「遊び」の中には、子どもの発達に大きく影響を及ぼす要素があります。
好奇心、協調性、自発性、自己主張・自己抑制、などなど 大人になった時に身につけていたい能力が、遊びの中に詰まっています。 遊びは心身の成長には欠かせない、食事や睡眠、排泄などと同じくらい重要なものです。
今回は「遊びとは何なのか?子どもの成長と遊びの関連性、その効果は?」 というポイントに絞って解説します!
目次
遊びの定義とその特徴は?
人間は、ホモ・サピエンス「知識をもつ類」というのは広く知られていますよね!
別の言い方をすると、ホモ・ルーデンス「遊びをする類」という言い方もされているのは、あまり認知されていないと思います。
この成り立ちから分かるように、知識と遊びの両者を身につけていくことは、子どもに限らず人間の本質であると言えます!
遊びを通して得られる効果は?
知識と遊びを結び付けることで、心身の発達に良い影響を与えます。
こうした遊びは体験として蓄積されていきますが、どんな効果があるのか?3つの項目で紹介します。
脳や体を発達させる
遊ぶことは心身の発達に大きな影響があります。
鬼ごっこなどの体を動かす遊びであれば、走ることで体力の向上、体を機敏に動かす力、瞬発力、判断力などを鍛えていくことができます。
さらにルールを守って遊びを楽しむことで社会性を身につけ、コミュニケーション能力を高めていくことも期待できます
ただ体を使うだけの遊びに見えても、子どもの脳はさまざまなことを吸収します。
独創性や柔軟性を育む
子どもの遊びは、独創性や柔軟性を育てることにもよい影響を与えます。
子どもはときに大人が考えつかないような突飛な発想をしますが、これは子どもの脳が柔軟で創造性に溢れているからです。
創造性や柔軟性を養うためには、とにかく子どもに自由に遊ばせることが大切です。
最初から大人のまねばかりさせたり、ルールで厳しく縛りつけてしまうと独創性や柔軟性は育ちません。
独創性、創造性、柔軟性などは、大人になってから得ようと思って得られるものではありません。
子どもの時から、さまざまな遊びをして、さまざまなものに触れて、さまざまな考え方をすることで、大人になってもこれらの力を発揮することができます。
自発的な心を育む
子どもはたくさん遊ぶことで自発性を育むことができます。
遊びと似た言葉に「娯楽」がありますが、遊びと娯楽は自発性があるかどうかという点で変わってきます。
遊びは日常的なものであり、その知識や感性は蓄積されていきます。
一方で娯楽(ゲームやYouTubeなど)は非日常的なものであり、そこで得たものは蓄積されるのではなく消費されていきます。
遊びは、子どもの「やってみたい」「遊んでみたい」という気持ちから始まる自発的なものです。
一方で娯楽は、受動的なものであるという違いもあります。
遊びと娯楽を一緒に考えてしまい、娯楽であるテレビや電気仕掛けのおもちゃばかりを与えていると、子どもの自発性を育てることができず、与えられるものを受け入れるだけの人間になってしまいます。
娯楽もときには大切ですが、基本的には子どもの自発性を大切にした遊びを重視するようにしてください。
心身の発達に必要な遊びとは?
心身の発達にはさまざまな遊びが役立ちますが、そのなかでもどのような遊びをすればより能力を引き出すことができるのでしょうか。子どもの心身の発達に役立つ遊びをご紹介いたします。
ごっこ遊び【柔軟性・創造性】
ごっこ遊びは、カードゲームやスポーツなどのように難しいルールを覚える必要がありません。
ごっこ遊びに使うアイテムが少なければ少ないほど、シンプルであればシンプルであるほど、より自由な発想で遊ぶことができます。
少なくシンプルなアイテムのなかで、子どもは独自のルールや楽しみ方を見つけて、脳を発達させていきます。
また、ごっこ遊びをすることでコミュニケーション能力を養うこともできます。
集団におけるルールや、自分に与えられた役割を理解することで、ほかの子どもとも上手く遊べるようになっていきます。
簡単なスポーツ【集団行動・協調性】
鬼ごっこやサッカーなどのスポーツは、子どもの身体能力を鍛えることができるだけでなく、社会性を育てることもできます。
ルールを守ることの大切さ、集団行動、コミュニケーション能力などの社会性が身につきます。
これは生きていくうえで非常に大切なことです。
スポーツは、言葉にしなくても伝わる最強のコミュ力向上のツールです!
外遊び【社会性】
プレステ5、ニンテンドーDSやWiiなどが娯楽の定番となってますが、子どもの脳を発達させるためには、やはり外遊びが大切です。
外で遊ぶことで、子どもは生きていく方法を学びます。
自然に触れることで触覚や視覚、聴覚などを刺激し、好奇心、想像力などを膨らませることができ、遊具を使ったり自然のなかを駆け回ることで体力、身体能力を高めることができます。
さらに、外で遊ぶことにより、周囲の大人や同年代の子どもと接する機会が増え、コミュニケーション能力、社会性を養っていきます。
おわりに
遊びは、子どもの心身を育てるためには欠かせない行為です。
子どもは遊びから社会性や柔軟性、コミュニケーション能力などさまざまなことを学び、人間としての成長を遂げます。何気ない遊びでも子どもは大人の想像以上に多くのことを感じ、学んでいます。
子どもが遊びたがっているときは大人も積極的に遊びに参加するようにしましょう。
この遊びはどんな能力を引き出すのか、何の役に立つのかを考えながら遊び相手になることで、遊びを療育として役立てることができます!
また、障がいの有無に関係なく、皆様の子育ての参考になれば幸いです(^^♪