療育のフィードバック『アニマシオン』を評価します!

京都府乙訓郡向日市の放課後等デイサービスASTEP(アステップ)養育のフィードバック『アニマシオン』を評価します!

初めまして!ブログ初登場、児童指導員の”みはらみか”です。

〖ブログ執筆者〗
【三原美佳】メンバー紹介

小学校で7年間教員として、うち特別支援学級の担任を3年間勤務
その間、学校図書館の研究会に所属し『司書教諭』としても勤務してきました!

10月にASTEPでは初めての取り組み『アニマシオン』を実践しました!

アニマシオンという言葉に聞きなじみのない方も多いかと思いますが、簡単に言いますと『アニマシオン=読書』とお考えください!

読書は通常一人で行うものですが、アニマシオンになると、”友達と楽しみながら本を楽しむ”という意味合いで考えてもらえればと思います。

そして、アニマシオンには子どもたちの可能性(やりたいこと・将来の夢)に繋がる効果を持っています!

今回の記事では、子どもたちの本離れの現状、アニマシオンの効果、ASTEPで行った(今後も実践していきますが)内容と評価をお伝えしていきたいと思います。

”本離れ”していく子どもたち

”本離れ”していく子どもたち

冒頭でも私の経歴(小学校教員)をお伝えしましたが、教員をしていた頃の主観をお伝えします。

小学校の低学年のころは、絵本の読み聞かせなどで本の楽しさを味わっていた子どもたちが、年齢とともに次第に読書と離れていき、高学年になると本好きと言える生徒はごくわずかになってしまっていました。

本好きな生徒は、自分で読みたい本をイメージしながら本を選ぶこと自体を楽しんだり、自分のお気に入りの作家や作品のジャンルを持っていたりするなど、本の世界を味わう術を知っています。

一方、本離れが見られる生徒は、自分にあった本を選ぶことができず、本をじっくり読み深めていく楽しさも体験できずにいて、読書の時間を設けても、途中で読むことをやめて友達とのおしゃべりの時間になってしまったりとなかなか読書へと気持ちが向かわない現状がありました。

それは、障がいを持った子どもたちにも言えることで、今や情報の中心は本ではなくスマホやゲームになっています。

子どもたちに”本に慣れ親しんでほしい”という意味も込めて、アニマシオンという新たな読書活動を取り入れることとなりました!

今まで黙々と行うイメージの強かった読書ですが、新鮮な印象を残すことが出来る”アニマシオン”を通して、本への興味、自身の関心事を知るきっかけになってもらえたらと思います。

アニマシオンの効果

アニマシオンの効果

冒頭でもお伝えした通り、読書は人に「やりたいこと」「将来の夢」を生み出す効果をもっています!

そもそも何故読書する必要があるのか?

読書をすることで、今以上に視野が広がり、視野が広がったことによって自分がやりたいことが見つかって、やりたいことを達成するために更に視野を広げて、また新たな人生目標を見つけていく正のループを作るためのファーストアプローチとして読書という手段は非常に有効的なのです。

ASTEPでのアニマシオンは、読書をすることや好きになってもらうことが本来の目的ではなく、読書という手段を用いて視野を広げることが大きな目的で行っています。

視野の広げ方には、他にも「人との交流」という手段があります。それはASTEPでの集団活動でも行っていることですが、そこには弊害も考えられます。

人間(もちろん子どもたちも)の悩みの種の大半は、人間関係からくるものだと言われている通り、お友達との交流による視野拡大には利点もありますが、利点には弊害はつきものです。

それはそれで学ぶべきことが多いことも事実としてありますが、アニマシオンでの視野拡大への弊害はほとんどありません。

新たな目線(読書)で子どもたちの視野を広げていけるよう取り組んでいきます。

取り組みの概要

取り組みの内容

物語を聞きながら身体を動かしたり、お話に合った絵カードを提示しながら読み聞かせを行います。

絵本への注目(集中力)また、身体を動かしたり、登場人物の絵カードを提示したりすることを通して本の世界を楽しめるよう工夫をしながら進めていきました!

取り組みの様子と評価

  • 「今日は絵本を持ってきたよ!」と子どもたちに声をかけると、指導員のもとへ駆け寄って来る子どもが多かった。“絵本が好き、読み聞かせが好き”という子どもが一定数存在しているという実態があることを把握できた。
  • 「だるまさんが」では、体全体で絵本の世界を表現して遊んだ。「だ、る、ま、さ、ん、が」という言葉から次の動作へと繋がる展開だが、繰り返しのため分かりやすく、指導員が動かずとも、子どもたちが次の展開を読み先に体を動かす様子が見られた。様々な特性をもつ子どもたちにとって、「繰り返し」というのは分かりやすく、また、安心できる材料であることが再確認できた。
  • いつもはあまり集団療育への興味を示さない子どもが、皆と一緒に、そして楽しんで身体を動かす様子が見られた。また、身体を動かすことはなかったが、ソファからじっと絵本を見つめ、終始集中して読み聞かせを聞いていた子どもがいた。今後は、日々の話の中で本人の興味を探り、興味とリンクをさせた本の題材を選ぶ。
  • 「これはのみのぴこ」では、言葉が増えていく楽しさを感じ、笑いながら聞いている子どもがいた。言葉の楽しさを知ることが、会話を楽しむことへのきっかけとなると感じるため、絵本の読み聞かせを重ねていきたい。読み聞かせ後に、挿絵カードを床に広げ、かるたの要領で取っていく遊びをした。「一枚とったらお休み」というルールを作ったことで、挿絵かるたに参加した全員がカードを取ることができた。
  • 多動の特性がある子で、座った姿勢での活動時は着座しているタイムを計測している。普段は2~2分30秒ほどで席を離れてしまうことが多かったが、今回のアニマシオンでは高い集中力を発揮し、着座姿勢をキープすることができた。結果、終始絵本に注目することができ、タイムを大幅に更新することができた。
  • 「はらぺこあおむし」は、大型絵本を使った。あおむしの人形を使い、絵本の穴をくぐらせながら読み聞かせを進めた。前述した2冊にはあまり興味を示さなかった子どもが、あおむしの人形に興味を示した。大型絵本と人形という組み合わせは、絵本に興味をもつ良い手段だと感じた。これからも、絵本に興味をもたせられるような工夫をしていくとともに、読み聞かせを通して言葉のシャワーをたくさんかけていきたい。
  • 小学高学年~高校生の子どもの評価として、幼稚と感じてしまうと予想していたが、振り返りを行うと、それぞれがそれぞれの世界感で本を楽しんでくれていた主旨の感想を述べてくれた。その感想の中に「疑問」があり、物語を「自分ならこうするのに」という、”見通しを立てる”発言が多く見られた。絵本に対象年齢などのレベルはあるものの、感じ方は本人次第であることを再認識し、多様な角度から思いを持つ子どもたちの感受性を大切にしていきたい。

さいごに

京都府向日市の放課後等デイサービスASTEP(アステップ)さいごに

私(三原)が理想とする療育は、「子どもが主役になって進める療育」です。今回は導入であったため「指導員主体」で進めていきましたが、アニマシオンで言えば、子どもたちが主体となって絵本を選び、読み手も子ども(学齢が高い子どもになってきますが)、そして、振り返りも子どもたちが主体となり進めていくことが理想とする形です。

現に、ASTEPの終わりの会でも、帰りの車の情報や感想発表など、子どもたちだけで出来ているのですから、活動についても主体性(部分的に)を持たせることは可能です。

先日受けたASTEPの新人研修で、『子どもが達成感を得るために、子ども自身が「知りたい」と思ったことにアクセスするための技術を授け、思考を助けることが重要な支援の要素である認識を持つこと』という内容がありました。

その認識は私の理想とする形と一致していました。

指導員からの一方的な要求だけではなく「主体的評価」ができる療育支援に繋げるため、子どもと双方向型の活動となるようにアニマシオンの活動をこれからも取り入れる予定です。

アニマシオンは楽しい活動です!その楽しさを失わずに、学びに繋げていくために、次回もしっかり準備して臨みたいと思います!

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どうも!ASTEPホームページ管理人です! 京都の乙訓圏域で放デイを運営しながら、積極的に現場に入って福祉の現状の改善に奔走しています。 InstagramやX(旧Twitter)ゆる~く更新してます★ どうぞご覧あれ~◎

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