我が子が思春期になるとともに反抗期に入り、その対応に悩み、絶望にも近い感情を抱かれていつ保護者さんも多いのではないでしょうか。
ついこの前までは楽しくお喋りを楽しみ一日であったことを意気揚々に伝えてくれていた我が子は…今では目も合わしてくれることも減り、声をかけても無視される。保護者の方々の悲痛な思いをお察しします。
前回の記事で、発達障がいの子どもも同じように反抗期が存在し、対応を誤ると「反抗挑戦性障害」に発展する可能性があることをお伝えしました。
発達障がいの子どもにとっても保護者にとってもこの難しい時期を乗り越えるためには行動やマインドを変える必要があります。
そのためには、親や指導者が「こんな行動を心がけよう」よりも「こんな行動をしないよう心がけよう」の発想でアクションを起こすことが大事です。
今回は、「発達障がいの反抗期を乗り越えるためにやってはいけない行動」にフォーカスして解説していきます。
目次
小言はやめよう
「まだ宿題やってないの!」「お行儀良く食べなさい!」「ダメって言ってるでしょ!」ばかり言ってしまいます…
その日常の小言のせいで、反抗期が長引いたり、反抗挑戦性障害へ発展してしまうかもしれません。
発達障がいの子どもを、何もできないからと鷹を括って子ども扱いしすぎるのは良くありません。
細かいしつけ的なことで否定的に叱る小言はやめたほうが賢明です。なぜなら、反抗期を迎え苛立っている上に、小言を言ったところでアクションを起こすわけもなく、効果がないばかりか、お互いイライラするだけだからです。
それに、子ども扱いしていると反抗期が無駄に長引きます。それより、一人の人間として敬う気持ちを持って向き合いながら「大人」として接するほうが、反抗期を順調に通過します。そのためには、大人が一歩引いたところで、大きくどんと構えて見守ることが必要です。
前述した否定的な小言は今日限りでやめて、明日からは以下のような肯定的な小言を多く行ってください。
このような声掛けをして、子どもが耳障りに感じることは決してありません。逆に何も声かけをしなくなると、子どもは見捨てられたように感じてしまいます。
放置はやめよう
発達障がいの子どもが、たとえ反社会的なこと、人間として許されないこと、何をしていても聞く耳を持たないので放置してしまっています…
危険です!放置していると、逆に子どもは親に不信感を持つようになります。
命の危険があるときや、法律に反する行為があるときは、子どものためにも、はっきり「ダメ」と勇気をもった姿勢で叱る必要があります。
親の放置が子どもからの不信感を生み、「なんで止めてくれないの。この人は私がどうなってもいいと思っているんだ。真正面から向き合ってくれていない」と感じてしまいます。
人に話しかけられても気持ちよい反応ができないときは、大人にもあります。
同じように、発達障がいの子どもは、個性が強いため、普段以上に余裕がないときがあります。例えば、宿題がはかどらなくて(理解できなくて)困っている、自分がイメージするように作れずイライラしている、好きな遊びやゲームに熱中しているときなどです。
そもそも、反抗期の子に良い反応など期待できないのにも関わらず、タイミングを無視して話しかけてもうまくいくはずがありません。
「何を言っても仕方ない…」と、放置することはやめて、子どもをよく観察して話しかけるタイミングを考えてあげてください。
否定はやめよう
「口だけだね」「性格的におかしいんだよ」「情けないね」「約束破りだね!」
子どもの言動にイラッとしても、言ってはいけないこと(特に人格を否定するような言葉)は、絶対に言ってはいけません。
親にこういうことを言われると、子どもだけではなく誰であっても深く傷つきます。
子どもは「自分のことをそういうふうに思っているんだ」と感じて、親への不信感が最高潮に達してしますことになりかねません。そして、反抗期の時期が過ぎても元の関係に戻ることができなくなる可能性さえあります。
こういう暴言こそ、発達障がいの子どもがいる親の最大の注意点です。我慢できない場面にこそ、場所を変えるであったり、深く深呼吸して踏みとどまってください。
さいごに
絶対にやってはいけない「3つの行動」について理解を深めていただけたと思います。
反抗期や思春期、発達障がいなど関係なく、日によっては会話が成立することもあるかと思います。
子どもが何かトラブルや不満を抱えていて悩みや愚痴を聞いてほしいときなど、意外と話しかけてきたりすることもあります。
こういうときの聞き方として大事なのは、とにかく共感的に聞くことを心掛けてください。
ここで親がよくやる間違いは、子どもの話を聞いたとき、すぐに励ましやアドバイスをすることです。
子どもはアドバイスが欲しいわけではなく、そのお話に共感してほしいのです。励ましやアドバイスをしたほうが良い場合もありますが、それはたっぷり共感的に聞いた後にしてあげてください。
今までご紹介してきたことにさえ気をつけていれば、発達障がいの反抗期でも、親の愛情を実感できるようになり、家庭がどこよりも居心地のよい場所となります。
親の愛情を実感できている子は、自分で自分を大切にするようになるため、いい方向へ向かうことができるはずです。
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