大学では社会福祉学部に在籍、福祉心理を専攻し、某アパレルメーカーに就職
前職は公務員として11年間勤務し、1000人規模の職場で心理カウンセラーとして様々なお悩みを聞き、解決に尽力してきました。
ご無沙汰しております★
本日は、最近ASTEPで取り入れている『アナログゲーム』について解説を交えながら、僕がと言っても過言ではないですが…ASTEPが考案したボードゲーム『亀跳びゲーム』についてご紹介し評価していきたいと思います。
ダイヤモンドゲームや五目並べからヒントを得ながら作り出したのですが、このゲームには明確なルールというのは1つしかありません。
ですので、ルールの追加やアレンジは自分とその対戦相手で決めていきます。
守るべきルールを1つに設定をすると、誰でも楽しむことができますし、自分のレベルに応じて対戦相手とその場でルールを決めて難易度を高く設定することもできますし、ルールの追加や工夫は無限大です◎
ASTEPでは今までに集団活動として2回、個別活動(指導員相手に)で多くの子どもさんがプレーした様子や評価を伝えていきたいと思います。
お家で楽しんだり、他の施設でも是非取り入れてやってみてもらえたら嬉しいです!
目次
活動を立案した背景
私が子どもの頃は、スーパーファミコンやゲームボーイが全盛期の時代、今は家庭に1台、それも数種類のゲーム機があるなんてことは当たり前になってきました。
幼いころの記憶で、近所のお金持ちの家庭にゲーム機が揃っていて、放課後になるとその友達の家に集まりゲームを楽しんだ記憶があります。
とはいえ、デジタルなゲームばかりではなく、空き地でサッカーや野球をしたり、将棋やオセロ、ドンジャラをしたり人生ゲームをしたり、友達と仲良くも時には大喧嘩をしたり、今思うと濃密な時間を過ごしていたんだな~としみじみ思うところです。
デジタルな遊びとアナログの遊びを比べてみると、記憶として鮮明に覚えているのはアナログな遊びなんですね。
大人になっても当時の記憶は今もなお、鮮明に覚えています。
今回、指導員として子どもさんとゲームを行う中で「昔はこんな遊びをしていたんだよ~」などのお話をすることもあり、アナログゲームの良さを再認識しています。
子どもたちが大人になった時に「こんな遊びをしていた!」と懐かしみながら誰かに伝えてほしい…という想いをもって活動を立案しました。
アナログゲームの良さ
ASTEPに置いている玩具は、基本的に『みんなで楽しむことができるもの』を基準として置くようにしています。トランプやカルタ、人生ゲームもありますし、手作りの玩具も多くあります。
一方、デジタルゲームはほとんどのご家庭にあるとお聞きしていますし、お家でゲームをやり込んでいる子どもさんも中にはいらっしゃいます。
そんな中、ASTEPの子どもさんから「デジタルゲームがしたい!」という声を聞いたことは1度もないんですよね。
映画を流したりテレビゲームをしたりというのはASTEPでは行わないし不必要!と、子どもたちに伝わっているのかと思いきや、実はそうではないんです。
お迎えに行くと子どもたちから開口一番よく聞くワードは「〇〇さん(指導員)いる?」「〇〇君は何時に帰ってくる?」「次は誰を迎えに行く?」「今日のグループ(集団活動)は誰?」などなど…
意外かと思いますが、ほとんどの子どもさんの興味は、友達や指導員などの『人』へ向いています。
これって凄くないですか?
人に興味を持つ=人を惹きつけようとしている、人を惹きつけようとする=人との関わりを求めているという構図です。
子どもさんの頭はゲームで埋まってはいません。人との関わり(遊び)を求めているのです。
私たちは人と関わる機会を設定し、その関わりの質を上げていくことをサービスとして提供しているわけですが、その質を上げるために必要な1つの手段が『アナログゲーム』となります。
アナログゲームで育つと言われている能力は…
- 約束や順番など社会で必要なルールを自然に学ぶことができる。
- 自身の感情をコントロールする。
- 他人の気持ちを考えることができる。
- ルールに沿って思考(戦術)を深めることができる。
子どもたちはアナログゲームを通じてたくさんのことを学ぶことができます。
聞いたことがあるかもしれませんが『非認知能力』という言葉をご存じでしょうか?アナログゲームを行うことで育てることのできる力です。
社会性 | 思いやり、協調性、リーダーシップなど |
---|---|
忍耐力 | 最後までやりぬく力、集中力の持続など | 自制心 | ルールへの意識、ルールを守れるなど | 問題解決 | 目標を定め1つずつクリアーにしながら先に進む力 | 楽観性 | 失敗しても悩まない、諦めないなど |
自己肯定感 | 自分への自信など、次へのチャレンジ |
これらの『非認知能力』を高めるために活動を行っているわけではなく、単にアナログゲームの楽しさから、子どもたちは何度も繰り返し、友達や指導員と一緒に遊んでいるのです。
その結果として、自然なかたちで『非認知能力』の育ちがあるものです。
『非認知能力』に関係する遊びは、アナログゲームだけではありません。集団での遊び(鬼ごっこやボール遊びなど)数多くある遊びも同じです。
これらの遊びも、例えばボール遊びなら、最初から上手くボールを投げることを目的としません。
指導員や子どもが、地面に叩きつけて遊んだり、服の中にボールを入れて遊んだり、ボールを持っている人が鬼!というその場ルールを設けて、ボールを使った鬼ごっこに進化させたり、そうしてボールに慣れ親しむことで、ボールへの抵抗感もなくなり興味を持ち始めることができます。
遊びは楽しいから自ら進んで何度も繰り返して遊ぶ。遊ぶから経験が蓄積される。そして、自然な形で、『非認知能力』が育つ…こういったサイクルが理想だと考えています。
亀跳びゲーム
ASTEP(ほぼ私)が考えた『亀跳びゲーム』ですが、これは五目並べやダイヤモンドゲームからヒントを得て、ルールを作っていきました。
ルールはいたって簡単シンプル!※ASTEPでの基本ルールをお伝えします。
自陣の色のおはじき(9個)を配置、同じように相手も配置します。
ゲームの勝敗は、相手の陣地に自分のおはじきを全て置くことができれば勝ちになります。いわば『陣地取りゲーム』のようなものです。
じゃんけんで先攻後攻を決めてゲームをスタート!
進めるのは自分のおはじきの1つ前です。斜め前は×ですが慣れてきたらアリにしても面白いですね!
いずれ相手のおはじきと対面することになりますが、相手のおはじきを前にするとそれは飛び越えることができます。
逆に自分のおはじきは乗り越えることができません。
その繰り返しで、相手をブロックしたり、一度に相手のおはじき2個を飛び越えたり、慣れてくると作戦を練って勝ちにこだわっていきます。
ここまでが基本のルールですが、ルールは自由に追加することができます。
例えば、相手のおはじきが1つとびで配置されている場面では飛び越えてもう1つ飛び越えることができたり、作戦のために後退するルールを設けたり、上級者は斜め跳びをアリにしたり…子どもさんのレベルに合わせたレベルでルールを追加していくと面白いですね!
亀跳びゲームの様子・評価
さいごに
アナログゲームの良さ、亀跳びゲームの様子・評価をお伝えしてきました。
わざわざ値段の高い良質なゲームセットを購入しなくても、ご家庭でも手作りで簡単にゲームを楽しむことができます。
他にも、トランプであればおおよそのご家庭にありますし、子どもさんの年齢や興味、経験に合わせて、ババ抜きや神経衰弱など、レベルに応じたルールを設定して遊ぶのもいいですね!
最初から難しい遊び方をしてしまうと、子どもさんにとってその遊びは全く面白くないものになってしまいますので注意が必要です。
アナログゲームを通して『生きる力』『非認知能力』を楽しみながら鍛えてみてください★
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