大学では社会福祉学部に在籍し、福祉心理を専攻
前職は公務員として11年間1000人規模の職場で心理カウンセラーとしても勤務し「傾聴力」を磨いてきました。
こんにちは!こんばんは!児童指導員のみなぐちだいすけです。
ASTEP(アステップ)の中核を担う取り組みである、LST(ライフスキルトレーニング)今回は「たくさんあるよ、私の長所」を立案し、実践しました!
とても実のある取り組みとなりました。取り組みの内容とその評価をお伝えしていきたいと思います。
目次
取組みの内容等
本活動の大きな目的は”自分自身を肯定できる感情”を育むことをねらいとした活動です。
子どもが健やかに育つためには、自分自身を大切に思う、いわゆる「自己肯定感」がとても大切になってきます。
自己肯定感の高い子供は、心に余裕があり、少々のことではへこたれない強い心が育ち、積極的に人と関わることができると言われています。特に、問題に直面してしまうことが多い発達障害の子どもたちにとって、自己肯定感を持つことはとても重要なことです。
本活動は、自分の長所を知る(教えてもらう)とともに、短所も長所になり得ることを学ぶ機会として取り組み化しました。
詳しくご説明していきます!
活動の概要
自身の長所・短所をワークシートに書き出し、長所への思考を深め、短所を長所に言い換える言葉で伝え、自己肯定感の向上を促します。
活動立案の背景
ASTEPを利用する児童において、活動への自信、意欲、自己肯定感の低い児童が散見される。自身の長所(強み)短所(弱み)を知り、短所(弱み)は強みと捉えることが出来る事を知るとともに、自身の特性への自己理解を促すことを主旨として、本活動を立案しました。
活動のねらい
- 自分の良いところを自覚し、自己肯定感を高める。
- 自己認識、情動への対応、ストレスコントロール
- 障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する意欲に関すること
到達目標
個人の特性、学齢等を鑑み、以下の区分において目標を設定しました。
B:自身の長所を知り、短所についての理解を深める事ができる。
C:自身の長所を知る事ができる。
D:姿勢を正し、活動の場を共有(全部・部分的)することができる。
活動の様子
「自分の良いところを見つけよう」ということで、”長所”にフォーカスをしてワークシートの作成を進めていきました。
短所では、書き込んだ項目に対し、「長所に置き換わる言葉」を一緒に考えて、短所も長所となることを自覚できるようなアプローチを行いました。
- あわてんぼう→すぐに行動できる、積極的
- おしゃべり→親しみやすい、明るい
- 怒りっぽい→自分の気持ちを伝えられる
- おとなしい→穏やか、おおらか
- すぐ泣く→素直に気持ちを表現できる
- じっとしてられない→好奇心旺盛
活動の評価
- 普段から個別療育で自分ノートを作成していることもあり、自分の長所・短所を心得ており、スラスラと詰まることなくワークシートを作成できている。書き出した長所を更に深掘りしていき、具体的な事例を示すと「あっそういうことか!」という気づきができた。引き続き個別療育で対話する機会を設け、自己肯定感の向上に努める。
- 当初「○○にはいいところがないもん、お母さんに怒られてばっかり…」と自信なく長所が書けない様子。「お母さんが怒るのは〇〇君が好きだから、嫌いだったら話しかけないよ!」というと、「そうなんだ!」とリアクション、ASTEPでの〇〇君の良いところを挙げると、「なるほど!」とペンを走らせる、ヒントを与えると乗じて書く様子も見られる。小学校低学年のため、少しずつ自己評価を促し、自分の存在価値について意識付けしていきたい。
- 利用毎にASTEPノートでの課題に取り組む、質問の意図を汲み取ることが難しく、現在進行形で療育中の子ですが、的確な回答ができている。長所は普段からインプットしているので意識できているが、短所についてはなかなか書き出すことができず…こちらから「こうしたらもっとカッコよくなるよ!」という点を示すと「OK!がんばる!」と意欲を示す。その後、短所を長所にした言い方で示すと、まだまだイメージが持てずにいる様子、視覚支援を用いて取り組む工夫が必要、ワークシートを完成させると自ら提出する。
- 長所よりも短所の項目が多く、「〇〇君はもっと良いところたくさんあるのにー!」と言うと「え?例えば?」と良いところを言ってほしそうな様子、何個か示すとワークシートにすぐに書き留めてくれる。書き留めた長所に対し思考を深めていくと納得の表情、進級のタイミングでASTEPノート(集中的な個別療育)で、自己肯定感を高めていけるよう、土台作りを今の段階から行う。
- 終始、集中して活動に参加、やや難しい内容であったが、その場所を離れることなく活動への意識ができていることが評価できる。なかなか長所を書き出すことができず、指導員へ助言を求める様子、ヘルプを出せる点についても大いに評価できる。数点良いところを挙げると「そういえば!」と自分の思いを書き出すことができている。特に良い点「ここぞという場面では大きな声で「はいっ!」と返事ができること」を伝えると、満面の笑みで書き留める。引き続き「褒める」を中心に活動での経験を重ねる。
さいごに
LST「たくさんあるよ、私の長所」の評価をお伝えしてまいりました。
ご自宅でのお子さまと関わられている親御さん、また、発達障害の子どもと関わりを持たれている指導員の方々は、是非”ポジティブ”な言葉で接してみてください!
その積み重ねが、自己肯定感を持てるきっかけとなるはずです!
親子との会話や、施設での声掛けの中で、子どもの個性を認めてあげながら、その個性は尊く唯一無二のものであることを、それぞれの言葉でたくさん伝えてあげてくださいね。
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