前編『子どもの成長は遊びによって決まる!遊びのメリットについて解説します!』は見ていただけましたか?
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前編では、遊びには子どもの成長のための重要な要素を中心にお伝えをしてきましたが、今回の後編では『子どもを伸ばす遊びの考え方6項』についてお伝えしていきます!
実践してもらいたい方法やコツは数えきれないのですが、今回は特に取り入れてもらいたいポイントを6つに絞ってお伝えしていきます。
ASTEPの療育活動を例に挙げながら分かりやすくお伝えできればと思います。
目次
遊びの幅を広くとる
遊びの幅を広く…というのは、遊びの形を決めつけない!ということです。
物を使う遊びや使わない遊びももちろん大切ですし、公園に遊具があったとしても、別にそれで遊ばなくてもいいのです。
発達年齢が低い子は、遊具の上に座り景色や遊んでいる様子を見ている、砂を掴んでは投げたりを繰り返す、ASTEPにはそんな子どももいらっしゃいます。
それは、子どもの中で”遊び”であり、みんながどんな風に遊んでいるかを観察しワクワクしながら見ているのも、子どもにとっては遊びの時間の大切な1つの形です。
強いて言えば、砂や石を掴んではポイっと投げる、これも立派な遊びです。私たち大人から見て、理解できないような遊び方をしていても良いのです。
遊びの幅を広くとることで重要になってくるのは、遊びの中でする動きの幅をバランス良く設定することです。
ずっと走り回る遊びを多くしていると、『走る』という基礎的な動きは習熟していきますが、他の動きは経験できないことになってしまします。
ですから、遊びの幅を広くとり、様々な外遊びや屋内で手先を繊細に動かし、想像力を育む遊び(製作)などを、バランス良く取り入れることが、子どもの能力開発にとって大切になっていきます。
子どもたちはたとえ何もない状況でも遊ぶことが出来ます。
むしろ、何もない方が自由な発想で遊びを考え出して、創造力の向上にも繋がります。
遊びの形に子どもを当てはめようとするのは子どもを伸ばす遊びにはなりません。
ですから、私たち大人が用意するのは極論、安全と環境だけで良いのです。
ASTEPでは、近隣に公園があるのですがメインの滑り台があるだけで、正直「遊びに行きたい!」と思えるような公園ではありませんが、全員で意見を出し合い、多数決(自分の意見が通らないことがあることを知る)で決めたり、ルールの提案は全員で出し合うなど、遊びに行きたくなるような工夫をしています。
環境の幅を広げる
先ほどは遊びの幅についてお伝えしましたが、今回は”環境の幅”を広げることについてお伝えします。
環境の幅を例に挙げると…
- 人がたくさんいる場所
- 人のいない静かな場所
- 室内(家や事業所)
- 屋外(設備が抱負な公園等)
- 屋外(自然豊かな環境)
これら幅広い環境で子どもを遊ばせることで、子どもが受ける刺激の幅や、遊びの発想の幅、新たな発見の幅が広がっていきます。
例えば、いつも同じ公園に行くのではなく、たまには探検がてらに違う公園に連れていくと、更に幅を広がっていきます。
そして特に、自然は大事にしてほしいと思っています。
自然には通常の生活では体験し得ない、不規則な環境の宝庫です。そんな自然でしか体験できないことや不思議がたくさん詰まっています。
舗装されていない道なき道を探検したり、見たこともないような植物を発見したりなど、子ども用に作られたものではない環境にいると、子どもの中に圧倒的な発見・思考・想像・決断・結果を繰り返すことになります。
その繰り返しが新たな挑戦となって、自立した心、挑戦を恐れない心が育まれ、実体験を通して豊富な経験となっていきます。
否定語はNG・指示語は最低限
大人は当然子どもよりも能力が高いため、子どもに良かれと思って言う言葉の中に、否定したり強制するような指示の言葉が増えがちです。
まず、否定語(全然できてないね、センスないね)などの言葉を掛けられた子どもは、やりたいことを自由にできなくなってしまいます。
自由にできなくなった結果、遊びから得られる能力の向上に繋がりにくくなってしまうのです。
否定や指示をしたくなる場面も多いかと思います。そんな時は…
ASTEPでの関わりを例に挙げると、おやつを食べているそばで子どもが駆け回っている場面がよくあります。それに対し『食べてるからやめなさい!』と言うのではなく、『ゆっくり食べてるから、あっちで遊ぼう!』と理由を説明して、とってほしい行動を促します。
これだけで否定語ではなくなり、子どもの意欲へのマイナスな影響は少なくなります。
指示語に関しては、指示をすると自由な環境を制約してしまうことになります。厳しい指示を出すと、子どもの自由をギュッと小さくしてしまうイメージです。
しかし、安全を確保するためにはある程度の指示は必要となってきます。
ですので、子どもの伸ばしたい能力を阻害しない程度の指示に抑える工夫をしましょう。
アイコンタクトをする
子どもが遊びをするとき、大人(指導員や親御さん)が常にそばについていなければならないということではありません。
子どもが1人で遊ぶことも大切ですし、大人が関わろうとしすぎると、子どもの自由な発想がしづらくなってしまいます。
ですが、一緒に遊んでいない時でも、『笑顔でアイコンタクトする』ということを、是非意識してもらいたいです。
子どもは1人で遊んでいても、ふとした時に大人の方へ目を向けます。これはASTEPの子たちにも特に当てはまります。
その時に意識していることはニコっと笑顔で微笑むことは指導員に意識をさせています。
そんな言葉のないやり取りが、子どもが安心してまだ遊びに集中することができる効果的な方法になります。
子どもと目が合ったら、笑顔で微笑むことを意識してみてください。
成果を保存・記録する
子どもが学校で何かを作ったり、家で絵を描いたりすることも多いと思います。ASTEPで言えば製作活動ですね。
何かを作り上げた物は、一定期間で構いませんので、なるべく飾ってあげてください!
飾ってもらえることで、子どもは純粋に嬉しいと感じて、更に色々なものを作ろうとクリエイティブな発想に火が付きます。
何か新しいものを作り上げるのが好きになると、今後新たな価値を生み出す可能性もアップし、大きなアドバンテージになります。
これらの作品は写真に残しておくと、今まで作ったものを振り返ることもできますし、自分で作ったものがどんどん増えていき大きな自信となります。
これは、楽しかった思い出にも当てはまる話です。
ASTEPでは日々の活動をアルバムとして毎日残しています。スマホさえあれば子どもといつでも『楽しかったこと、成功したこと、驚いたことなど』視覚的に思い出すことができます。
アルバムは自信に繋げるASTEPの療育には欠かせないものです。今までの成果が目に見える形で増えていき、それがある程度の量になると、それは1つの成功体験であり心の財産となります。
手の空いた時間で構いません。親子で振り返りができる時間を設けて、子どもの自信アップに繋げてください。
感情のミラーリング
感情のミラーリングというのは…
- 嬉しいね!
- 楽しいね!
- 不思議だね!
- 痛いね!
- つらいね!
- びっくりしたね!
- 面白いね!
というように、子どもが抱いたであろう感情を大人が言葉にして伝えることを言います。
ASTEPにはこの『感情のミラーリング』を言葉にして伝えるのが上手い指導員がいます。(私も勉強させてもらっています)
これを繰り返すと、大人と子どもの共感体験になります。
これは大人との信頼関係の構築にも繋がるとともに、子どもは「私のことを分かってくれている!」と感じて、自己肯定感の向上や、大人がいない場所で頑張れるパワーになったりします。
親御さんであれば、子どもの感情を汲み取ることはある程度できるかと思いますので、その気持ちに寄り添い共感することを意識してください。
さいごに
以上が、『子どもを伸ばす遊びの考え方6項』でした。
私がこれまで多くの子どもを見てきて、ASTEPを立ち上げ、特に実践している遊びの考え方を6つお伝えしてきました。
この記事を見て一度で全てコンプリートすることは難しいと思いますので、それぞれのライフスタイルや事業所の遊びに合わせて取り入れていただければと思います。
記事を何度も見ていただき、時折振り返りながら療育や子育ての中で実践していただけると嬉しいです。
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