こんにちわ!こんばんわ!
今回の冒頭は”宿題”についてです。
ASTEPへ帰ってくるとみんな習慣化されているかのように、カウンターに座り宿題を広げて取り組んでいます。
私たちASTEPは学校の先生でもなければ塾の先生でもないため、「勉強を教える」という支援ではなく「勉強の時間を共にする」という形で、一緒に問題を解いていく姿勢をもって支援を行っております。
そうした中で思うことは、読解力や計算力というより「学び方を学ぶこと」ことがまず必要なのではないかと感じています。
発達障がいの子どもたちの脳や神経の特異性は、「見えにくく、わかりにくい」ところに大きな原因があります。
「見えにくく、わかりにくい」ことは子どもたち自身を理解する場合にもあてはまります。
得手と不得手の落差が大きい傾向がある発達障がいの子どもたちが「自分は何が得意で、何が苦手なのか」を子どもたち自身で気づいたり理解することはとても難しいことです。
つまり、子どもたちの多くは、自分に合った学び方を知らないことが多いんです。そのため得手不得手という発想以前に「出来ない」現実に押しつぶされてしまいます。
これらのことから、専門性がある支援者(特に学校の先生)が子どもたちの得手不得手を専門的かつ詳細に理解し、その子どもに合った方法を子どもたちに提示してあげることが必要なのではないでしょうか。
その後、子ども自身の自己理解を深める取り組みをしていくことを始めて「自分に合った学び方を身につける」ことが、勉強そのものよりも、まず優先された方がいいのかと思います。
宿題に取り組まれている利用児童保護者様へは、宿題の取り組み状況を、療育日誌やお顔を合わせた時にお伝えさせていただいていますが、もし勉強のはかどり具合が気になるようでしたら、学校の先生に相談をされることをおススメします!
前置きが長くなりましたが、6月1週の療育をピックアップしてフィードバックしていきますね!
目次
7日(月):個別のプログラム
個別療育として、それぞれの子どもの特性を踏まえた最適な課題を設定し取り組みました。
この日の課題のひとつである「表情一致」をピックアップしてご紹介します。
この課題は、人の表情(喜怒哀楽)察知しながら、同じ色の枠にはめ込んでいく課題です。
課題を行った後に、実際に出題者(職員)が色々な表情をして、実際に読み取る課題についても付加的に行っています。
発達障がいや自閉症の子は、表情をや感情を正しく読み取ることが難しく、会話の中で相手の気持ちや状況を感じ取ることが苦手な傾向があります。
この課題を対象とする特徴は、以下のとおりです。
- 会話の際に目を合わせられない
- 細かい部分に注意が向く
- 顔以外の部分の注意が向く
- 顔を見ながら会話が出来ない
- 表情と言葉の一致が難しい
- 全体の状況の理解が難しい
- 感情を捉えるのが難しい
発達障がいや自閉症の子どもが、相手の表情を読み取ったり感情を理解するのが難しい理由にはいろいろなものがあります。
普段の生活において、会話の際に相手の相手の表情から気持ちを理解し、適した会話や対応をするのはコミュニケーションの基本となります。
社会に出て、沢山の人と関わる上でも、気持ちを読み取るスキルは必要になるので、少しでも表情と感情に対する理解を深めていこうと思います。
この課題については2名行いましたが難なくクリアできました!
引き続き応用を含めて取り組んでいきたいと思います。
8日(火):製作(1/2)
今回の製作は、子どもたちが大好きな「ミニオン」の製作です!
それぞれの子どもの特性を踏まえて、帽子、貯金箱、ペン立てを製作を行いました。
牛乳パックを使って、画用紙を切り貼りしながら作っていく作業ですが、目的である取り組みへの姿勢と自発性について大いに評価できる場面がありました。
参加することはもちろんのこと、1つの作業工程が終わると「つぎは?」「まだ?」という子がいたり、次の工程に移りたくて今の工程を一生懸命取り組む姿勢が周りの子に波及したりと、非常に良い効果をもたらしました。
また、作業についても、難易度の高い帽子(複数の牛乳パックを切って組み合わせる作業)についても、遅れることなく計画通り進めることができました。
作業面での個々の到達目標については、課題が残る点(ハサミの扱いや、完成のイメージ)がいくつか散見されましたが、次週にも設定しているので、課題を見極めて次に繋げていきますね。
9日(水):風船バレー
この日の特性として、利用児童が13人、多くの子どもたちがいる中での風船バレーということで、怪我や事故に最大限に注意しながら療育活動を行うよう、事前シュミレーションを行い準備を万全にして臨みました。
目的である『ルールの理解と提案』に対し、職員から「コートを作ってチームで戦うか、落とした人が負けで個人で戦うか」の選択権を与え、多数決の結果、個人戦を行うことになりました。(しっかりみんなどちらかを選び挙手できています!)
落ちたら負け、ということでみんな必死になって風船を追いかけています。
プレーが続く中で「落とさずにみんなで100回を続けよう!」という新しいルールが提案されました!
内心「新ルール待ってました!」という気持でシメシメと思う職員たち、みんな新ルールに賛成をしてくれて、いざ実戦!
その後、何度かやり直すも、みんなで協力し合い、100回ラリーを達成することができました。
子どもたちの提案力と協調性の力で、風船バレーも今後どんどん進化していきそうです。
10日(木):SST(ソーシャルスキルトレーニング)
今回のSSTは『対人関係』についてみんなで学びました。
言葉のやり取り、一方的な思い込み、他者との適切な距離感など、自身の対人関係について気付き・見直すきっかけや関わり方のヒントになるようにこの活動を設定しました。
- 相手に唾をかける→言葉で伝える
- 物の取り合い→承諾を得る、みんなの物
- わざとではないのに…→謝る、相手の気持ちや状況を理解する*年下と対等に戦う→他者との違いに気づき思いやる
- 暴言→相手の気持ちを考える
これらの項目を、みんなで意見を出し合い、実際にどう言ったらいいのかなど、実演形式で行いました。
「こう言ったらだめ?」「こんな気持ちにもなる」など、実際に言われてどう思ったのかを考え、皆で発表し合うことができました。
いつも発表してくれる子が決まってきているため、こちらから指名をすると、声こそ小さいですが、しっかり自分の意見が言えた子もいました。
SSTについては、個人ごと理解できる度合いが違ってくるので、集団療育と並行して、個別でのトレーニングについても力を入れていきます!
11日(金):宝探しゲーム
宝探しゲームには社会性向上の部分や、頭で複雑に考えることが多く、体と頭の両方を使いながら、チームで協力しながら探す、社会性を身につける上で非常に大きなメリットのある遊びです。
子どもたちの特性を考えて、チームではなく個人で実施することとしました。
あらかじめ用意しておいたカードを探して、お宝にたどり着くゲームですが、収穫として、ある一人の子ども(小学校低学年)が、6年生の子に「〇〇君、これ読んで!」とお願いする場面がありました。
自分は読む事が難しいと判断(漢字の上にひらがなを書いていたのですが…)し、年上の分かるお兄ちゃんにヘルプを出せたんです!
今までの様子を見ていると、何事も「自分!」で、大人に対しては分からない部分を聞く行動は見られていましたが、友達に聞くということが初めてだったんです。気を許せる仲間ができたことはすごく評価できる部分ですね。
また、ある子は「高いところにあって、ゆっくり座れる場所は?」のカードに対し、色々なベンチに職員を連れて行ってくれることがありました!
理解しているんです!参加が難しく思っていた子が、しっかり参加をしてくれています!(内心、うれし涙でした…☆)
我々が思うこと(それぞれの子が活動を通して目標としていること)を遥かに上回る行動を、毎日のように見せてくれます。
意義のある活動だったので、また近々取り組みとして設定しようと思います。
まとめ
土曜日には、梅狩り体験を行いました。後日、ブログでフィードバックを含めてご紹介していきますね!
今週の療育(6月14日~19日)のアジェンダを更新しております。ご確認を宜しくお願いいたします!
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