みなさんこんにちわ!こんばんわ!
今回のLST(ライフスキルトレーニング)の取り組みはコレです!
ワークシートを使って、項目ごとに読み取れる情報から適切な言葉や気持ちを紐解いていきます。
ASTEPでは個別療育や集団療育において、時期的特性や、ご利用いただいている子どもたちの特性などを総合的に評価し、LST、SSTを定期的に実践しています。
イメージアップできるよう理解できる言葉を選びながら進めた結果を、本記事で評価をしていきたいと思います。
本取組は、前回のブログ「LST:物の準備」と同日に行いました。併せてご覧ください。
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目次
気持ちの伝達(断る)について
ASTEPを利用している子どもの中には、障がいの特性から対人関係のおいて適切な関わり方を苦手とする子がいます。気持ちの表出ができず周りに流される・適切な言葉で断れず感情のコントロールが不安定な部分があるため、適切な断り方の概要を修得し、今後の生活の資とするため、本活動を立案しました。
特に「断る」スキルについて、どういう断り方があって、どんな場面でどのように使えばいいのかが分からないという課題から、ワークシートを使い、断り方の言葉の種類・気持ちの理解・状況に応じた断り方の3項目を学習していきました。
ASTEPでは、LST(ライフスキルトレーニング)を立案する際、自立活動6区分27項目に沿って、効果的な項目を主旨に据えた内容で構成しています。
今回の取り組み「気持ちの伝達(断る)」でアプローチする自立活動の内容は以下の通りです。
◎心理的な安定
情緒の安定に関すること
◎人間関係の形成
他者とのかかわりの基礎に関すること
他者の意図や感情の理解に関すること
自己の理解と行動の調整に関すること
集団への参加の基礎に関すること
◎コミュニケーション
コミュニケーションの基礎的能力に関すること
言語の受容と表出に関すること
ライフスキルの項目は以下の通りです。
◎意思決定
生活に関する決定を建設的に行う力。様々な選択肢と各決定がもたらす影響を評価し、主体的な意思決定を行うことにより望ましい結果を得る。
◎効果的コミュニケーション
文化や状況に応じた方法で、言語的または非言語的に自分を表現する能力。意見・要望・欲求・恐れの表明やアドバイス・援助を求めることができる。
◎対人関係スキル
好ましい方法で人と接触・関係の構築・関係の維持・関係の解消をすることができる。
子どもに対し「〇〇ができるようになってほしい」と求める前に、子ども一人ひとりとの信頼関係があってこその取り組みです。発達障がいがあるなしに関わらず、子どもとの信頼関係が築けていないうちから、指導員の思いを押し出してもうまくいきません。まずは、子どもたちとの遊びの中で良い関係を築き、「この人が好き!」と思われる存在になることが大切です。ご家族であれば、深い信頼関係が築けていますので、ご家庭で実践される際の参考としてください。
活動のねらい
それぞれの子どもたちにねらいを持って実践をしました。
- 自分と他者の気持ちを気付く。
- 自己表出する大切さを知る。
- 自身の断り方について見直す。
活動の目標
個人の特性、学齢等を鑑み、以下の区分において目標を設定しました。
- 互いの気持ちを考えた断り方ができる。
- 相手の気持ちを考えることができる。
- 断ることに対しての嫌悪感をなくし自己表出ができる。
活動の実践
以下のフローで取り組みを実践していきました!
- 断るときの言葉の種類(イヤ・ダメ・やめてなど)を、子どもたちに考えさせる。
- 気持ちの理解
・状況:無視された、「ダメ・無理」と言われた、理由を付けて断られた。 - 状況に応じた断り方 ワークシートに記入
・状況:やりたくない事に誘われた・頼まれごと・貸し借り(友だち)
・良いこと教えてあげる(初対面) - 自身の関わり方について振り返る。
- 例を提示して回答を求める。
・状況:「宿題は後にして遊びに行こう!」と言われた場合
活動の評価
以下、活動の総まとめした評価です!
- 相手が嫌な気持ちにならないように かつ 自分の気持ちをしっかりと伝える断り方は改めて考えると悩んでいたが、「買ったばかりだから、明日貸してあげる」など理由をつけて代替案も伝えたり、「誘ってくれてありがとう、でも用事があるからごめんね」と感謝と謝罪の言葉を用いることができた。
- 断るってなに?と問われると当初は難しく考えてしまうも、断る場面を例にあげるとイメージができ、思ったよりたくさんの言葉が出てきた。
- 「なんで?」「貸して!」と掘り下げて何度も頼むと困惑していたが、理由を絞り出ししっかり断ることができている。
- ワークシートに書いた断り方を題材に「なんで?」「今使いたい!」などと掘り下げた質問をしましたが、その度に理由を考えて断ることができている。適切な言い方についても言及でき、言葉をブラッシュアップできた。
- 字を読むのがまだ慣れない子は、一通り読んでもらい、その内容について(言葉の意味)の理解を深めることができた。
- 集団参加に気分が乗らない子も、声掛けを行いつつ終盤には自力で参加することができた。
- もう少し能力別で細分化したワークシートを作成する必要性(内容の軽重や緩急、漢字にフリガナを付けたり)準備の時間をもう少し捻出する必要性を感じた。
さいごに
大人でも、ちょっとしんどいなあと思いつつ、人から頼まれるとつい引き受けたり、無理をしたりしてしまいますよね。
自分が「嫌だな」「ほんとはしたくないな」と思ったとき、無理をせず、相手に対して断れるスキルを身につけることはこれからの生活でストレスの軽減の部分でも大きく役立つものだと考えています。
コミュニケーションに関する技法で、アサーショントレーニングというものがあります。
- 自分の都合だけを優先し相手を無視する「攻撃的」
- 自分のことを押し殺して相手に合わせる「非主張的」
- 自分の気持ちを伝え相手の話にも耳を傾ける「アサーティブ」
今回の活動のヒントは、この技法を用いて実施をしました。
コミュニケーションには答えも教科書もありませんが、活用できる考え方や技法はあります。
人間関係は山あり谷あり、試行錯誤の連続ですが、よりよい日々になるよう繋げていきたいと思います!
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