「ちゃんと見てもらえていない?」支援のギャップを埋めるために知ってほしいこと

「ちゃんと見てもらえていない?」支援のギャップを埋めるために知ってほしいこと

もうすぐ春ですね~ということで、ASTEPの自己評価(保護者アンケート)の集計を行っております。

その中で温かいお言葉や叱咤のお言葉も含めて、たくさん頂戴しております。

アンケートにお答えしていただいている時点で、興味を寄せていただいている証ですので、大変ありがたく感じております。

その中でありましたご意見の中にで

「ちゃんと見てもらえているのか分からない」

こうしたお声がございました。

このお声が出るのはある意味当然のことで、むしろ施設側の努力不足も挙げられると、そう感じているところです。

何の努力不足か?それは【情報発信】があります。特に、支援者のお仕事への理解が得られていないことから、親御さんとのギャップを生んでいるんだと。

ということで、今回は、支援者や施設側の視点で、支援の仕事について情報発信をして、そのギャップを埋めて良ければ…そんな記事となっています◎

少し長いですが、特に放デイや自発を利用の親御さんに読んでいただければ幸いです。

親御さんとしては、大切なお子さんに最善の支援を受けさせたい。これは当然の想いです。

でも、こういう意見を聞くと、支援者側としてはこう思うこともあるかもしれません。

「うちの施設の現状じゃ無理かも…」

なぜ無理だと思うのか?

「他にも手のかかる利用者がいるし…」

本当にそうでしょうか?

「支援者はいつも忙しそうだし…」

たしかに、そう見えるかもしれませんね。

「だから、うちの子にはちゃんと見てもらえない」

というような思考を経た結論になってしまうことが多いんじゃないかな~と思います。

たしかに、施設にはさまざまな支援が必要な方がいます。でも、何にどれくらいの支援が必要なのかは、実は外からは見えにくいものです。

例えば、「重度」の障がいがある方だけが特別に手厚い支援を受けているわけではなくて。状況によっては、「重度」ではない方がより手厚い支援を受けていることもあるんですよ。

例えば、個別支援が必要な重度のお子さんに対して、支援者が1対1で30分かけるとします。

一方で、集団支援が可能なお子さん5人に対して、1人の支援者が準備に2時間かけるとすると、1人あたりの時間に換算すると24分ですが、支援者が要している時間としては4倍になります。

もし「手厚い支援」の定義を「直接見てもらう時間」だとするならば、個別支援を受けているお子さんのほうが手厚いと言えます。

でも、準備にかける時間まで含めると、実は集団支援を受けているお子さんのほうが、より手厚い支援を受けているとも考えられるんですよね。

親御さんから見ると、その全体の支援にかける時間の濃淡が分かりにくいだけなのかもしれませんし、支援の現場に支援者がいないことがあるから、そう思うのかもしれませんね。

でも、支援者がいない=仕事をしていない、というわけではないんです。

施設の支援者の仕事は、目の前の利用者さんに対応するだけではありません。裏側では、こんな業務もこなしています。

施設のお金の管理
事業計画の確認
人権への配慮・虐待防止
地域福祉との連携
行事の企画やケース会議
より良い支援のための研修や調整

施設長ともなれば、支援者の育成や他の事業所との連携、労務管理までやることが山積みです。

つまり、親御さんがイメージしている「支援者の仕事」=「利用者と向き合うこと」だけではないということ。

親御さんが思う「最高の支援」それはどんなものですか?十人十色な意見が出てくるかと思います。

もし「100%利用者に寄り添うこと」だとしたら…今の施設、大きく捉えれば業界の現状では、それは難しいかもしれません。

なぜなら、支援者の仕事は「直接支援」だけでなく「間接支援」も含まれているからです。

支援のための書類作成や会議を後回しにすれば、長時間の残業が発生してしまう。実際、多くの施設で支援者が毎日残業しているのが現実です。

でも、働く側からすれば、それは「普通」ではないんですよね。

もし、親御さんが「100%直接支援」を求め続けるとどうなるでしょう?

結論から言えば、支援者が長続きしません。

福祉の仕事は「やりがい」で続けられるものではなく、適切な労働環境があってこそなんです。

今でも多くの支援者が、過酷な労働環境に耐えきれず離職していっています。

そうなると、結局は「お子さんにとっての最高の支援」も遠のいてしまうんです。

親御さんが思い描く「最高の支援」を実現するために、支援の裏側にも目を向けてもらえませんか?

直接支援だけでなく、間接支援を含めて施設全体を100%と考えたとき、どうしても直接支援にかけられる割合は下がってしまいます。

今、100を求めているとしたら、70くらいを目安に考えてみてほしいんです。

「理想を下げる」わけではなく、「支援の全体像を知ったうえでバランスを取る」イメージです。

たとえば、ASTEPが提供している「アルバム」のサービス。お子さんの活動の様子を写真や動画で記録し、ご家庭と共有することで、おうちでの振り返りや対話のツールとして活用してもらうことを目的としています。

このサービスを価値あるものと感じてくださっている親御さんにとっては、「今日は写真が少ない」「子どもをちゃんと見てもらっているんだろうか?」「何をしているのか不安になる」と思うこともあるかもしれません。

そのお気持ちは、よくわかります。

でも一方で、支援は限られたリソースの中で行われています。リソースを超えて無理な動きをすれば、不安全が生じ、怪我や事故のリスクが高まってしまうんです。

だから、ASTEPでは支援者に「無理をしてまで写真を撮らなくていい」と伝えています。何より大切なのは、今施設に来ているお子さんたちが、安全で安心できる環境で過ごせること。そのために最優先すべきは、撮影ではなく【関わり】なんです。

支援者は、活動の中で常に目の前のお子さんの様子を予測しながら瞬時に判断し、同時に周りの子どもたちの動きも観察しています。タイムマネジメントを行いながら、全員が活動に参加できるようチームで連携し、困りごとがあるお子さんには支援者同士でフォローしながら、可能な限りすべての子どもが【成功体験】を持ち帰れるように工夫を続けています。

「この子だけ特別に」という考え方はありません。施設に来ているすべてのお子さんが、それぞれのペースで自己成長を遂げられるよう、支援者たちは日々準備をし、たゆまぬ努力をしているのです。

ASTEP支援者や他事業所の支援者の皆さんも、決して手を抜いているわけではありません。むしろ、支援の質を上げようと努力している人ほど、直接支援も間接支援も真剣に取り組んでいる傾向さえあります。

親御さんが、支援者の働く環境にも少し目を向けてくれるだけで、施設全体の支援の在り方も変わっていくかもしれません。

そして、最高の支援というのは、施設側だけの努力で成り立つものではありません。親御さんと施設が歩み寄ることで、はじめて実現できるものだと思うんです。

お互いの状況を理解し合いながら、「できること」と「難しいこと」をすり合わせていく。そうすることで、今よりもっと良い支援が生まれるはずです。

そう考えると、あなたのお子さんを支援している支援者は、もしかしたら「最高レベルの支援者」かもしれませんよ。

「最高の支援」とは何か?

少し視点を変えて、施設全体を見つめ直していただけたら、ありがたいです◎

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どうも!ASTEPホームページ管理人です! 京都の乙訓圏域で放デイを運営しながら、積極的に現場に入って福祉の現状の改善に奔走しています。 InstagramやX(旧Twitter)ゆる~く更新してます★ どうぞご覧あれ~◎

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