けが込んでいる場面での忍耐力など、ゲームを通して得られる効果は意外と多いものです。
今回のASTEPでの『神経衰弱』の活動においては、神経衰弱というゲームを認知するところから始まり、内容(ルール)を理解しながら楽しむことを目的としながら、プラスαで子どもさんそれぞれに『今必要なこと』をゲームを通して理解を深めていくことを狙いとして活動を立案しました。
ASTEPでは以下の3つのカードを用意しました。
トランプを使用した通常の神経衰弱です。
発達に課題を持つ子どもさんにとっては『ゲームのルールを理解して遊ぶ』ということ自体、壁が高く難しいこともあります。
大人からすると単純なルールのように思えますが、神経衰弱には…
- カードは1回で2枚めくる
- 同じ数字が出たらもらえる
- 違う数字だったら次の人の番になる
- カードをたくさん集められた人の勝ち
これらのルールに加え…
- カードをめくる順番を待つ
- 失敗したときの感情のコントロール
- 友達がめくったカードとその位置を記憶する
円滑にゲームを楽しむためには、これらのルールを意識できるかどうかが鍵となってきます。
通常の神経衰弱に参加したグループの子どもさんに対しては、それぞれに『必ず守ってほしいルール』を個別にインプットして、ルールへの意識を促していきました!
時計(手作り)の神経衰弱です。
主に、時計の勉強を始める学齢(1~3年生)の子どもさんを対象としたゲームになります。
アナログ表記で書いたカードとデジタルで書いたカードを並べ、右左で同じ時間のカードを一致させていくルールで進めていきました。
その際のルールとして、デジタルの方からめくることを事前にインプットしていきました。
比較的分かりやすいデジタルでの時間を見て、短針の指す時間のイメージを膨らませることを狙いとしており、パっと頭に浮かんだデジタルの時間をアナログに変換する癖を付けてもらいたいため、ルール設定をさせていただきました。
それと同時にゲームの醍醐味である『ワーキングメモリー』をフル稼働してもらえるための言葉掛けをゲーム中に行っていきました。
ひらがな・カタカナの神経衰弱(手作り)の神経衰弱です。
主に、学校やASTEPの個別療育の時間に、文字の読み書きの課題に取り組んでいる子どもさん、文字に興味を示し始めている子どもさんを対象としたゲームになります。
ASTEPを利用され始めてから現在まで、言葉の幅を少しずつ広くなりつつある子どもさんも多く、字を認識できるようになることは、語彙を獲得されていく上で非常に有効的であるため作成しました。
ゲームの中で楽しく字を覚えていくという狙いを持ちながら、それぞれの子どもさんに助言を行いながら活動を進めていきました。
神経衰弱のルールに加え、ひらがなとカタカナに触れること、字は違うけど音は一緒であること、めくったカードを指導員が発声をしながら理解を促していきました。
活動の評価
活動序盤では、短期記憶の練習としてカードの枚数を少なめにして、頭のウォーミングアップを行いました!
久しく神経衰弱をしていない子どもさんも、ゲームの手ごたえを掴んでくれました!枚数も少なかったこともあり、練習段階から連続でカードをゲットすることもできました!
指導員も一緒にプレーしながら行いました!だんだん要領を掴んでいく様子が見られました!
「めくった場所が何の数字だったか覚えよう!」と、逐次言葉をかけながら進めていくと、要所で「こことここ!」と、勢いよくカードをめくって場所を覚えていた様子が見られました!それと同時に、当てが外れると悔し気な表情もされたりなどゲームに入り込めています!
開始前にすべてのカードの位置をオープンし、短期記憶する時間を設けています!その際のルールとして〖文字の方から必ず開ける〗をインプットしていきました!
ゲームを開始すると、1~12時のカードをめくりながら、「あれれ?」という場面があったり、正解したときは、とても嬉しそうにする様子が見られました!
ゲームの最後に右左の時計の表記に対して「見た目や書き方は違うけど同じ時間であること」をお伝えをして、活動を終了しました!
『ワーキングメモリーの活用』という部分に関しては、一度見たカードに対して指導員が「あれ?これさっき見たね!」という合いの手を入れながら進めると、悩みながら記憶を辿ろうとする様子も見られ◎でした!
最後は握手をしてゲームを終了しました!
文字の神経衰弱でも、短期的に記憶してもらう時間を入れています。
「これとこれが一緒なんだよ!」と、指導員と一緒に文字を一致させながら認識していきました!
活動に対する意欲も十分に感じられ◎でした!
この日参加した子どもさんは、現在進行形で文字(ひたがな・カタカナ)の読み書きを勉強していたり、文字に少し興味を持ち始めた子どもさんであったため、カードの数は少な目に設定し、時間をかけてゲームを楽しんでいきました!
まだカタカナは分からないのに、持ち前の集中力と記憶力を頼りに正解を量産するなど、子どもの潜在能力に圧倒された場面もありました!
さいごに
神経衰弱の活動をお伝えしていきました!
友達や家族と楽しく遊べる神経衰弱、ASTEPのような療育施設に通わなくても、お家で遊びながら記憶力や集中力を高めることができます!
子どもさんが興味を持っていることや親御さんが必要だな~と思うものを題材にして工夫できると、神経衰弱をより効果的な遊びにすることができます。
それ以外にも家族との仲を深める意味でも、このような遊びを取り入れるメリットはありますよね!
神経衰弱でなくても、子どもがしたい遊び、興味のある遊びを、週に1度でも良いので「やる!」と決めておけば、その日は絶対に家族と過ごせてお互いに笑える時間がきます。
家族団らんの空間を決めごとのように作ることで、親と子どもの距離が縮まり、子どもが親に相談しやすい環境を作ることに役立ちます。そうすると、子どもが悩んでいる時に最大限の手助けをすることができますよね。
家族が笑顔で仲良く過ごすためにも、家族で神経衰弱(ゲーム)をする日を作ってみてはいかがでしょうか?
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