今回のLST(ライフスキルトレーニング)の取り組みはコレです!
ワークシートを使って、項目ごとに読み取れる情報から適切な物を、個人ごと、集団ごとに考えていきます。
ASTEPでは個別療育や集団療育において、時期的特性や、ご利用いただいている子どもたちの特性などを総合的に評価し、LST、SSTを定期的に実践しています。
イメージアップできるよう理解できる言葉を選びながら進めた結果を、本記事で評価をしていきたいと思います。
目次
物の準備
間もなく夏休み突入です!学校ではなくASTEPで朝から活動をします!そういった、時期的な特性(生活リズムの変化)に合わせて本活動を立案しました。
また、先の出来事に見通しが持てず、身辺の整理、特に物を準備することは親に任せっきり…という子どもたちが半数以上であったため、長い休み期間の生活へ、見通しを持つよう促し「何が必要で何が必要でないか」を自身で判断する力を養うこと、自立性を促すことを主旨として実践しました。
子どもに対し「〇〇ができるようになってほしい」と求める前に、子ども一人ひとりとの信頼関係があってこその取り組みです。発達障がいがあるなしに関わらず、子どもとの信頼関係が築けていないうちから、指導員の思いを押し出してもうまくいきません。まずは、子どもたちとの遊びの中で良い関係を築き、「この人が好き!」と思われる存在になることが大切です。ご家族であれば、深い信頼関係が築けていますので、ご家庭で実践される際の参考としてください。
活動のねらい
それぞれの子どもたちにねらいを持って実践をしました。
- 自分の持ち物を把握する。
- 持っていく物を自己選択できるようになる。
- 持って行っていい物と持って行ってはいけない物の区別ができる。
活動の目標
個人の特性、学齢等を鑑み、以下の区分において目標を設定しました。
- 持っていく物を自身で考え、取捨選択した内容を指導員に伝える。
- 持っていく物の概要を把握することができる。
- 指導員と共に取り組みに参加し、部分的に内容を理解することができる。
活動の実践
かばんの中に「ぬいぐるみ」と書いている子がいて、確認をすると本当にありました!そんなこんなで笑いが起きたり、あーでもないこーでもないと言いながら終始リラックスしながら取り組みました。
以下のフローで取り組みを実践していきました!
- 自分のカバンに入ってるものを理解できているか?カバンの中は見ずに書きだしてもらう。(難しい子はスタッフと一緒に書き出すか聞き取りで行う)
- その後、自分のカバンを広げ、書いたものと合っているかどうか答え合わせをする。
- 夏休みにASTEPに来る時の持ち物を、絵カードを見せずに何を持ってくるのか?口頭で聞き、いくつか書き出す。(個人ごと)
- 案をいくつか出した後、絵カードを使い、ASTEPに来る時に持ってきていいもの・持ってきてはいけないものの区別をする。(集団で)
- 答え合わせをする。
- 出かける時のルール(できる準備は自身で行うこと)を確認して活動終了
- 終わりの会で、活動で得た内容をみんなの前で発表する。
活動の評価
以下、活動の総まとめした評価です!
- 「自分でできる!」と言う子がいたことに対し、最大の評価ができます。たとえ自分でできなくても「〇〇だけ」でも自分で準備をするように言うと「うん!」と約束をしてくれた。個別で保護者に評価をお送りしているのでご家庭で実践してもらいます。
- 必要な物の種類が理解できたため、必成目標は達成、望成目標である「なぜ必要なのか?」までは時間切れとなり未修得、次回へ持ち越し。
- みんなで話を逸脱することなくテーマに沿って話し合いができています。「他に何があるかな?」と指導員に言うのではなく、子ども同士での話し合いができている場面もありました。
- 字が書けない子は、絵カードの物を単語で答えてくれていました。必要性についてはまだまだ理解はできませんでしたが、ASTEPで必要な物という認識を促すことができました。
- 夏休みでASTEPで必要なもの6つを確認して、その必要性についても説明すると、一定の理解を促す事ができています。
- 目からの情報が入りやすい子(視覚優位タイプ)の子がほとんどであったため、絵カードでの視覚認知の際には、集中して理解をしようとする姿も見られました。
- 最後の発表時は、前で発表をすることに抵抗があったせいで、答えることができませんでしたが、のちに個人的に質問をすると全て答えることができています。
- 絵カードの中から夏に必要な物は?と質問をすると(答えはタオル)、的を得た答えが返ってきています。なぜタオルが必要なのか、なぜ汗を拭かないといけないのか?など掘り下げた内容を考えていくと、半数以上がついてこれなかったため断念。個別で必要性を理解できるよう工夫を入れて取り組みを立案する必要性を感じました。
さいごに
◎子どもの意欲とやる気を育てる!
子どもが身の回りのことを意欲的に取り組みたいと思えるように、親は子どもの挑戦している姿を認め、成功だけでなくその過程や失敗も温かく受け止めるような環境作りを心がけてください。
子ども一人ひとりの発達状況や仮定の姿、経験の個人差などに柔軟に対応してください。また、子どもを無理に急かしたり、過度に褒めすぎたりせず子どものやりたいという気持ちを大切にしながら実践してみてください。
◎自主性を促す環境作り!
例えば、物の準備をする際に、必要な物が子どもの手の届く範囲に置いてあげているか?水筒が棚の上にあると背の低い子どもは届かないので、それだけの理由で意欲が削がれてしまうケースもあります。
また、準備をする際に、気が散る物(ゲームやお気に入りのおもちゃなど)はあらかじめ片付けて、視界に入らないように配慮をしてあげてください。
これらのコツに配慮を行いながら、少しずつ自主性を身につけていけるよう、是非、ご家庭でも実践してください!
今回は「物の準備」を行いましたが、別グループでは「気持ちの伝達(断る)」を行っています。次回のブログで評価を行っていきたいと思います。
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