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京都府向日市の放課後等デイサービスASTEP(アステップ)みなぐちゆきよです。
今回はアステップで実践している「発達障がいの子どもへのプログラム」についてご紹介したいと思います。
アステップの利用者にはそれぞれの障がい区分、障がいに係る特性、子どもの性格など、多角的な視点で考慮したプログラムを立案して日々実践しています。
どのようなプログラムを、どのようなマインドで、どのような形で実践しているのか?
それぞれの手法においてメリット・デメリットがあり、正解のない話ではありますが、本稿はASTEPの「プログラム」と「マインド」にフォーカスしてご紹介します。
目次
定型発達と発達障害
定型発達とは発達障害でないことを言い定型(成長段階における基準)にある程度沿って成長することを言う。
発達障害とは身体、学習、言語、行動の何らかにおいて不全を抱えた状態のことを言う。
自閉症スペクトラムの子どもに対し、定型発達に合わせた療育を行ったところで、何ら意義や効果もなく、かえって子どもにストレスを与えてしまいます。
軽度の発達障がいの子どもが多い施設でありがちな療育手法ですが、私的な意見を言うと危険です。
一言で自閉症といっても、個々それぞれに障がいの軽重や特性、性格があるので、その尺度に限りはありません。
大事なことは、その子どもに合ったプログラムに対し、アプローチや評価が伴っているかが重要なポイントです。
充実したサービスや活動の内容はもちろん重要ですが、その施設の子どもへの取り組みへのマインド、アプローチの礎となる部分に照準を当てれているか。
子どもがストレスを感じるような施設で過ごすことはマイナスでしかありません。
療育プログラムとは?
定型発達に合わせた療育ではないことを大前提とし、療育プログラムには大きく2つ種類があります。
子どもに合ったプログラムとは「その子に必要な課題を設定しプログラムを実施、評価する」こと。
反対に、プログラムに子どもが合わせるということは「決まったプログラムがあり、みんなが合わせて実施する」こと。
ここで皆さまに考えてもらいたいことがあります。
気になりますよね。なので結論を言うと…
療育プログラムに子どもを合わせるというのは、メリットは存在せず、多くのデメリットがあります。
- 「みんな一緒が良い事」から「個性が輝ける時代」に偏移している。
- プログラムに合わせると一人ひとりの評価が適正に行われない。
- 事業所側からの評価がなく、ご家族が子どもの状況や課題、関わり方について学べない
では、ASTEPでの療育プログラムについて、次でご説明したいと思います。
ASTEPの療育プログラム
結論から言うと「曜日ごとの利用者の特性を考慮した上でプログラムを選定し、個々に応じたアプローチをもって発達を促す」方法で組んでいます。
ASTEPは効率的かつ効果的な療育を行っています。
AさんとBさんでは、体格、性格、運動能力、細かい事を言えば姿勢や継続力など、同じ能力を持った子どもは存在しません。
ここで言う効率的で効果的な療育とは?
集団の特性も考慮しつつ、一人ひとりの子どもを評価し(ざっくりではなく細かく)、課題を探り、その課題に対して取り組みを入れていくこと。
ASTEPでは到達目標をA~C(活動によってはEまで)で段階で設定し、個々に合う手法でアプローチを行いながら活動に取り組んでいます。
1日の振り返りとして日報を作成し、一人ひとりに反省や評価を与え、次回の利用日の活動に繋げるサイクルで療育活動を行っています。
重要なことは、その都度評価し、日々成長の変化を捉え、継続した活動または新しい活動を組み込んでいくことです。
「みんなと同じことをする」というのは、あくまでも療育プログラムの話です。
実際の生活では集団生活をより良く送るためのスキルは必要です。子どもの課題に合わせて、集団生活においてスキルアップの見込める取り組みを行うように配慮をしています。
ASTEPでプログラムを行う際のマインドについて、次でご説明したいと思います。
ASTEPの療育へのマインド
日々、療育について向き合い追及してきて、以下の2つのマインドをもって活動に取り組むよう職員に周知させています。
✔「療育への思い込み」を失くす
簡単にご説明しますね。
成長させる」ではなく「成長力の一助」となる
ホームページでもご説明している内容になりますが、どんな子どもでも成長力を持っています。
良い所を伸ばし、課題をクリアしていくと、大きな枠組みで捉えると成長力が身に付くのです。
成長力を身につけることが「成長」なのです。
「こうして、ああして」といった半ば強制力を持ったアプローチは必要なく、かえって逆効果です。
子どもの意思を尊重しながら、職員がサポートしていくことこそ必要なアプローチなのです。
療育への思い込みを失くす
具体的には「自閉症スペクトラムだから、これは多分難しい」「ADHDだから、こんな課題や特性がある」など、決めつけて(思い込み)しまっている部分があると思います。
自閉症だからといって、みんなこだわりが強いわけではなく、手先が不器用だったり感覚特性があるとも限りません。
要は「子どもによって特性が違うため、一人ひとりをしっかり評価をしなければ、真の課題は見えてこない」ということです。
そういった思い込みのアプローチは、反抗心や暴力、引きこもりや不登校などの反動が必ずでてきます。
大事なのは、一人ひとりを評価し、その子どもができる応用力をつけてあげること。
それ以上に「人に頼る」ことが大切になります。
できないことがあってもいいのです。
子どもの特性に合った関わりが大切です。
さいごに
ASTEP(アステップ)では一貫して「療育について学びたい」という保護者の方を応援しています。
ご相談に来られる保護者さんの多くが「子どもが楽しく過ごせるための方法を自分も学びたい」「少しでも子どものことを理解してあげたい」ということ言われます。
また、ASTEPの保護者さんは「自分も学びたい」と考えておられる方がとても多いです。
子どもを中心に「ご家族」「ASTEP」「関係機関(学校等)」で密に連携することを、私は療育のトライアングルと呼んでいます。
「共に悩み、考え、学び、お子さんの成長を発見し、喜ぶ」
このような小さな積み重ねを続けていけば「子育てが楽しい」と感じられるようになり、その様子を見た子ども「生きるって楽しい」と自然に思えるようになっていくはず。
これが、療育です。
療育の最終目標は、子どものスキルアップではなく、親子ともに毎日が幸せに感じられることです。
その大前提として、「子どもを正しく評価すること」「子どもの課題に合わせたプログラムを考えること」が大切になってきます。
これからもASTEPは、子どもを正しく評価すること、保護者の方へのご説明やご様子は、包み隠すことなく丁寧に行います。
私達は「保護者の方のサポーターでありたい」と考えています。
そして、我が子について悩んでいること、悲しいこと、喜ばしいこと、どんなことでもお話しに来てください。