育児において「褒める」と言うことは、子どもとのコミュニケーションの中で必要不可欠なことであり、子どもとの信頼関係を築くうえで最も大事なことのひとつです。
褒められてきてこなかった子どもよりも、褒められて育ってきた子どもの方が自己肯定感が高い、ということは紛れもない事実です。
しかし褒め方にもいろいろあり、親や周りの大人が褒める技術を磨くことによって、子どもの成長を更に加速させます。
今回紹介する褒める技術の中の「To be 褒め」について、よくやりがちな褒め方「To do 褒め」と比較をしながら、解説をしていきたいと思います。
目次
よくある褒め方「To do 褒め」
皆さんはこのように褒めることが多いのはないでしょうか?
国語の成績がクラスで1番だったよ!
1番になったんだ!クラスで1番取れて良くやったね!
-
例えば…
- テストで100点取れたね!やったじゃん!
- ひとりでできたね!えらいね!
- あなただけクリアしたんだね!すごいね!
このように、物事の結果にだけにフォーカスして認めてあげる褒め方を「To do 褒め」と言います。
結果が全て、結果第一と認識されている時代背景もあり、できたことそのものを褒める大人が多いのではないでしょうか。
もちろん、集団で1番になったり、100点を取れたことは、子どもにとっても、親や大人にとっても嬉しいことなのですが、この褒め方ばかりでは、子供は誤解を抱くようになります。
それは「結果を出すと褒めてもらえる」という誤解です。
「褒められるために何かをしないといけないんだ」や「親(大人)の期待を裏切らないように」という考え方を持つようになってきます。
そうすると結果が出せなかった場合、事実を隠したり、良い子ぶったりする影響がでてくるとともに、ストレスへの耐性がなくなり、自己肯定感が低下してくる恐れがあります。
上手な褒め方「To be 褒め」
「To do 褒め」だけのリスクをお伝えしましたが、「To do 褒め」だけというのは有用ではありません。
チャレンジしていることにより、対する能力はアップは見込めるかもしれませんが、自己肯定感への働きかけとしては極めて低いです。
何かができるようになったとしても、それを普段の生活で発揮するために、自信が伴っていなければ意味を成しません。
ここで有用な褒め方である「To be 褒め」の登場です。
子どもが何かを達成したときには、「To do」よりも「To be」にフォーカスして褒めるのが大事です。
国語の成績がクラスで1番だったよ!
1番になったんだ!毎日宿題を頑張っていたのを見てたよ!毎日コツコツできることは本当にすごいね!
-
例えば…
- 跳び箱ができるようになったのは、諦めなかったからだよね、粘り強いね!
- 100点とったんだね!集中して勉強したからだね!すごい集中力だね!
- クリアしたんだね!みんなの支えがあってできたんだね!お友達と協力できたことに感心したよ!
このように結果に至る過程の部分や質的な部分をプラスして褒めてあげます。
継続力、集中力、積極性、主体性、協調性、優しさなどの「子どもの性質」を強調することをしてあげてください。
結果(To do)は、子どもの性質(To be)があってこそ!と結びつけてあげることで、自分への肯定感が高まっていきます。
まとめ
- 褒め方には「To do 褒め」と「To be 褒め」がある。
- 褒める時は「To do 褒め」よりも「To be 褒め」を多くする。
- 「To be 褒め」のコツは子どもが本来持っている性質的な部分を褒める。
今の時代は、能力や結果を追求しがちです。点数、成績や順位など形として見えやすいこともあり「To do」ばかりを褒める傾向にあります。
逆に「To be」のその子らしさは、目には見えにくいものなので、見落としてしまったりスルーしてしまいがちです。
これを機に、子どもありがたさを改めてかみしめながら「To be 褒め」を実践して、子どもとの距離をぐっと近づけてください。
そうすると子どもに対し「生まれてきてくれてありがとう」という何気ない言葉が、自然に出てくると思います。
褒める場面で使うだけでなく、普段のなにげないときにも、ぜひ口にしてみてください。子どもにとって、どんな褒め言葉よりも心に響くはずです。