こんにちわ!こんばんわ!
早いものでもう7月も間近ですね。ASTEPの子どもたちと関わるようになり、月日が経つのが早く感じます。
7月中旬からは、待ちに待った夏休みに入りますね。私たちにとっては、子どもたちといつもより多くの時間を過ごせるのでとても楽しみで仕方ありません。
さて、今回の冒頭はこちら!
発達障害のお子さんを持つ親御さんが多かれ少なかれ抱く願いは、親が我が子を支えられなくなった時、(一人で、あるいは誰かの助けを借りて)自立して生活できるようになってほしい…ということではないでしょうか。
進学・就職・自活の開始・結婚・出産など、人にはそれぞれ、人生のターニングポイントとなる出来事があります。
これらのターニングポイントを通過する時、人は誰でも誰かの助けを借りて自分の人生を選択し切り開いていくものです。
この時、発達障害や知的障害のお子さんには、その人の状況に合った柔軟なサポートが必要になります。
ここで大切なのは、何でも周囲から手伝ってあげるのではなく、その人ができる範囲で最大限に、自分で自分の人生を選択していく姿勢をサポートすることではないでしょうか。
それこそが、子どもたちの主体的な生き方を支え、人生の充実度を決めるものだと思います。
親御さんが抱く我が子への願いを出来る限り反映させることが大事である認識であるため、個別支援計画の1番初めの項目に記載しています。
今後も、親御さんの願いに寄り添いながら、私たちも、強い信念を持ち、子供たちの真の生きがい・真の幸福を願い、支援をしていきます。
では、療育のフィードバック(6月4週)をピックアップして振り返っていきましょう!
目次
公園遊び
公園まで安全に移動することを目的にみんなで話し合いました!
絵カードを使い、移動間の約束事をインプットしました。
特に車道側に近づかない、手は繋いだまま離さないことを重点的に事前学習をしました。
特に、小学校高学年、中学生以上の子は、良く下の子どもたちの面倒を見てくれています。
移動の際も、学齢が上の子とペアにするよう配慮し、高学年の子たちは下の子たちに約束を確認したり、下の子たちはしっかり約束を守ることができています。
「安全な移動」がメインであったため、公園遊びは数十分ほど終わり、子どもたちは物足りない様子…
次の安全な移動は「不審者対応」を計画しておりますので、次を楽しみにしててくださいね!
SST(ルーティンワーク)
この日のルーティンワークの課題は「あいさつ」です!
あいさつはコミュニケーションにおける最も核となる方法の1つです。
挨拶の種類やTPOに応じた使い分け、その意味を理解して、挨拶を自ら進んで行えるようになることで、他者とのコミュニケーションの一歩を踏み出すことを本旨として立案しました。
この日の到達も目標はこちら
A:挨拶の使い分け、挨拶の意味を理解し、自分の言葉で発言できる。
B:挨拶の使い分けや意味の概要を理解できる。
C:職員のサポートを受け、絵の状況を理解できる
2グループに分け、チームリーダーが核心とし、絵カードの状況を考えて相応しいあいさつについて考えました。
服装はパジャマで、もう窓の外が暗い絵カードは当然「おやすみなさい」ですが、そういった絵の中の情報を目で見て頭で処理することで印象として残し、日常生活で合致した時に実践できるような狙いがあります。
この方法はすごく効果があるんです。私自身の経験で、小学生の時に、学校に動物たちが来る「学校動物園」があったとき、事前に先生が私たち生徒のために絵カードを使用して動物の名前を教えてくれました。
そういった事前のインプットによって、学校動物園の記憶や印象は今でも鮮明に覚えています。
あえて子どもたちに任せ、その会話の中で笑い合ったり、時には否定をされたり…そういった経験で物事を記憶に留める方法で、効果的に療育を行うことを「印象療育」と呼んでいます(名付け親は私です…☺)
また、学校で友達に会った時の絵カードがあり、通常なら「おはよう」や「こんにちわ」ですが、子どもたちの発想力はすごいもので「久しぶり!」「元気?」「調子どう?」「儲かってる?」などなど…
挨拶に固定概念がなく、自由な発想でSSTに取り組めています。
例えば、「お葬式の厳粛な場で、よう!調子どう?」と声をかけるのはいいことなのか…という問いに対しても、TPPを考えられた意見が出ています。
自分の意見をなかなか言えない子も、チームリーダーが優しく「どんな気持ち?」促すと「嬉しい!」と言えたりする場面もあり、一定以上の収穫があったプログラムとなりました。
前回のLST(手洗い)は授業チックになりすぎてしまい、子どもの反応はイマイチで場を抜ける子もいましたが、この日は場を離れる子もいなく全員が集中してできた印象です。
SSTに参加が難しかった子たちもそれぞれの課題にしっかり取り組んでくれました!
お気に入りの「かいけつゾロリ」を着色し、はさみで切って、紙相撲をしました!帰りに大事そうに持って帰る姿がとても印象的でした。
お誕生日会
目的は、祝う・祝われる気持ち(感情の変化)だよ!
6月のお誕生日のお友達は2名です!
誕生日ケーキとして職員手作りのミルクレープを作りました!喜んでくれるかな…
全員揃い、みんなケーキが食べたくてウズウズ…早速実食開始です!
みんな美味しそうに食べてくれて安心です!ASTEPにはお菓子職人がいて、いつもその職員が作っていたのですが、今日は不在で作ったので内心少し不安でした!
みんな、おやつの腕を上げていかないとですね!
さて、お誕生日ケーキの次は、職員からの出し物「ペープサート」です。
原作は「ノンタンのたんじょうび」からヒントを得て作ったのですが、簡単にあらすじを言うと、遊びに誘っても相手にされず無視される続けたパンダ君、その理由は、のちにみんなが内緒で作ってくれた誕生日ケーキのサプライズのためだった…という内容です。
SSTの要素を取り入れたストーリーで、終わったあとにみんなでどんな内容だったのかを振り返りながら、パンダ君の気持ち、友達の気持ちを考えました。
「サプライズ」という行動に、イメージが持てない子に対して「実はパンダ君のためにケーキをつくってたからだよ!」と説明すると理解してくれたり、「俺もサプライズ考えるぞ!」と意気込む子もいたり…
その後、誕生日プレゼントの贈呈です!
この日はご見学のお子さまも交えてのお誕生日会でした。
ASTEPの子どもたちには、普段から「ASTEPにいる知らない人には自分から挨拶をしよう!」と教えています。(宅配で訪れた人や買い物学習でのレジの人などもそうです。)
自発的に挨拶のできている子もいて、だんだんですが浸透してきていますね。
また、初めてのお友達に対し「名前はなんていうの?」や「ボール遊びしよう!」と、慣れない子に対し優しく声掛けができています。
そのせいあってか、その後はすごく打ち解けた様子で、子どもたち主体の遊びを展開しています。
新しい出会いというのは、子どもの成長を助長するきっかけでもあります。今後、「人との出会い」についてプログラムを立案し、深掘りしていきたいですね。
さいごに
ASTEPには様々な課題を抱えたお子さまがご利用されています。どんな課題を抱えていてもASTEPは出来る限りご家族様が持つお子さまに対しての願いをお聞きして、お受入れをしています。
そうして、社会には多種多様な人がいること、人に優しくなれること、自分でヘルプが出せること、人に頼り頼られることを学ぶのです。
同じ特性を持った子どもたちばかりを受け入れると、はっきり言うと、職員は楽をできます。
同じ発達段階であれば、1つのことを考え、教えるのは1回で済みますからね。
でもそれではいけないんです。環境が人を育てるのですから。
様々な特性をもった子たちとの関わりの中で生まれる感情の変化が、ココロの成長に大きな影響を与えます。
療育の質の低下が社会的に問題となっている今、私たちASTEPが療育の本質を捉えて支援を行えているのか…
正解など決してなく、いくつも存在するトンネル(選択肢)を走り続けることになると思います。
私たちはそのトンネルの中、一筋の光を追い求めて「療育」という支援を行っています。
出口の先に見える一筋の光へ向かって子どもたちと共に進み、光のその先(新たなステージ)へ、子どもたちの背中を押す事が、我々ができる支援だと思っています。
私たちの支援は、生活の中のほんの一部です。私たちの支援により能力が伸長しているというよりも、子どもたちの成長力を助長するという意識を持って支援にあたっています。
お子さまの成長力の伸長は、ご家庭や学校の努力あってのものであると考えています。
今後も連携を密にした療育活動のご理解とご協力を宜しくお願い致します☺