LST/ライフスキルトレーニングの「目的地に行く」を評価します!

放課後等デイサービスASTEP(アステップ)LST/ライフスキルトレーニングの「目的地に行く」を評価します!
ブログ執筆者:児童指導員 みなぐちだいすけ

執筆者自己紹介(みなぐちだいすけ)

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LST/ライフスキルトレーニングの「目的地へ行く」

普段の生活で目的地を目指すとき、私たち大人はグーグルマップなどで目的地を検索して、何も考えることなく目的地に行かれていることが多いと思います。今回の取り組みは、スマホやナビの扱うのではなく、今では馴染みがなくなった地図を使って、方向感覚や想像力、空間認識能力を育むことを目的として実践しました。

取組み化した背景

20日(火):LST(目的地へ行く)

立案の基礎

利用児童において、ICTの発達により、地図を読んだことがない者や経験が乏しい者が散見される。グループごとに、提示した地図を全員で紐解き、試行錯誤しながら目的地を目指すとともに、街中に散らばっている新たな発見を皆で共有しながらミッションをクリアすることで、それぞれの役割を果たし強い達成感を感じてほしい。また、日常生活における歩行体験機会の減少を踏まえ、歩くことの楽しさを知るとともに、周囲の景色を読み取る力、周囲の景色を読み取り空間を認識する力の発達を促すため、本活動を立案する。

スマホで検索すると、自分のいる位置が表示され、徒歩ではこのルート、車ではこのルート、電車で検索すると時刻表まで出てきて非常に便利な世の中になってきていますよね。

私たちが子どもの頃は、駄菓子屋でお菓子を買って食べたり、友達と空き地で遊んで帰るなどしていましたが、安全面での心配から、通学路で道草を食うということが少なくなり、習い事に行くだけでも親御さんの送迎が必要なケースも多くあります。このように今の子どもたちには歩行体験が不足しているということが挙げられます。

子どもの歩行体験が減少すると、方向感覚はおろか、周囲の景色を読み取る力は十分に発達しません。周囲の景色を読み取り空間を認識することができなければ、当然ながら地図も読むことができません。

一方、地図には一定の情報のみしかなく、自分の位置を認識しながら、次のポイント、その次のポイントを目指すことになります。ただ地図を読むだけではなく、それ以上のメリットがあるので取り組み化するに至りました。

活動のねらい

活動のねらい

本活動のねらい(目的)は以下の通りです。

〇 地図を読む能力(方向感覚)の向上
〇 歩行体験の蓄積
〇 安全な移動を意識
〇 集団の中で出た意見を尊重

活動の目標

活動の目標

個人の特性、学齢等を鑑み、以下の区分において目標を設定しました。

A:グループの安全を配慮し移動するとともに、地図を見て目的地まで到達することができる。併せて所要の作業を行える。

B:グループの安全を配慮し、集団で経路を考え移動できる。

C:集団に参加し、手を繋いで移動ができる。

A目標については、グループ長の役割です。グループの子たちの安全に配慮しながら、目的地に到着するため筆頭になって考え、目的地でのミッション「写真を撮る」ことができると目標クリアです。

B目標については、グループ長の補佐です。筆頭となって考えているグループ長の意見に対し、自分の意見を考え、集団で表出できると目標クリアです。

C目標については、集団意識を持ちながら、安全に配慮をして目的地まで手を繋いで移動ができれば目標クリアです。

活動の様子

出発前に以下のミッションカード(地図)をグループごとに配布しました。

配布した地図をもとに、予習として方角や経路の選定のグループワークを行いました。

みんなで意見を出し合い、まとまってきたのでいざ出発!ポイントごとに地図を確かめながら見事、目的地に到着しました。

チェックポイント②ではスーパーで予算内で買い物をしました。暑かったので真っすぐアイスコーナーに行きました。

活動の評価

  • 「今日はリーダーだから頼むね!」という言葉をかけたのが負担になってしまい、やらなければいけない思いと分からない思いがぶつかって怒ってしまったり(少し涙ぐむ、めんどくさいねん等の発言)、自棄する行動が見られた。指導員の誤ったアプローチが原因であり、経験のないことへの不安感を強く抱く様子が散見された場合、不安感なく取り組めるようなアプローチを行う必要がある。〖Y・Kさん〗

  • チームリーダーが悩んでいる姿を受け「地図貸して!」と自ら現在地を確認したり「こっちだ」と方向を示すことができている。地図への知識の有無に関わらず、グループを先導して率いてくれる姿に頼もしさと成長を感じ取ることができ、見違える姿を見せてくれた。〖H・Aさん〗

  • 色々な景色や建物に気づきを持ち、楽しく目的地を目指す!という目標のもと、取り組みを開始。チームリーダーの指示のもと、しっかり手を繋いで安全な移動をしつつ、色々な景観を楽しみながら、自分の思いを表現することもできた。〖H・Tさん〗

  • 〝手を繋ぐ、歩く〟を約束して出発。始めは約束を意識できていたが、いつもと違う場所(スーパー)に探検に行きたい気持ちが勝ってしまい、走り出す場面があった。口頭だけでなく視覚的にも伝えられるよう絵カードなども、夏休みのお出かけの際に使っていながら定着を図る。〖O・Rさん〗

  • 時間の関係上、第一ポイントを飛ばして第二ポイントに向かったが、第一ポイントに行けなかったこと自らを責めてしまう場面があり、「リーダーとして不安だったよね。第一ポイント探したかったけど、時間が無くて行けなくてごめんね。でもよく頑張ったよ!とても頑張ってくれてありがとう」と声をかけると少し涙ぐむ。本人にとっては不完全燃焼であったが、皆を率いることへの責任感が見られたうえに、最後まで諦めず取り組みに参加することができた。〖Y・Sさん〗

  • 暑さの中、「頑張ろう!」と、みんなに声掛けをしながら移動を楽しむ姿が見られた。小学校1年生のお友達としっかり手を繋いでくれて、他者の安全を確保した移動もできている。〖A・Tさん〗

  • 度々しゃがみこんでしまう場面があったが、集団が離れていくと置いていかれないようついてきてくれる。そこからも少し距離あったが、みんなと頑張って歩き、目的地に向かうことができた。屋外活動を嫌う傾向にあったが、トークン(ちょっとしたご褒美)や、見通しを持たせることで行動に移すことができる様子。〖K・Sさん〗

さいごに

京都府乙訓郡向日市の放課後等デイサービスASTEP(アステップ)さいごに

単一的なねらいではなく、それぞれの子どもに複数のねらいを持たせることのできる活動でした!各々で上手くいったこと、上手くいかなかったことを整理して活動を終了しましたが、参加した子どもたちにとって初めてのことで興味津々な子もいれば、初めてで不安が勝ってしまう子もいました。

しかしながら活動に取り組む姿勢は、特別なアプローチを行うこともなく、全員が前向きに参加し、目標を達成することができました。活動中に涙ぐんだときの気持ちは、次の活動で必ず生きてくるものだと思います。

次に行う際は、もっとシンプルにして、ひねり(宝箱を用意するなど)を入れて活動を立案し、ゲーム性を前面出しても面白いと思いました。

以上、LST/ライフスキルトレーニングの「目的地へ行く」でした!

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どうも!ASTEPホームページ管理人です! 京都の乙訓圏域で放デイを運営しながら、積極的に現場に入って福祉の現状の改善に奔走しています。 InstagramやX(旧Twitter)ゆる~く更新してます★ どうぞご覧あれ~◎

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