ASTEPのブログをご覧のみなさま、こんにちは!こんばんわ!
京都府向日市の放課後等デイサービスASTEP、管理者(児童発達支援管理責任者)の、みなぐちゆきよです。
さて、今回は、夏休みの療育活動、“社会見学 in 鉄道博物館”についてフィードバックをしていきたいと思います。
今回は、カッチリ書くのはやめて、ゆる~く書いていきたいと思います!
目次
ASTEPが考える社会見学
◎ 一般的な社会見学の目的とは?
主に学校で行われている行事のひとつ。
知識や経験を広げるために、個人や団体で、工場施設、旧跡等を見学(体験)し、教科書で学べないことを目で見て学んだり、社会科や理科等の授業や内容と関連付けて、学習の効果を一層高める目的がある。
こんなところでしょうか?しかし私は、学生時代にどこかしら社会見学に行っているはずなのに、なぜか覚えていないんです。どこへ行って何を見学したのか、恥ずかしながら記憶すらありません…
それは何でなのかを考えたときに、シンプルに”印象”に残らなかったからだと思います。
なぜ印象に残らないのかを考えたときに、きっと惰性(みんな行くから私もついていく)で参加していたんだろうなぁ…と振り替える記憶すらありませんが当時を振り返りました。
やる気がなかった私が十二分に悪いという前提でお話をしますが、きっと学校の先生も惰性で生徒を連れて行っていたところもあるんじゃないかな…と恩師たちへ責任を転嫁しました。(すみません…)
そんなこんなで子どもたちを社会見学を企画し、連れていく立場となった私は、その頃の自分をこの歳になって猛省したわけです。
責任を転嫁した私が、倍々の責任を背負いこむ立場となり、どうすれば社会見学が成功なのか?いわゆる社会見学の理想をとことん考えました。
私の社会見学の成功は、先ほども言いましたが”青年になっても当時のことを記憶している”ところにあると思うんです。
じゃあ記憶に留めるためには、何にこだわらなければならないのか?答えは唯一これしかないと導き出しました。それは”達成感”を味わうことです!
そこで私はある仮説を立てました。これです!(そんな改まって公表するほどのものではありませんが)
◎ 私の仮説(それ風に言ってます)
社会見学で何かしらの達成感を感じ、その体験を脳に印象として残し、その達成感が深ければ深いほど青年になったとしても脳裏に刻まれている故に記憶している。
この仮説をベースとしてASTEPの社会見学のテーマを発表します!それは名付けて…”印象療育”です!(勝手に命名してます!)
◎ 印象療育とは?
関わり合いの中で、あえて笑わしたり、本来の目的とは逸脱する内容で物事を進め、いつもと違う働きかけを行うことで、物事を記憶に留める方法を用いた療育
その時の成功体験や失敗体験を記憶に留めることができれば、次に同じような事柄があった場合、無意識に対処できたり応用を聞かせたりできる可能性もアップします。
私たちASTEPの指導員の療育へのマインドは、基本的には前者の”成功体験”を重要視しています。(子どもの特性や学齢、時期によっては失敗体験も必要)
今回の社会見学では、成功体験を積むことを目的(ねらい)として、取り組みました。次で詳細を解説します!
成功体験を積む社会見学
強烈な成功体験を感じてほしい!そんな想いで立案しました。成功体験を積むこととして、頑張ればクリアできるミッションを与えることとしました!
簡単すぎてもダメ!でも難しすぎてクリアできず挫折感を味わわせてもダメ…絶妙なバランス且つ特性や学齢を考慮してのミッションをグループごと用意しました!
〇 1Gp:電車のスケッチ
鉄道博物館に展示されているお気に入りの電車を見つけて、その電車を色鉛筆やコンテを使って描きます。完成品をみんなの前で絵の見どころを発表します。
〇 2Gp:スタンプラリー
鉄道博物館のリーフレットにチェックポイントを6ヶ所設け、ポイントにたどり着くことができればシールを貼ります。全クリアを目指します。
ただ単に博物館を見学するだけでは私の二の舞になってしまします。それだけでも勉強になることも多いですが、今回の目的は、勉強というよりも達成感を味わうことが第一優先目標です。
ミッションに果敢に挑戦した子どもたちを次で評価しますね!
子どもたちの評価
出発前に、視覚支援を用いてお約束事のインプットを行いました。また、行動については2名1組、公共交通機関を利用しました。
鉄道博物館に到着後、グループに別れてミッションを開始しました!以下、社会見学の様子と、子どもたちの評価です。
- 年下の友達とペアを組み、どこかに行こうとすると「あかんよ、一緒にやで」と自ら声掛けを行い集団行動ができるよう意識する様子が見られた。最後までしっかり見てくれていたおかげで、見学中や電車内において安全に移動することができた。〖F・Aさん〗
- 鉄道博物館に抵抗感を持ち、家族とでもなかなか中に入れない状況であったが、指導員の一つのアプローチにより気持ちを高め、入場することができた。入場時に抵抗を持っていたため、その後の展示物の見学についてはスムーズ且つ楽しむことができた。自身で気持ちを切り替えることができた事に対し、たくさん褒めさせてもらいました。〖K・Sさん〗
- 見学ブースを皆で決め、皆の意見を尊重しながら行動ができている。自分からもっと「ここ行きたい!」というような意見も言えるよう促していきたい。〖H・Tさん〗
- 当初、体力面を考慮して車移動を計画をしていたが、本人の意思を確認し、急遽、電車移動に挑戦した。移動中も非常に落ち着いており、難なく電車での移動ができている。見学中は、ベンチ等がある所をめがけて座りに行くなどの行動が見られたが、小休憩を何度か挟んだこともあり、帰りの電車移動もできたことは非常に評価できる。〖H・Sさん〗
- 1Gpのミッション「スケッチ」に挑戦、自身が決めた電車を紙いっぱいに大胆に描くことができている。ASTEPに帰り、描いた作品にラミネートをして渡すと「ありがとう!」と感謝の気持ちを伝えることもできている。〖A・Tさん〗
- 1日を通して疲れを見せることなく活動ができている。指導員が思う以上の体力を見せつけてくれた。2Gpのミッション「スタンプラリー」に挑戦、シールが増えていく度に笑顔になり満足感を感じてくれている。館内のここに行くなどの判断はまだできずとも、ブースが近づくと周りを確認して、「自分で見つけてやる!」という積極的な姿勢が感じられた。〖K・Yさん〗
- いつも虫や海の生き物の絵を見せてくれるなど絵が大好きなTさん、2Gpの「スケッチ」に挑戦、普段は集中が続かないこともあるが、この日はいつも以上に高い集中力を発揮してくれた。完成した作品の見どころを聞くと具体的な箇所を指し、口で説明してくれることもできている。興味にあることを通して、集中力を持続できる訓練をしていきたい。〖K・Tさん〗
- 前日や当日も社会見学に対し渋る様子が見られたが、指導員のポジティブな声掛けや視覚支援、親御さんのご協力もあり、館内に入ることが出来た。Kさんとの約束「車で行く→プラレールを見る→ASTEPに帰る」を意識して、苦手だけど頑張ろう!という様子が伝わった。〖S・Kさん〗
- 「いっぱいきたことある」と言っていたKさん、2Gpの「スタンプラリー」に挑戦しました。館内のリーフレットの地図を見ながら、自分の記憶もフル活用し、「こっちこっち!」と集団を引っ張る様子が見られた。限られた時間の中で、6ヶ所中5ヶ所もシールを埋めることができたのはKさんの頑張りがあったからだと評価しています。この日のMVPは間違いなくKさんでした!〖N・Kさん〗
- いつも笑顔いっぱいでどんなことも楽しめるSさん、一方でデリケートな性格もあり、友達との小さな衝突についても気にする場面がありましたが、そういった衝突も、その都度、指導員に伝えることができています。その都度、適切な声掛けを行うと、自身で気持ちの折り合いをつけ、引きずることなく見学を継続できている。1Gpの「スケッチ」に挑戦し、いつも通りの集中力を発揮、普段の居場所とは違うところでも、同じパフォーマンスが発揮できることはSさんの強みであり、非常に評価できます。〖W・Sさん〗
さいごに
今回の「社会見学in鉄道博物館」を総括すると、目的意識(ミッション、電車移動、抵抗感の払拭など)を持ち、新しいことへの挑戦や課題に対し、果敢にチャレンジできた日となりました。
それぞれの子どもたちに大なり小なり”達成感”を感じてもらえた1日となったのではないかと評価をしています。
どこかにお出かけに行く時、例えば海に行くのであれば、「夏を楽しむ」という目的以外に付加価値を付け、海の思い出が残る、例えば「どっちが大きいの貝殻を見つけられるか?沢山見つけられるか?」など考え出すとキリはないですが、いわゆる何かしらの”達成感”を感じれるような働きかけを行うことを意識されてみてはいかがでしょうか。
夏休みも終盤に差し掛かり、もうすぐ生活リズムも学校中心の生活となります。億劫に思う子もいらっしゃることと思いますが、スムーズに生活のリズムを整えていけるよう、ご家庭と連携してやっていきたく思います!
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