いつもご拝読ありがとうございます!
放課後等デイサービスASTEPでは、職員の有用な資格取得のためのバックアップ(公的な研修)の他に、独自に月に1度のペースで研修を行う計画をしております。
ASTEPが研修を行う目的は何なんですか??
職員の資質と療育の質の向上です!!
これに尽きます!
今年度は、3つの事業所(南区のいろはさん、伏見区のピノッキオさん)と合同で、それぞれの事業所が考えるテーマや時期的特性を捉えたテーマを設定して研修を行っていきます。また、それぞれの事業所の情報や意見を交換する場としても活用しようと考えています。
6月は「京都府における特別支援教育のあゆみ」について、歴史から学びながら認識を統一、意見交換しました。
遅くなりましたが、要点をまとめましたので、ご覧ください!
目次
京都府における特別支援教育の歴史
個人による努力から、公立学校の設立
↓
就学の義務化、しかし重度の障がいについては受け入れ困難な状況が続く
↓
対象となる障がいの拡大、個々の子どもへのニーズに応える教育へ
京都における特別支援教育は、明治7年(1874年)頃に、京都の小学校教師・古河太四郎が聾教育を開始したのがその始まりとされています。
そして、明治11年(1878年)には、京都盲唖院が開設をされました。
一方で、知的に遅れのある児童の教育については、明治38年(1905年)に淳風尋常小学校内に特別支援学級が私設され、大正11年(1922年)以降は、市内の小学校に公的な特別支援学級が設置されていきます。(当時は特殊学級・特殊教育と呼ばれていました。)
戦後の昭和22年(1947年)の学校教育法で、初めて障害児の教育を受ける権利が国によって認められ、昭和31年(1956年)以降に、桃山小学校呉竹分校(現呉竹総合支援学校)をはじめ、計8校の市立総合支援学校が誕生しました。
そして現在、京都市では、各養護学校は障がい種別を超えた総合制の「総合支援学校」へと生まれ変わり「総合育成支援教育」という独自の取り組みがなされています。
このように、特別支援教育は時代によってその呼び方だけでなく、制度や教育内容など、様々な事が移り変わる中で発展してきました。
戦前では、障がいのある子どもに対して「就学免除」という措置がとられていました。
突然大きな声を出したり授業の邪魔をさせないなどの理由で就学させなかったんですね。
当時は「自閉症は親が悪い」という考え方が主流であったため、肩身の狭い思いをしていたようです。
特別支援教育への転換
2001年に「特別支援教育」という呼称を採用
2006年に学校教育法が一部改正、2007年より正式に特別支援教育を開始されました。
知的に遅れのない発達障害も含め対象を拡大、盲・聾・養護学校を「特別支援学校」に一本化
「特殊教育」から「特別支援教育」への移り変わりの中で、その基本的理念を一緒に考えていきましょう。
特別支援教育の必要性
- 日本における「特殊教育」の割合の低さ(日本は1.5%、諸外国では数%~10%程度)
- 障害の重症化、重複化
- 情緒障害、軽度発達障害(LD・ADHD等)など、これまで特殊教育の対象となってこなかった児童生徒の受け入れ
特殊教育と特別支援教育の違い
- 特殊教育
障害の種類や程度などに応じて特別な場で指導を行う教育 - 特別支援教育
障害のある児童一人ひとりの教育ニーズに応じた適切な教育支援
特別支援教育の実現に必要なこと
- PDCAサイクル・OOTDループのプロセス重視の教育活動と個別支援計画の作成
- 学校としての全体的な対応(特別支援コーディネーターの配置等)、保護者の積極的参画
- 関係者の意識改革
- 就学相談:総合教育センター(医師による検診、集団観察、発達検査)
京都市における養護学校の歴史
昭和33年 | 京都市立桃山小学校呉竹分校→その後、呉竹養護学校 |
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昭和49年 | 桃陽分校(桃陽病院)→その後、昭和52年に桃陽養護学校 |
昭和50年 | 鳴滝分校(宇多野病院)→その後、鳴滝養護学校 |
昭和51年 | 東養護学校、白河養護学校 |
昭和61年 | 西養護学校 |
平成16年 | 北総合養護学校 |
平成25年 | 白河総合養護学校東山分校→その後、平成26年に東山総合養護学校 |
障害種別を超えた、地域性、総合制支援学校として、北・東・西・呉竹が各方面に所在しています。
職業自立に特化した学科がある支援学校には、白河(産業総合化)、鳴滝(生活産業化)、東山(地域総合化)があります。
これらの学校には、入試等の選抜方式ではなく、オープンキャンパスの実施により、就労に向けての姿勢や特性を評価されます。(入学相談を受けるためには必須)
研修を終えて
研修を終えて、職員の意見や思いを以下にまとめました。
- 総合支援学校という名称で呼ぶように「特別ではない」という認識が障がいに関わる人以外にも広がってほしい
- 昔の障がいを持つ子どもに対しての周りの視線は、今の時代でもまだ存在すると感じます。そのような昔の名残のようなものがあるがために親は精神的に苦しんでしまうので、子どものためにも保護者への支援・フォローを大切にしていきたい。
- 家庭環境は変えることはできないからこそ、事業所で関わる人々が「しんどいことから逃げない」精神を作っていきたい。
- 特別支援学校の中にも、職業に特化した学科があることは知っていましたが、学校によって目指すところや、職業別で分かれていることを初めて知りました。
- オープンキャンパスで入試のような評価をされると知り、オープンキャンパス時の評価されるポイントを見極め、日々の療育で体現できるように努めたい。
- 受験へ挑むプログラムを実践しているが、各学校のより多くの情報を収集し、プログラムに反映させたい。
この他にも、職員の様々な意見がありました。これらの意見を取りまとめASTEPができることを見つめ直して療育へ反映できるように検討を進めていきたいと思います。
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