放課後等デイサービスASTEPの管理者・児童発達支援管理責任者として勤務しています。効果的な療育を実践するために、最前線で子どもたちの前に立ち、その効果を評価・修正を繰り返しながら子ども達の支援を行っています。
普段のブログでは堅苦しい言葉で表現をしていますが、今回はラフな感じで、思ったことを直感で書いていこうと思います。
ふと思ったことをこうしてブログに綴ることで、考えも整理され、自身の思考を深めるための良いツールとなっています。
今回のテーマは『手のかかる子ども』への適切な支援について!
いわゆる、多動性のある子や、他害の恐れがある子どもへの適切な支援ということで、現状から結論へと分かりやすく解説しながら、私見を含めて直感で書いていこうと思います!
目次
『手のかかる子ども』への支援の現状
多動のある子や、発達障がいをもつ小学校低学年(特性にもよりますが…)を支援している事業所では、バタバタと走り回り、少し目を離すとトラブルに発展しているなど…あるあるだと思います。
でも、これを「利用者の問題」として、解決している事業所があります。(繋がりのある他事業所の様子をふらっと見に行くことがあります。)
指導員が、一定の位置にいることはほぼなく、ひとりの子どもに支援をしようとしている間に、手のかかるこどもに振り回されている…そんなイメージです。
特に、動きがある子どもを中心とした施設であれば、その動きが顕著に表れる感じがします。
指導員も、何でもかんでもマンツーマンでやれるわけではなく、個別で対応をすることで支援をしていると思い込みます。
結果、動きの少ない子どもや手がかからない子どもは、支援が後回しになり、放っておかれるという現状…
テレビを見させてゲームをさせて過ごしていれば、落ち着くのでしょうけど、そんなことは支援にもなっていないので言語道断(実際にたくさんあります)
どうしてこういうことが起こるのかというと、事業所や指導員が「手がかかる子がいるから」という思い込みを持っているからなのです!
適切な支援を行えば手はかからない!
ここで、手がかかるという子の特徴を考えていきます。
- 動きが大きく他児を威嚇する。
- ドアから外へ出ていく。
- 遊んでいる物を勝手にぶん取る。
- 自傷・他傷がある。
実際にASTEPでも該当する子がいますし、ある一定の子どもに対してはマンツーマンでの支援をしている場面もあります。
でも、なぜマンツーマンの支援をしているのか?手がかかる子だから…というのはどんなことなのか?ふと考えてみました。
手のかかる子というのは、常にその行動に目を向けていないと、周りの子どもが何かしらの被害に遭う、迷惑をかけるイメージでしょうか?
そう、「悪いこと」をするイメージを持ってしまっているんです。
ではなぜ、事業所や指導員が考える「悪いこと」をする行動に至っているのか…
そもそも「悪いこと」をすると考えがちですが、適切な支援を受ければ「悪いこと」にはいかないことを知っていますか?
「悪いこと」とされている行動は、ヘルプ(SOS)の表れであることが多いのです。
これら「悪いこと」の行動は、適切な支援をしてもらっていないことが原因で起きているということを理解してもらいたいです。
裏を返すと、適切な支援を受けていれば、決して「悪いこと」にはいきません!
『手のかかる子ども』への適切な支援
では、『手のかかる子ども』への正しい支援について考えていきたいと思います。
その子どもに対しての適切な支援とは、どういうものなのか…
これらの現状を考えると、手のかかるの子どもの多くは、ただ「暇」なのです。
活動を提供しているとしても、その活動に参加しにくかったり、嫌いだった場合、その子どもにとっては暇になりますよね。
でも、多くの事業所や指導員は「集団療育」という盾を持ち出し、ひとりのためにはできないと結論付ける場合が多くあります。
それによって、嫌な活動を押し付けられた子どもは、自傷や他傷、他害などで、お友達との人間関係の不具合に発展する…ということを支援者たるものは理解しなければなりません。
では、どうすればいいのか?答えはシンプルです。
指導員がついていれば、その子の行動を止めることができますし、他害などに繋がらないために安心ですし、ひとりでいると、その後、何が起きるかがわからないため、指導員としても不安になり、一緒にいる時間が多くなります。
一緒にいることで、他害などをさせないようにしていると思いがちですが、実は、パニックは人と一緒にいる時ほど起きやすいもの。
指導員の心理としては、その子についていることでパニックにさせ、それを止めているから、自分はついていなければならないと思い込んでいる状態になっています。
これではいけません。なぜなら「何もせず、ついているだけ」でも、表情などからもパニックになりますから。
何より、ひとりで安心してできる活動がないのであれば、それも支援者側の問題です。
私たち支援者がするべきことは、彼らが「自立するための支援」です。
混乱をさせるための支援ではありませんし、常に指導員と一緒にいることも支援ではありません。
さいごに
まずは、ひとつでいいです。短時間でもいいので一人でできることを見つけましょう!
そういった、小さな自立活動を模索し少しずつでも成果を出すことで、指導員はその子どもから離れることができます。
そして、離れられれば、パニックを減らすことができます。
パニックが減れば、他害していた子は安定していきます。
安定すれば、また一つ、別の新たな活動も提供できます。
こうした考え方を理解していると、決して指導員がついていれば良い!という考え方にはなりません。
人(指導員)といることで、問題行動になりやすくなる、そうであれば自分でできることを増やすことが必要な支援というものではないでしょうか。
その子どもの気持ちも知らずに、手がかかると思い込んでしまうことは、全ての利用者の支援にも影響が出てくるほどの間違いです。
手がかかると思われている子の自立やニーズに焦点を当て、あなた(大人・指導員)が何をするべきなのかをもう一度考えてみてください。
ひとりで活動ができる時間を増やすことから始めていきましょう。
お問い合わせはこちら