人が何か行動を起こすとき、必ず理由がありますよね。パニックも同じで、原因があるんです。多くの場合、その原因は「嫌なことがあった」「困ったことがあった」「不安だ」といったものです。
支援者からすると「パニックになったのはわかるけど、原因がわからない」「突然パニックになった」と感じることが多いかもしれません。でも、原因は支援者が気づかないだけで、本人が何かを感じているからなんです。
この記事では、パニックへの理解と、その原因についての解明、取り除くポイントをまとめました。
目次
どうやって原因を見つけるのか?
原因を見つけるために大切なのは、仮説を立てることです。パニックが起きた時、何があったのかを振り返ってみる癖をつけたいですね。パニックの前にどんなことが起きたのか、何が変わったのかを考えていきましょう。
いくつかの仮説を立て、その中から一つを原因として仮定します。
そして、その原因を取り除くために支援を行います。もしその支援でもパニックがなくならなければ、仮説が間違っていたということになるので、次は別の仮説を立て、試してを繰り返して支援を変えていきましょう。
こうして、地道な作業、検証を繰り返しながら、正しい支援方法を見つけていくことが結果的に早期に解決できたりしますし、徐々にパニック行動が少なくなってお子さんも穏やかに過ごすことができます。
支援者の関わり方も大事
支援者の存在がパニックを引き起こしてしまうことも往々にしてあります。
だからこそ、自分の支援方法や関わり方を見直すことも大切です。「自分の存在の仕方がどう影響しているのか?」を考え、適切なアプローチを見つけていきましょう!
彼らが嫌がることや不安に感じることは何でしょう?
支援者の目線では「これくらい大丈夫」と思うことでも、彼らにとっては大きな不安の原因になっていることがあります。
日々、多くのことに困っている彼らが、パニックという形でSOSを出しているのです。
パニックを減らすために
パニックは、彼らが感じているSOSです。そのSOSの原因を理解し、支援者が対応を変えることで、パニックは減っていきます。
例えば、あるお子さんが突然パニックを起こしたとします。
原因がわからず戸惑うことも多いですが、よく観察すると、その子は大きな音や予期せぬ出来事に敏感で、急に音楽がかかり始めたときにパニックが起こっていることがわかりました。
この場合、原因は「大きな音に対する不安」です。この仮説に基づいて、音量を小さくする、あらかじめ音が鳴ることを知らせるなどの支援を行うことで、パニックが減らすことにつなげます。
別の事例では、日常的に予定が突然変わることが苦手な子がいました。
ある日、予定されていた外出が雨で急遽中止になり、その瞬間にパニックが発生しました。この場合の原因は「予定変更による混乱」だと考えられます。
支援者がこの原因に気づけると、事前に変更の可能性を伝え、他の選択肢を用意しておくことできますし、次回からはパニックを回避できるようになりますよね。
まずは、原因を探ることから始めましょう。原因がわかれば、パニックをなくすことができます。そして、支援者が「どうやって止めよう?」と悩む必要もなくなります。
さいごに
パニックは決して「突然」起こるものではなく、必ず原因があります。
支援者がその原因を探り、適切な支援を提供することで、パニックは減り、やがて防ぐことも可能になります。
パニックを止めることに焦点を当てるのではなく、彼らを理解し、安心できる環境を作ることが大切です。原因を見つけるには時間がかかるかもしれませんが、少しずつ支援を工夫しながら、一緒に成長していきましょう。
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