2020年、中国の武漢から瞬く間に世界へ蔓延していった新型コロナウイルス
日本でも大都市を中心として日常生活や働き方、子どもたちにとっては学校についても一変しました。
新型コロナウイルスにより、人と人との接触の機会を減少させる取り組みが行われている中、働き方については「テレワーク」が進み、この1年で定着していきました。
そんな未曾有の疫災と言える新型コロナウイルスの渦中ですが、障がい者雇用や活躍の場が増えるのではないか!と、考えています。
今回は、コロナ禍によって、障がい者にとって活躍の場が広がるチャンスと言える理由をお伝えしていきたいと思います。
目次
これからの障がい者の働き方
厚生労働省が定める障害者雇用率制度によって、強制力をもって雇用してきました。
法令があるから仕方なく雇用する…厳しいようですが、それが社会のトレンドでした。
しかし、コロナ禍となった現在、テレワーク制度のない企業が、障害者雇用のためにテレワークを導入するケースが増えてきています。
首都圏ではすでに導入され始めています。
障がい者が自身が、スキルを身につけ、そのスキルにマッチする企業が多く出てくることが予想できます。
しかし、1つ覚えておいてもらいたい点は、テレワークは、はたらく機会を広く創出する手段で、高い専門性を持つ人材の発掘や、特定の障害者のみを採用するためのものではないことです。
障がい者にとってテレワークとなるメリット
- 通勤時間がない…時間の拘束がない
- 地方から首都圏への就労が可能…就労のチャンスが増える
- 社内ではなく自宅で仕事ができる…仕事の効率化
- 会社での人間関係がない…ストレスの軽減
ざっとメリットだけを挙げましたが、これらのメリットは障がい者にとって恩恵が多いことが分かります。
これらのテレワークのメリットが発達障害者や、知的障がい者や身体障がい者にとってメリットになる点をについて、詳しくご紹介します。
人間関係の煩わしさから解放
発達障がい者(自閉症・ADHD・学習障害)にとって最大のメリットはなんといって会社内にある不要な人間関係や付き合いに巻き込まれる心配がないということ。
無意味なお付き合いやしがらみは会社で仕事をする上で最大のストレスと言っても過言ではありません。
場合によっては、その人間関係や付き合いというのは、組織での一体感や連帯感を生みだし、生産性の向上にに繋がることもあります。
しかし、そういった社風は発達障がい者にとって頭を悩ます壁となっています。
社風に馴染むことが難しい発達障がい者が、言葉や態度で責められることがなくなり、そのストレスから解放されるのです。
今後、障がい者にとって必要となる能力
会社内におけるコミュニケーションのしがらみから解放される…とは言っても、テレワークで1人で仕事をしていますが、組織の一員ということには変わりありません。
企業によっては、オンラインでの会議や、定期的に出勤した際に業務の進捗を直接上司の報告する場面というのは必ずやってきます。
これから必要となる能力は、やはりコミュニケーション能力なんです。
会社というのは、仕事そのものよりも、共感・助け合える人が重宝される風潮にあります。
仕事におけるタスクをこなせる人間よりも、会社にシンクロできる人間を会社は欲しがるわけです。
テレワークとなり会社の圧力から解放されると言っても、最低限の話す力・伝える力・共感する力は身につけてもらいたいですね。
障がい者にとって働くために必要なスキル
通勤の煩わしさもなく、不要な人間関係に悩まされることのないテレワークは、あらゆる障がい者にとってメリットです。
そしてこの傾向は今後、急速に加速していくことが予想されます。
社会情勢が急速に変化する中、障がい者が働くために必須のスキルがあります。
それはパソコンスキルです。
テレワークはパソコンが使いこなせるというのが最低条件となってきます。
- ワードやエクセルなどのスキル
- プログラミングスキル
- インターネット情報検索・活用術
- SNSの知識とスキル
これらのスキルは必須となってきます。
プログラミングが必要なエンジニアのような仕事もあれば、データをExcelに張り付けて格納するという事務的なルーティンワークをする仕事も数多くあります。
学校の勉強できなくてもこれらのスキルがあれば、これからの世の中生きていける…今はそんな時代です。
テレワークの業務で必要なこと
上記のスキルを持ったうえで、翻訳やプログラミングを任そうという試みが行われています。
しかし、「テレワークだから、一人で粛々とする仕事だ」という考え方をするのはあまり良くありません。
また、テレワークだからこそコミュニケーション力が必須能力であると話しました。
仕事におけるコミュニケーションで一番大事なことは、報連相(報告・連絡・相談)です。
テレワークの場合は会社勤務とは異なり、相手が近くにいないので、連携することが非常に重要となってきます。
コミュニケーションが苦手だからテレワークの仕事がしたいという方がいますが、テレワークだからといってNOTコミュニケーションになるのではありません。
コミュニケーションと言っても対象は幅広く、雑談や初対面の人と打ち解ける能力も含みます。
テレワークで仕事をする上で、雑談する能力は必ずしも必要ではありませんが、自ら報連相を行う能力はオフィス勤務以上に求められます。
まとめ
この記事のまとめとして…
- 身につけたスキルにマッチする企業が今後多く出てくる
- テレワークは障がい者にとって恩恵が多い
- これから必要となる能力は、スキルとコミュニケーション能力
- その中でも、自ら報連相を行う能力が重要
障がいと上手く付き合いながら、社会自立を目指す方たち(子どもたち)に今後必要なことを紹介させてもらいました。
早い段階で、療育(特にSSTやコミュニケーションに力を入れている施設)に通うことも手段の一つですね。
また、スキルを身につける点においては、障がい者に限らずパソコン操作は必須であると言えます。
この記事が、コロナ禍の厳しい時代に、チャンスを見出して就労の資となっていただければ幸いです。