療育手帳について詳しくご存じでしょうか?
ただ、療育施設(放課後等デイサービスや児童発達支援)に通所するための手帳だけではありません!
療育手帳とは知的障害児者に対して発行される手帳のことで、教育面から経済的な面まで、さまざまな支援を受けやすくすることを目的としています。
発達障害のお子さんを持つ親御さんの中にも、取得すべきか悩んでいる方は多いかと思います。
ぜひこの記事を参考にして、取得するメリットやその方法について知っていただき、有効活用していきましょう!
目次
療育手帳とは
療育手帳は、知的障害を伴う発達障害児者が、さまざまな支援やサービスを受けるために必要な手帳です。
本人またはその家族が申請し、都道府県知事や政令指定都市の市長から交付されます。
知的障害と認められる基準や具体的な制度の内容などは、各都道府県や各政令指定都市によって異なるため、事前に役所の障害福祉課などに確認することが必要です。
療育手帳の目的
知的障害を持つ人やその家族は、生活の中でさまざまな困難を感じることが多いかと思います。
こうした中でも教育面や金銭面での負担を少なくするために役立つのがこの手帳です。
必ず取得しなければならないものではありませんが、取得することでさまざまなメリットがあります。
療育手帳で受けられる支援
受けられる支援やサービスには、以下のようなものがあります。
- 所得税や住民税・自動車税・自動車取得税など、税金の控除や減免
- バスやタクシー・JR・地下鉄・飛行機・船など、交通機関の割引
- NHK受信料や携帯電話料金など、公共料金の割引や減免
- テーマパークや宿泊施設・映画料金など、レジャーの割引や減免
療育手帳の制度には、自治体によって違いがあります。
なぜなら、この制度は法律で定められたものではなく、自治体ごとに作られたものだからです。
療育手帳の呼び方も自治体によって異なります。
取得方法や受けられるサービスの内容も自治体ごとに違うため、事前に確認が必要です。
療育手帳の対象者
療育手帳は、知的障害によって日常生活に支障が生じている方に対して交付されます。
交付を受けるには、18歳未満は児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所などの判定機関での判定が必要です。
交付の判定基準
知的障害の判定には、知能指数と日常生活における能力などが総合的に参考にされます。
知能指数は知能検査によって出される数値であり、その数値によって軽度から最重度というように障害の程度が決定されます。
さらに、自治体指定の心理判定員や小児科医が日常動作を見た上で、判定を行います。
療育手帳を持つメリット
療育手帳があると保育や教育面で援助を受けることができます。
たとえば、保育園に入園するにあたり、優先順位が高くなるのです。
また、特別支援学校への入学を希望する場合も、療育手帳の写しを提出することで医師の診断書が不要になることがあります。
公共交通機関の割引や医療費の助成、公共料金の割引など、金銭面でのサービスを受けられるのもメリットです。
所得税や住民税・相続税の控除など、税制上の優遇措置も受けることができます。
就労の際にも、特定求職者雇用開発助成金や障害者トライアル奨励金、障害者雇用奨励金などの支給対象になります。
さらに、障害者雇用枠での就職が可能です。
療育手帳を持つデメリット
もしもあるとすると「手続きが面倒」「偏見を持たれる可能性」くらいです。
後者に不随していうと、本人自身知的障害を「恥ずかしい」と思う気持ちもあるかもしれません。
その他には、療育手帳を持っていて、マイナスになることは基本的にありません。
療育手帳を取得方法
市区町村の窓口で申請を行います。
その後、心理判定員や小児科医による面接や聞き取りが行われ、その結果に基づいて18歳未満は児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所で区分が決定されるという流れです。
申請には、療育手帳交付申請書と顔写真、印鑑が必要になります。申請書の書き方については各自治体のホームページで確認してください。
申請から療育手帳が手元に届くまでの期間はおよそ1~2か月です。
京都府の流れはこちらの流れになります。
参考にしてください。
まとめ
この記事では、療育手帳を取得することで受けられる支援や取得方法などについて見ていきました。
教育面や経済面においてさまざまな支援やサービスを受けることができるため、社会生活における困難を軽減できることが期待できます。
ぜひこの記事を参考にして、療育手帳の取得を検討してみてください。