ASTEPのブログをご覧のみなさま、こんにちは!
京都府向日市の放課後等デイサービスASTEP、児童指導員、すやまさほです。
ブログ執筆者:すやまさほ
初めてのブログ執筆となります。温かい目でご拝読いただければ幸いです。
今回は、“陶芸体験”についてフィードバックをしていきたいと思います。
参加したお子さまは6名!陶芸の先生をお招きして活動を行いました。参加児童の全員が陶芸の経験がなく初めて尽くしの活動となりましたが、あり余るほどの好奇心で取り組む姿勢を見せてくれました。
何より私も陶芸の体験がなく、色々と勉強になった活動となりました。
ではフィードバックしていきたいと思います。
目次
陶芸体験による療育的効果
- 陶芸体験で使用した粘土は、感触が独特(冷たい・手に引っ付く・柔らかい)であり、特性のある子どもは感触にこだわりが見られる傾向があるため、1つの経験として様々な素材に触れる経験が得られる。
- 家族で行くとなかなか取り組むことが難しくなる可能性があるところも、気の知れた事業所の友だち同士との参加であったため、友達が取り組む姿勢を見て自分も一生懸命取り組む…などの良い意味での相乗効果が期待できる。
- 今後、初めて体験する事に対しての抵抗感を軽減し、精神的部分での強さが身につけられる。(経験により先の見通しを持つことにつながる)
- 分からなくて当然の環境であるので「○○はどうする?」などと自分から質問をする事(ヘルプを出す能力)ができるので、援助欲求を自然と行うことができる。
- 粘土を広げる作業や模様付けをする際に力を入れすぎると千切れてしまう・穴が空いてしまうため、適切な力加減を知る事ができる。また、失敗をしてもある程度は修正ができるので「やりすぎ→少しずつ弱く」という力加減の必要性を知ることができる。
- 粘土は土からできている・乾くとパサパサになる・水で濡らすと柔らかく粘り気が出る等の性質の変化を実際に感じる事ができる。また、作業中に乾いてきたから濡らす等の工夫を自分で考え作業に反映することができるため、思考力の向上につながる。
陶芸体験の様子
コップとお皿作りの様子です。土の感触を確かめながら丁寧に成型し、思い思いのデザインを描き個性を表現してくれています!
陶芸体験の評価
- 講師の方も子どもたちの特性を理解してくださり、わかりやすく丁寧に伝えてくださったおかげで落ち着いて取り組む事ができた。講師の方の丁寧な姿勢を感じ取り、説明にしっかりと耳を傾け、懸命に作業に打ち込む姿が見られた。子どもと関わる大人が個の理解を深めることは、支援を行う根幹部分であることを改めて再認識した。
- ある程度は失敗(穴が開く、破れる、薄くなる)をしても修正ができるため、子どもたちも「失敗してしまった」と気持ちが折れることなく、全ての参加児童が成功体験を積み、最終的な失敗は皆無だった。
- 失敗(敗れる・穴が開く)を自ら修正する姿が見られた。形やデザインは個々の自由であるため、正解がないので、一人一人が自分の作りたいものを自由に作る事ができていた。
- 一部の児童は「○○は○○であっていますか?」と、分からない事をあやふやにするのではなく、言葉遣いの観点においても成長を感じ、指導員を介すのでは無く自ら尋ねる事が出来ていた。
- 一部の児童は分からないまま作業を進めたり、言葉使いが正しくない(これで合ってる?などのタメ口)児童も見られた。TPOに合わせた言葉遣いを少しずつ理解を促す必要性を感じた。
- 作業の工程では前回形成したお皿とお茶碗の違い(乾燥→素焼きを行った為、色や硬さ等に変化が大きくあった)に驚きの表情を隠しきれなかった様子が見られた。1つ1つの工程を通して“物の性質の変化”を素直に表情や言動で表出することができた。
- お皿への色付けでは、個人のアイディアを存分に活かし、丁寧に行う様子が伺えた。筆の使い方も一通りでは無く、大きな面を塗る際は筆を寝かせ、細かい面を塗る際は筆を立てたりと臨機応変に対応する事も出来ていた。
- 筆の使い方が一通りの児童は指導員がアドバイスを行うと、即座に実行し“他者の意見を取り入れ実践する応用力”が普段の活動を通しても身についていると感じた。
- 子どもは大人を良く見ている。全体説明の際、打ち合わせのため指導員同士が話をしていると、「今は喋っても良い時なんだ」と子どもは誤認してしまう。特に、全体説明などの子どもたちに必ず注目をしてもらいたい時は、指導員は、打ち合わせといえども配慮をし、子どもたちと一緒に傾聴する姿勢を見せることが必要。それが、今よりも更に上のステップへと善導する指導員のあるべき姿勢であり、「模範」を示すことに繋がる。
まとめ
いかがでしたか??
ただ、陶芸作業を行うのではなく、陶芸という手段・機会を活用して、個々の良い面(長所)を発揮できるよう促し、自らの課題を自覚させ長所で補っていく作業、また新たな課題を見つけ評価することが、療育活動では必要です。
作業中の物の貸し借り等の他事業所の友達との関わりも大きな問題はなく、和気あいあいとした雰囲気の為、普段あまり触れ合うことのない陶芸ではありましたが、子ども達も活き活きと活動する事が出来たように思います。
普段の活動の際も…
〇 他者の話を聞き正確に実行する
〇 子ども達の自由なイメージ(想像性)を大事にする。
〇 道具の様々な使い方を学ぶ。
〇 目上の方に対する言葉遣い
〇 時には失敗する体験も積む(のちのフォローは必須)
といった、今回の陶芸体験で改めて必要なことであると痛感したため、これらを念頭に置きながら様々な活動を行っていきたいと思います。
また機会があれば実施しますね!
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