いつもありがとうございます。
京都府向日市に所在している放課後等デイサービスASTEPの管理者、みなぐちゆきよです。
まずは、おなじみの近況をお伝えしますね。
3月は時期的な特性(新学期前)もあり、数人での活動ではありましたが、4月からとても賑やかになりそうです!!
少数向けのプログラムから集団で行えるプログラムを実践できることにワクワクしております!
利用保護者様のほとんどがASTEPの活動や理念にご賛同いただき、利用を開始されております。身の引き締まる思いです!
責任を持ってお子さまをお預りし、自立を目指し、ご成長の一助となれるよう、効果的な療育サービスを提供してまいります。
引き続き宜しくお願い申し上げます。
また、利用や見学をご検討されている保護者様へ、曜日別で見ると徐々に埋まってきておりますが、お気軽にご連絡いただければと思います!
さて、本日のブログは
さかのぼること30年以上、もともと、放課後等デイサービス事業は、「家でビデオを見るしかない」「母親から離れられない」といった子どもの放課後を何とかしたいというところが始まりなんです。
近年、事業者の数も増えたこともあり、放課後等デイサービスの存在は広く知られてきていますが、放課後の活動において新規の事業ではないんです。
その在り方や支援の質が問われている現在、活動のコレクト(積み重ね)にこそ目を向け、支援の質の改善への方向性を探るべきだと思うんです。
それらを踏まえて、放課後等デイサービスのASTEPの在り方について考えてみます!
目次
よくある放課後の過ごし方
私を含め、今の子どもたちのお父さんお母さん世代の人たちにとって、学校が終わったあとは、広場で野球やサッカーをしたり、鬼ごっこや氷鬼をしたり、友達と遊んだ時間ですよね。
しかし、最近の子どもの放課後は違うようです。「外でみんなで遊ぶ」ということが、めっきり減っているんですよね。
娘を連れて公園に遊びに行くと、数人の子どもたちがそれぞれの場所で話すこともなくゲームをしています。オンラインでゲームしているんですよね。そんな光景をよく目にします。
今の子どもたちは、公園まで来て、あえて暗闇を作ってゲームで遊ぶのか。子どもたちがそんな放課後を過ごしていることを、親は知っているのかな?と考えたりします。
現代の子どもは「サンマ」がない
放課後から「サンマ」が消えたと言われています。「サンマ」とは「時間」「空間」「仲間」の三つの「間(ま)」です。
特に場所においては、親世代は空き地や広場だったのが、今は自分の家か友達の家になってきています。
遊びも様変わりし、けん玉、メンコ、缶蹴りから、ゲームや携帯(YOUTUBE)に変化してきています。
社会や時代の変化によって、今の子どもは内向きになってきています。
少子化の影響もありますが、習い事に忙しいか、ゲームに夢中になっているか、遊び相手もなく孤立している。というのが今の子どもたちの姿で、みんなで楽しく過ごせる「居場所」がありません。
貧困化した放課後が、学力の低下や学習意欲の喪失、コミュニケーション能力の弱体化を生んでいます。
ゲームやスマホを凌駕する場を提供することが、ASTEPのミッションだなと感じています。
事業所のコンセプトは必要?
放課後等デイサービスは、サービスの一つとして「場所の提供」があります。
その場所で必要な支援を実践するわけですが、運動療育、音楽療法、ダンス療法などなど。近年、さまざまな趣向を凝らした療育が続々とでてきています。
いわゆる事業所のコンセプトです。
ASTEPでいうと、そうしたコンセプトは設定しておりません(理由は後述します!)、しかし、自立へ向けた療育として、キャリア療育と銘を打ち活動をしています。
これについては、事業所の方向性を保護者や利用者へ伝えるための強力な武器となるわけですが、そういったコンセプトは本当に必要でしょうか?
私は、必ずしも必要だとは思いません。
保護者や子どもにとっては「楽しそう」「画期的」と思われる方も多いでしょう。
そういったコンセプトの元となるものはなんなのか?
それは「遊び」なんです!
「遊び」というのは小さな社会なんですよね。
遊びという小さな社会の中で、子どもたちでルールを作り、そのルールに従い、もっと面白くなるルールを作ってみたり、時にはルールを破り衝突したり、その成果からルールを破らないように工夫したり…。私たちが生きる社会と同じですよね!
決められたダンスを踊ったり、決められた運動をこなしたり、要するに、事業所が用意したプログラムを子どもがただ実践する、とっても非効率だと思うんです。
開所するにあたっての内覧会でこういった質問が多くありました。
「ASTEPさんのコンセプトは何ですか?」「コンセプトはないんですか?」
私は、はっきりと言いました。
「コンセプトはありません(ただしキャリア療育は伝えました。)」「コンセプトは必要ですか?」
場合によっては非効率な療育の手法となりかねないことから、ASTEPがコンセプトを設定しない理由です。
コンセプトに固執しなくても、子どもは遊びを通して効率的に、そして大きく成長するんです。
逆を言えば、そのコンセプトが子どもを縛ってしまうおそれがあることも忘れてはいけません!
仲間との遊び>専門プログラム
ゲームやスマホを凌駕する楽しい遊びの場を提供するために、ASTEPがしているアプローチをひとつ紹介します。
個別療育を行ったあとのアプローチとして
「今日はどこへ行く?」「みんなで何して遊ぶ?」そんなやりとりを用いています。
計画的な支援をしているのか!と言われそうですが、これがすごく大事なんです。
これは自己選択、自己決定の究極のアプローチです。しかもそれは遊びに関することなので、レスポンスも大いに期待できます。
私はこう思います。
「放課後は人に決められ過ごすのではなく、子どもたち自身が見つけ楽しむもの」
決められたレールの上を歩くだけの活動ではなく、自分の意見を言うことを保障し、それが通るときもあれば通らないこともあるという経験を仲間とともに味わってほしいんです。
単なる無計画ではありません。一人ひとりを理解した上でこそできる無計画なんです。
子どもを理解し子どもを信頼することから生まれる無計画。こういった自由度のある活動の中で育つ力こそ、大人へ、そして社会へ向かうために必要な力ではないでしょうか?
もちろんキャリアの形成を促す療育プログラムを行ったうえでのアプローチなのであしからず(‘ω’)ノ
キャリア療育を核心として、月々の行事、保護者会の開催、遊びを通した活動を含め、それらの活動をコレクト(積み重ね)した活動を行っていきたいと思います!
おわりに
遊びを通した活動(行事など)は、個別給付、日額報酬制での仕組みではカバーできないものです。
個別給付はサービスを利用した事実に対する報酬であり、職員同士で子どもについて語り合う時間も活動の準備をする時間も見込んでいません。
保護者会や遠出の行事などは想定さえされていないんです。
しかし、こうした活動が放課後の質の要であると考えています。
前ブログでも言及しましたが、日替わりで放課後等デイサービスを利用されている子どもも少なくありません。
曜日ごとに複数の事業所を利用することは、「ここでよかった」「行き場があってよかった」と言えることなのでしょうか?
お子さま自身が納得しているならまだ理解はできますが、見通しが立たないことや変化に対応することが難しい子どものつらさやイラだちにもっと目を向けてほしいと思います。
放課後に放たれた子どもの安定した時間となるためには、子ども自らが行きたいと思える場所があり、活動(遊び)があり、仲間がいて、大人がいる場所が不可欠です。
ASTEPでは、遊びを通した活動自体の価値を認めているものの、事業所として支える仕組みを作っていくことが今の課題だと思っています。
職員の質の向上を図るための働き続ける土台を固め、子どもについて保護者と語り合い、成長を喜び合うことのできるような仕組みも今後求めていきたいです。