自分の子供がダウン症かもしれないと思った時、また、関わりの近い方などが、実際にどのような病気なのか理解していないと不安になりますよね。
確実に言えることは、「ダウン症は普通に生活できる病気です。」
これから連載していくダウン症の記事を読んでいただければ、そのことがよくわかります。
今回の記事、ダウン症の理解③については「支援時のマインドとポイント」を解説していきます。
目次
ダウン症とは?
前回の、ダウン症の理解①「原因と遺伝的な関連性」で解説しましたが、さらっとおさらいします。
ダウン症とは、正式な名前がダウン症候群といわれ、21番の染色体異常によって引き起こされます。
運動機能や社会性など、全体的な発達の遅れや特徴的な外見、個人差がありますが軽度の知的障害がある場合があります。
支援時のマインド
私たち、放課後等デイサービスASTEPのダウン症の子への支援のマインドとして「お互いに仲良くなる」ことを職員に伝えています。
仲良くなると、こちらをの言っていることに反応してくれるということがあるからです。
今までの経験上、ルールややるべき事を優先してしまうと失敗する可能性が高くなるように思えます。
ダウン症の子は、そうでない子に比べて人生を楽しむ能力に長けています。
その事を理解した上で、仲良くなるためのマインドを以下で紹介していきます。
どれだけ常識外れに生きられるか
ダウン症の子にとっての常識とは、むしろ生きにくさを感じ、場合によっては常識が邪魔する時があります。
ダウン症の子は、そのことを天性的に分かっていることが多いんです。
豪華なお店や旅行、高級な車や腕時計を持つことが幸せ…これらは錯覚である意味、自己満足です。
そんなことよりも、自分だけの価値観、自分だけが良いと思ったことをすることが自分の幸せだと思います。
私たちが子どもの頃、おもちゃやぬいぐるみ、お祭りの景品など、肌身離さず持っていましたよね。
その頃に「一般的にどれほどの価値がある?」とは考えたことはないですよね。
その感覚が幸せになるコツです。常識を通さずに、自分の価値観で物事を見ている証拠です。
ダウン症の子どもたちはそれが完璧です!
彼らの特性で「頑固」と言われていることがありますが、視点を変えると「天才」なんです。
私たちが彼らから学ぶことはものすごく沢山あります。
常識をひとまず外すこと
幸せになるコツとしても言えることですが、ダウン症の子らと遊ぶときも常識の正しさは捨てる覚悟で臨んでいます。
常識よりも、人間関係の深さが全てだと思っています。
仲が深まった段階で、子どもと対等の立場でお願いするんです。
お願いとは、自分の気持ちを言うということ。
仲が深まれば深まるほど意見を聞き入れてくれます。
指導ではなくお願いのスタンス
教育熱心なお母さんや先生は、常識を教えがちです。(それが仕事なんですが…)
本質と外れたことを教えるので、本質を知るダウン症の子とは話が合いません。
大事なことは、お願いのスタンスで対等の立場で教える(意見を言う)ことです。
理解してもらいたいポイント
本来、子どもは、身のまわりのことを見たり聞いたり触ったり、さまざまな刺激を受けながら成長していきます。
それに比べ、ダウン症の赤ちゃんの発達はゆっくりです。
しかし、基本的には健常の子どもと同じ道筋で育っていきます。
手がかからないと安心していたら、育ちにくいのがダウン症の子どもたちだと思います。
それぞれの子どもの発達段階を知り、丁寧な関わりをもって手助けができれば、必ず発達が促すことができます。
ダウン症の場合、出生後、早期に診断がなされるため、早くから療育に取り組むことが出来ます。
こどもの成長と発達を望むのであれば、親は早い時期からダウン症に対する理解を深め子どもを支援していくことが必要です。
そうすることで、「認知」「運動」「言語」などがその子この子のペースで確実に伸びてきます。
療育現場だけではなく、家庭での関わり方が重要になってくるので、連携を密にして支援ができるようご参考になればと思います。