ASTEPのブログをご覧のみなさま、こんにちは!こんばんわ!
京都府向日市の放課後等デイサービスASTEP、管理者(児童発達支援管理責任者)の、みなぐちゆきよです。
今年の夏休みの社会体験活動は、当初、りん(就労継続支援B型施設)ネッツTOYOTA、京都トヨタ、成望館(就労継続支援B型施設)での活動を計画し、調整を進めておりました。
これらの施設で、全6日間の行程で社会体験を計画しておりましたが、コロナウイルスによる緊急事態宣言等の発令、京都の感染者拡大に伴い、大幅に期間を短縮(2日間)をした活動となりました。
ご期待いただいておりましたご利用児童保護者様についは、活動の短縮にご理解をいただきまして誠にありがとうございました。
現在の社会情勢を鑑みると、第一に考えなければならないことは”子どもたちの生命・健康の維持”であることは必然です。見通しのつきづらい日々が続きますが、引き続きご理解とご協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。
さて、今回は、夏休み(8月に実施した“社会体験活動 in りん(就労継続支援B型施設)”について評価及びフィードバックをしていきたいと思います。
過去に社会体験活動の意義について、ブログで情報を発信しましたが、今回はおさらい程度にご紹介し、社会体験活動に参加をした2名の児童の評価を行っていきたいと思います。
今回、ご協力いただきました施設はこちらになります!
目次
社会体験活動の意義
こちらの記事でまとめています。是非ご覧ください!
こちらの記事でまとめている内容に付随して、社会体験活動の意義として”社会の厳しさを知る”ことも活動のねらいとして挙げられます。
ASTEPという社会ではなく、異なる社会で体験する社会体験活動は、事業所で行っている活動の延長で応用が試される絶好の機会です。
ASTEPではできたことでも、異なる環境では満足にできないこともしばしばあります。
社会体験活動は、子どもたちがASTEPで活動してきた成果を発揮し、成功体験を得ることだけでなく、上手くいかなかったこと、できなかったことなどの、いわゆる失敗の経験も大いに体感してもらいたいです。
自分が通用しなかった部分を課題としてASTEPに持ち帰り、共に考え、分析し、向上するための資となれば、この上ない収穫になります。
失敗=挫折ではなく、失敗=成功のチャンスと捉えられるようなアプローチを施し、ポジティブな思考ができるよう事後学習で振り返りを行います。
そこで浮き彫りとなった課題は、日々のASTEPでの活動の中で、社会に通用する素地を身につけていきます。
体験先の職場(凛)の雰囲気
和気あいあいしている雰囲気の中で、誰もが楽しそうに作業している様子でした。
職員さんや利用者さんも気さくで体験活動に来た我々に対しても話しかけてくれるなど、施設全体で私たちを歓迎してくれる言葉かけや、雰囲気作りをしてくれているように感じました。
中には、利用者さんなのかスタッフさんなのか判別できないくらいしっかりしている人がいました。
また、作業中もお話したりと、2日間を通して明るい雰囲気であった。コミュニケーションがとれる利用者の方がほとんどで、中には積極的に話しかけてくれる利用者がいました。
作業などの技術面の訓練だけではなく、“人との積極的なコミュニケーション”にも重きに置かれている印象です。
今回の活動での仕事内容
1日目は、箱折り・箱詰めがメインの仕事です。(箱を組み立てることが難しければ、折り目を付けるだけでも可)
2日目は、お菓子のフタ作りです。お菓子の説明書の紙を入れる→お菓子のフタの上下を揃えて、端を中に入れ込み蓋にする作業を行いました。
社会体験活動の評価
2名の児童が参加した社会体験活動ですが、良い面、課題となる面を評価していきたいと思います。
- 自分の思うがままに作業を進めることなく、作業を慎重に行う様子が見られた。(コレ合ってる?と職員に聞いたり)
丁寧な作業ができている。最初から最後まで、作業の丁寧さに変化がなく、乱雑になることがなかった。また、同じ作業をする内に、丁寧かつ作業のスピードも早くなっていき、作業のペースを掴んでいた。
同じ作業をすること自体にあまり抵抗がないような様子が見られ、作業所の雰囲気・緊張等に本人がのめり込まなければ、もっと実力を発揮できるのではないかと思料する。【F・Aさん】 - 言葉遣いがとても丁寧で、率先しての挨拶ができていた。自分の作業が終わると、「終わりました」、「次、何したらいいですか?」と現場の職員さんに伝えることが出来ている。
指示を受けると返事も行えており、少し離れている人にも聞こえる適度な大きさの声であった。また、周りの人に、好きな話・共通の話で自ら話しかける場面もあり、距離を縮めるための行動が見られ、施設の人間や雰囲気に馴染もうとする様子が見られた。
疲れた様子は見せず、黙々と作業を継続してやり抜くことができた。(楽しい!と言う発言がでた)【Y・Sさん】
- 言葉遣いについて、注意を促してすぐは気をつけていたが、少し時間が経つと、注意を払うことを怠ってしまい、敬語(丁寧な言葉)でなくなっていた。(友達に喋る感覚で、はい→うん、できました→できた、分かりました→分かった等)
自信がない時には、声が小さくなる傾向にあり、隣にいる人にやっと伝わるくらいの声の大きさだった。(それ以外の時は、伝わる声量で言えている。)
報告についても自ら行うことができなかったため、言葉遣いや報告の重要性をASTEPで活動の中で学習しながら定着化を図りたい。
質問に答える事・分からないことを分からないと言えなかった。話の内容の意味への理解が難しい場面が散見されたため、本人の頭に入りやすい言葉を選んで説明する必要がある。【F・Aさん】 - 作業序盤で分からないところや曖昧な所も、そのまま進めようとしていた行動が見られた。(現場の職員さんの説明を真剣に聞いていない。)
作業では、折り目に沿って折れていなかったり、聞く姿勢も下を向いて髪をいじりながらであったり、態度をもう一度見つめ直す必要がある。
慣れると作業のスピードが上がるが、合間で少しミスが見られた。(お菓子の説明書の入れ忘れ)
少しでも作業内容に分からないことがあれば「聞く」ことを最優先させることを定着できるようASTEPの活動の中で実践しながら学習していきたい。疲れが出た時には、「あーつかれた!」と思わず口に出てしまうことがあった。【Y・Sさん】
さいごに
今回の社会体験の共通の目標として、
・分からないことは聞くことができる(曖昧な理解のまま行動しない)
・指示を聞き、正しく作業することや行動することができる
を掲げ、事前学習やASTEPの活動において定着を図るため、意図的に働きかけを行ってきました。
いざ社会体験活動本番となると、仕事を言われた通りにすることだけにフォーカスしてしまい、丁寧な言葉遣いや報連相を行うことなど、仕事以外の面が疎かになってしまうことがありました。
今後のASTEPでの活動では、仕事(作業)だけではなく、人との関わりや関係性の認識(教える立場・教わる立場など)を含めた総合的に支援できる活動を立案していきたいと考えています。
また、振り返りについては、事後学習で計画をしていましたが、社会体験を行った当日中でなければ本人達が忘れてしまうため、次回からは必ず当日に振り返りを実施したいと思います。
アットホームな事業所で、職員さんたちが我々に気を使ってくださっている印象でした。2名に関しては、初めての社会体験で緊張をしてる様子でしたが、2人の特性を考えると〝凛(りん)〟のようなアットホームな事業所が合っているのではないかと感じました。
仕事を体験する他に、様々な目的を持って社会体験活動を行いましたが、本人達は「仕事とは何か?」を肌で体験することができ、厳しい現実を少しでも感じてくれたことが、今回の1番の成果となりました。
厳しい現実を受け入れず目を背けてしまうことは成長をするチャンスを失する事に他なりません。
今回の社会体験活動で良かった点、浮き彫りになった課題を含め、良い面は更に磨き上げながら、課題を少しでも軽減できる方法やテクニックを身につけていけるよう、引き続き支援を継続してまいります。
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