今回のテーマについてはこちらです!
ご利用保護者さまからのご質問を受け、個別に回答させていただきましたが、皆様にご認知いただくため、分かりやすくご紹介させていただきます。
みなぐちだいすけ(34歳)
大学時は、社会福祉学部に在籍し、福祉心理学を専攻
前職は公務員、1000人規模の組織で働きながら、職場内の心理カウンセラーとして携わりながら、広範多岐に渡るご相談やお悩みの解決のために尽力してきました。
ASTEPでは、主に事業所の運営に係る総務、経理、渉外、広報を担当しています。
目次
ソーシャルスキルとは
特にASTEPにご利用していただいている保護者さまには聞きなじみのある「ソーシャルスキル」という言葉、多方面でも注目されていてすでに聞いたことがある方も多いことだと思います。
ソーシャルスキルとは、社会的ルールや場面に応じた会話・行動ができる能力のことを言います。
もともと、ソーシャルとは「社会的な」という意味です。
「ソーシャルスキル」を日本語で訳したときに「社会性を身に付けるとか、社会生活に対応していける力」といった言い方がされることもあります。
社会の中で自立して、そして主体的に人と関わりながら生活していくことができるのは、ソーシャルスキルがあるからと言えます。
発達障がいとソーシャルスキルの関連性
発達障害のある子どもの場合、「ソーシャルスキル」が課題とされることが多く、社会的にもソーシャルスキルを重視しがちです
そのことから、発達障害児の支援や療育を語る時には、どうしても彼らが苦手な「コミュニケーション」に注目が集まっています。
そのため、ソーシャルスキルの必要性が強調されたりするのかもしれませんね。
しかし、ASTEPが社会自立を目指して日々を過ごしていくためには、それらソーシャルスキルに加えて、最も基本的な生きるためのスキルが必要であると考えています。それがライフスキルです。
ASTEPの療育の柱である2つのトレーニングですが相関性は、こうです!
次でご紹介するライフスキルで詳しくご説明しますね。
ライフスキルとは
たとえば、整理整頓(自分で部屋を片付ける・掃除ができる)、移動(目的地を調べ到着できる・公共交通機関を利用できる)などなど、社会の中で毎日を滞りなく生活できるようにしていくことは、将来を見据える意味でも大切です。また、豊かな生活経験を重ねられるようにするためには、社会の中でスムーズに暮らしていくことが欠かせません。
このように、社会において生きていくためのスキル、そして豊かな人生を送るための土台となるスキルを総称して、ライフスキルと呼びます。
ソーシャルスキルも、広く言えばライフスキルに含まれる要素も多くあります。
ライフスキルを高めていくことは、子どもたちのQOL(生活の質)を高めることにつながり、自己肯定感を育む上でも非常に大切なスキルなのです。
発達障がいとライフスキルの関連性
地域社会で暮らしていくためには、様々なスキルが必要です。簡単な家事の他にも、電車やバスの乗り方、電話の出方、あるいは質問や報告の仕方などなど。
しかし発達障害のある子どもの中には、そうした生活の中における基本的なスキルが身に付きにくいケースがあります。
たとえば、掃除について教えるにも、「何のために掃除をする必要があるのか?」ということを根気強く教えていく必要がありますし、掃除の順番やテクニックなども、1つひとつ具体的に、より丁寧に教えていく必要があります。
「普通」という視点(なんとなく身に付けてきたことや見よう見まねでできるようになったこと)で教えていると、発達障がいの子どもは余計に混乱します。順序立てて教えていかなければ身に付きません。
また、「なんでできないの?」よりも「どうしたらできるかな?」という視点で関わることが、子どもにとってもご家族にとってもメリットもあり建設的でストレスも軽減されます。
ライフスキルとソーシャルスキルの決定的な違い
ソーシャルスキルは、名前のとおり社会的なスキルです。社会や他の人に合わせることが重視されています。
しかし、発達障害・グレーゾーンの子どもは、集団生活や他の人に合わせて行動することが苦手です。
もちろん、ソーシャルスキル・トレーニングの成果が発揮できる場面もありますが、子どもの年齢や特性によって場面や範囲も限られます。つまり、応用がききにくいのです。
特にASD(自閉症スペクトラム)の子どもの場合、人に合わせて行動することが難しいので、ソーシャルスキルを伸ばそうとしても、限界があります。
一方、ライフスキルは、子どもの生活や人生のためのスキルです。基本的にはその子本人のためのものであり、人に合わせることは必ずしも重要ではありません。
ライフスキルは、ソーシャルスキルに比べてスキルを発揮できる場面が多く、子どもの特性に合わせて身につけやすいことが大きなメリットです。
こうしてみると、ライフスキルとソーシャルスキルの決定的な違いは、応用の効きやすさと、スキルの身につけやすさに違いがあります。
LST・SSTの様子
指導する側の姿勢と保護者のお声
子どもにライフスキルを教えていくことを、ライフスキルトレーニングと呼びますが、発達障害の特性を理解する・知識を持つことで、ストレスなく支援・指導していくことができます。
つまり、子どものトレーニングでもありつつ、保護者(指導者)のトレーニングでもあるんです。
ここで、非常に高い意識を持たれているASTEPの保護者様のお声や思いを抜粋してご紹介します。
その後のやり取りで…
手洗いが定着してきました。いまだに教えようとする癖がありますが、教えようとするということは理解しているということになるのかな?ありがとうございます。
さいごに
ソーシャルスキルトレーニングは、家庭だとなかなか取り組むことができないかもしれませんが、ライフスキルトレーニングを行うには、家庭が一番適した環境と言えるかもしれません。
なぜなら、家庭は実生活におけるスキルアップの場面が多くあるからです。
ライフスキルトレーニングはいつ始めてもOKです。ご家庭での時間が増える夏休みはもう間近!思い切ってスタートするチャンスかもしれませんよ!
お問い合わせはこちら