こんにちわ!こんばんわ!
療育のフィードバックは、ご利用保護者様に向けて執筆していましたが、非常に多くの方が見てくれています。
大変ありがたいですね!ASTEPの取り組みを内外に発信することで、「療育」というものに関心を持っていただき、障がいと上手く付き合う子どもたちへの理解に少しでも貢献できればと思っています。
療育というのは「質」だと思っています。
すごく魅力的な取り組みであったとしても、質がともなってなくては、台無しになってしまいます。
では、何の質を上げればいいのか?
それは「子どもの観察」「プログラム」「マインド」です。
ASTEPでのフィードバックには、この3点について多く書かれているのはお気づきでしょうか?
それぞれの質を上げるために、出来る限りの手段を講じています。
特に、子どもの観察という点については、ASTEPで過ごす時間だけで答えを導き出すのは、やはり時間が足りません。
ご利用保護者様にはご家庭での様子をこと細かにお教えいただいており、本当に助けられています。
こういった、子どもたちの裏側(家庭や学校)の状況や、成育歴を知るコトは、支援の計画を見立てていくために非常に大事なことだと思っています。
もっと時間があったらいいのに…もっと関われる日が多ければいいのに…こういった思いを抱きつつ、限られた日数・時間で、今するべき適切な支援を行っています。
私たちで出来ることは残念ながら限られています。
今後も引き続きご家庭との連携とご協力をお願いすることとなりますが、お子さまが”より良く生きる、より強く生きる”を実現するために、何卒ご理解をいただきますよう宜しくお願い致します。
またまた前置きが長くなりましたが、5月5週の療育をピックアップしてフィードバックしていきますね!
目次
25日(火):お魚釣りサーキット
かなり盛り上がりました!(職員も含めて!)
第一に楽しいと思えることが一番ですよね。
活動において一人ひとりの到達目標を決めていますが、全員がまとまり、想像以上の成果がありました。
ピックアップしてご紹介します。
自発的に行動できた
言っていることは概ね理解できている。しかし行動に移すことが厳しい…そのような子がいます。
しかし、ある工夫をしたことで、取り組みを通して参加することができました!
サーキットは往復で行いますが、片道は職員と手を繋ぎながら魚を選んで釣りあげました。
その後、釣り上げた魚を持ちながら復路に向かうその時…職員がスゥ~とフェードアウトしました。
釣り竿を持ちながら、バランスをとり、平均台を器用に歩けています!(療育室は子ども大人含め大歓声!!)
ゴールにたどり着き、釣った魚を池(箱の中)に入れることも、指示を聞きやり切ることができました。
私たちが思っている以上に、子どもはできることが多くあります。
できた事を褒められて嬉しかったのでしょうか。その後も何度もチャレンジし、最後まで取り組みに参加することができました。
ひと工夫(今回であれば往路は一緒に、復路はスッと消え、見守る)で成果が見込めることが多々あります。
そういった工夫したアプローチが子どもに効果的になってきますね!
悔しい気持ち
自分のチームが負けてしまい悔しがるひとりの子どもがいました。
涙を浮かべ「もうやらない!」と言ってしまいました。
これ自体は感受性が育っている証拠で、特に問題はありません。
また、ゲームで負けて泣くのは、当然ながら勝ちにこだわる負けん気の強い子です。
勝ちたい気持ちが強くて、負けた時に自分の感情をコントロールできていないんですね。
こういった時に必要なマインドは、その子の気持ち絶対に否定をしないこと、そして共感することです。
しかし負けたことを理由に次にチャレンジしない行動については、何とかしたいところですよね。
いったん気持ちを整理して、職員がそばに付き共感しながら
「次は自分で作ったお魚を狙ってみる?」
自分の作ったお魚をお気に入りなのを知っていたので、そう言うと、不機嫌ながらもまた参加してくれました。
結果、勝つことができて、泣いていたことはもう忘れてしまってます!
大人が発する言葉は子どもにとって大きな影響力があります。
この子どもに関しては、朝の打ち合わせの段階から予想していましたので、実は対処法を考えていました。
一言一言に気を張り巡らせてアプローチすることは本当に大事なことだと改めて気づかされました。
26日(水):公園遊び(転がしドッジ)
この日は見学者様のお子さまも交えて、転がしドッジをしました。
目的であるルールの理解について、単純に「ボールから逃げる」「投げずに転がす」この2点です。
やはり最初の段階では転がしたボールをキャッチしたり、投げて当ててしまったり…
1セットが終わり、気になる子に個別にもう一度ルールをインプットします。
2セット目はゲームとして成立し、汗をかきながら楽しくプレーできました。
成果についてピックアップしてご紹介します。
ボールが苦手な子どもへのアプローチ
この日までに、ボールへの恐怖心を拭うために、そのための取り組み(風船バレー)を行ってきました。
療育の合間を見て、ボール遊び(転がしたり、至近距離でのキャッチボールなど)を何度も行ってきました。
その成果として、集団でのボール遊びに臨んだわけですが、しっかりその効果が見られています。
ボールから逃げる表情を見ていると、怖がる表情はなく、キャッキャッと言って楽しそうな表情をしています。
ゲーム中は特に何のアプローチもなく終始楽しんで参加できました。
『段取り八分仕事二分』とはまさにこのことですね!
療育においても準備は8割です。恐怖心に打ち勝った子どもの気持ちを褒めてあげたいです!
取り組みを積み重ねてきて、1つの成果を出せたと思っています。
27日(木):食育活動(わらび餅作り)
共食の喜びということで、仲間との会話を楽しみながら食べることは、コロナ禍であるため厳しい部分がありますが、みんなで机を囲んで、自作したわらび餅を食べることができました。
ほとんどの子どもがおかわり(中には3杯以上食べた子も)して大好評の取り組みとなりました!
ここでのエピソードをご紹介したいと思います。
なぜわらび餅なのか?
アレルギーをお持ちの方も多くいらっしゃるかと思います。
アレルギーの関係で、食べられるものが限られる子がいます。
そういった特性を考え、利用する曜日に食育活動することをあまり考えてきませんでした。(本当に申し訳ございません。)
でも、あるスタッフの一言で「子どものチャンスを摘み取っているのでは?」と指摘されました。
どんな子どもでも平等な療育を受ける権利はあり、それを事業所の都合で奪ってはいけない…と考えさせられました。
特定の食材を使用せずとも作れるおやつ…それがわらび餅でした。
子どもにとってはASTEPでの初めての食育活動!目を見るといつも以上に輝いて見えます!
粉と水の配分から始まり、鍋に入れかき混ぜる作業、冷やして餅を抽出する作業など、全行程を体験することができました。
「また作りたいな!」と言ってくれたのが何よりの成果です、
今後は、できる食材でメニューを考え、食育活動に積極的に取り組んでいきますね。
食育活動に興味を示す子ども
公園遊び、室内での運動や個別の療育…なかなか興味を引くことができずにいる子どもがいます。
しかし、食育活動だけは目を輝かせて自分で寄ってきてくれる子がいます。
他の活動にも参加してくれるための、通ずるヒントはないのか?徹底的に観察しました。
ひとつのヒントとして「やらせる」のではなく「一緒に同じことをやる」こと
職員が、製作をこうやってああやってとやるのではなく、職員も同じ工程を揃ってすることで、興味を持ち参加に繋がるのでは?と仮説をたてました。
この仮説に対するアプローチの成果については、フィードバックの機会でまた書かせてもらいますね!
まとめ
毎週フィードバックを書かせてもらっていますが、毎回思うことは
その理由は、子どもたち一人ひとりを、よく観察していることもありますが、何より子どもの成長力の高さなんですよね。
少しでも気を緩ませてしますと、たちまち子どもたちに置いていかれます。
私たちは、子どもの後ろを歩いていてはいけませんが、前を歩くこともないと思っています。
子どもたちの横に立ち、一緒に歩きながら、時には立ち止まって考え悩み、次の一歩を踏み出す時を共にすること。
私たちも、子どもたちとともに成長していきます!
来週の予定、キャリア療育のアジェンダ【Vol.7】は、以下からご確認ください!
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