自閉症のお子さんで「自分はこうするつもりだったのに…」と頭では思い描いていたものの、思い通りに行かないということは多々あります。
私たちであれば、予定通りに行かなくても、事情を考え「まぁ仕方ないか!」や、相手の事情等を考えることで、納得したりやり過ごしたり、気持ちが他に移ることで対処ができることもあると思います。
予定通りにいかない場面というのは生活において多く存在します。
そういった場面において、自閉症のお子さまで顕著に見られる特徴として、イライラが募り暴言を吐く、パニックや癇癪を起こすなどの行動が見られることがあります。
しかし、この行動というのは、たった1つのことをしておくだけで『予防』ができるのです。
目次
上手くいかなかった時の具体例
予定通りにいかなかったこととして具体的に言うとどんな時か?
- 相手がルールを守らなかったとき
- 嫌いなものが見えてしまったとき
- 自分の意見とは違う行動をされたとき
- 嫌いな音が聞こえてきたとき
- 自分が欲しいものが売り切れていたとき
- 待ち合わせ時間が過ぎたとき
- 自分の意見とは違う行動をされたとき
- 話しかけても無視されたとき
- 正解だと思っていたことが間違っていたと気づいたとき
思いつくところで挙げましたが、これ以外にも様々な場合があります。
このような時をやり過ごせず、イライラしたり、相手に対して暴言を吐いたり、一時的なパニック状態のようなことになる自閉症の子どもの場合、どうすればよいのか?次で解説します。
上手くいかなかった時の対処法
ここで効果的且つ有効的な方法はこれです!
要するに「予定通りでなかったことが起きたら、〇〇をする」というように、本人と話し合ってすることを事前に決めることです。例えば…
Q.問 題
いつも行っているスーパーマーケットで、いつも買っているお菓子が売り切れていたら?
A.対 処
別のスーパーマーケットに行ったり、別の代替えになるお菓子を買う。
Q.問 題
遊ぶ約束の時間に友達が来なかったら?
A.対 処
自販機でジュースを買って過ごしたり、持ち物の整理をする。
Q.問 題
自分の意見が通らなかったら?
A.対 処
一度その場をあとにしトイレに行く。
自分の思い通りではなかったときの対策を、事前に立てておくことが最も効果的な手段です。
その人を許すとか、我慢、やり過ごすと言うことのほうが、自閉症の子どもにとれば難しいかもしれません。
たったこれだけのことで、対処ができるようになります。
世の中は、自分が思ったようなことばかりではありません。
特に人との関係性では、相手の出方も分かりませんし、物やサービスであれば、それを販売する所の事情もあります。
何でも自分の思うとおりにならなければだめ!という感情になってしまうのは、それ以外の対処法がわからないからです。
自閉症の特徴として、白黒はっきりしたいタイプの人も多いので、思っていたようにならなければそれはもう大事件なのです。
何とか対処するとか、場に合わせることができにくい障がいであるため、問題が起きている状況であることに納得するには、その時の不安感を取り除くことなのです。
やることが決まっていることで、安心して取り組むことができますし、その不安だったことも、安心の中で受け止めることができるようになります。
そして、今後同じようなことがあった場合も、その対処をすれば安心が手に入れられると知ることで、落ち着いていく方向になります。
さいごに
いかがでしたか?
この対処法を行う最初は、場面によって状況が違った場合、シーンを分けるという意味で、その場一つ一つに対処方法を決めておくといいでしょう。
例えば、電車が遅れていたら〇〇をする。迎えの車が遅れてきたら〇〇をする、このような使い分けです。
もちろん、〇〇に入る部分は同じでも構いませんが、本人にわかりやすくするために、別々な提示が分かりやすいかもしれませんね。
そしてその〇〇は、一人でできることにしましょう。
段々にわかって来たら、「嫌なことが起きたらそれに代わることをする」など、法則だけで対処できるかもしれませんが、最初は丁寧にいきましょう!
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