こんにちわ、こんばんわ!
今回は、SST(ソーシャルスキルトレーニング)で挨拶についてグループワークを実践しました。
絵カードを使って、読み取れる情報から適切な挨拶をグループリーダーの主導で考えるという内容で行いました。
ASTEPでは個別療育若しくは集団療育において、LST、SSTを定期的に実践しています。
人と関わる上で最初のステップである挨拶ですが、コミュニケーションの基本でありますが、本当に奥が深いんですよね。
子どもたちに対してイメージが持てるよう噛み砕きながら進めていきながら良い成果を残すことができましたので、本記事に評価をしていきたいと思います。
目次
挨拶とは?
挨拶には、いろいろなものがあります。朝はおはよう、昼はこんにちは、夜はこんばんわ。
ご飯を食べる時には、いただきます等々…数えきれないほどの種類があり、TPOで使い分ける必要があります。
そして、挨拶をすることで「親しみを感じてもらう」「良好な関係を持続させる」という大きな意味合いを持ちます。
挨拶の重要性について、次で詳しく説明していきます。
挨拶の重要性
普段の生活でも挨拶を返してもらえない方(大人)たまにいらっしゃいます。そういう方に抱く気持ちというのは…もうお分かりですよね。
挨拶ができる人間になった方が絶対いいし、ASTEPに来ている子どもたちにも挨拶を当たり前にできる人間になってほしい!
ん?でも…なんで挨拶が大事なんだろう?
当たり前のこと過ぎて、その重要性について疑問符が付く方もいらっしゃるかと思います。
当たり前のことだから。社会人としてできなきゃ恥ずかしいでしょ。とにかくあいさつはできなきゃしなきゃだめ!
これじゃあ理由になっていませんし、当たり前が先行しすぎていて説明になっていませんよね。
挨拶が重要なのであれば「なぜ?」という本質を教える側は理解をしておかなくてはいけません。
ここでは挨拶の重要性について3つご紹介していきます。
挨拶は自分の心を開くこと
挨拶の漢字を紐解くと、挨(あい)は「押す」、拶(さつ)は「迫る」。漢字だけの意味合いだと「押し合う」という意味になります。
「挨拶」と「押し合う」というと、なんだか友好と敵対といった、相反するような印象ですが、これは元々、仏教の禅宗で使用されていた「一挨一拶」(いちあいいっさつ)という禅語が、日常語の「挨拶」になったことが一説としてあります。
「一挨一拶」は、ひとつ押しひとつ迫る、心を開いて接するというような意味合いを持ちます。
ちょっと難しい言い回しですが、噛み砕くと「わたしはあなたに心を開くよ」ということです。
挨拶は自分の存在を示すこと
挨拶は相手がいて初めて成立するコミュニケーションです。
相手に対し声をかけることで、「自分は今ここにいるよ!」と示すことができ、それを相手も認識をしてくれます。
また、温かみのある挨拶を交わすことで、「あなたと同じ時間、同じ場所で過ごす大切な関係です」という情愛溢れる感情をお互いに抱きます。
挨拶は、互いの存在を示し、信頼関係を築いていく大切な一瞬なのです。
挨拶とは相手の反応を推し量ること
SSTでは、まだこの意味合いを持たせたプログラムは行えていませんが、「相手の反応を見る」というものです。
先ほど、挨拶を返してもらえない方(大人)たまにいらっしゃると言いましたが、元気よく挨拶を返す人もいれば、愛想なく言う人もいたり、稀に無視する人もいます。
これらはすべて、こちらの働きかけに対して何かしらの反応をしている、ということになります。
挨拶というのは、人と人とが関係をつくっていくときに、相手がいまどのような状態であるかということを知るためにとても大切なものです。
SST(挨拶)の実践
今ご紹介した挨拶の意味を子どもたちにもわかりやすく理解ができる言葉を選びながら説明し、絵カードに書かれている情報を読み取りながら適切な言葉(挨拶)を記入していくという内容で実践しました。
グループワークとして実践をしたので、グループリーダーを核心としながら、数ある絵カードの問題に挑みました。
2グループに分け、後に発表するので、子どもたちも真剣に取り組んでいます。
思考過程の中で、「おはよう!と元気に挨拶されたらどんな気持ち?」「無視されたらどんな気持ち?どうする?」など、感情や行動にも着目をして読み解いていきました。
子どもたちの柔軟な発想で思いもよらない答えが返ってきて、大いに笑い合いながら発表に臨むことができました。
SST(挨拶)の評価
- 各グループ、リーダーが主体となり、みんなの意見を聞き、その意見をまとめながら全ての絵カードに記入ができています。
- 職員が進めるのではなく、リーダーがグループの子どもたちに対し、「これはどんな気持ち?」と、子ども主体で進められています。
- 何より評価できる点としては、「良い批判」です。
自分とは違う意見を、「絶対〇〇だから!」「それ間違ってるよ!」などの全批判ではなく、「え!それは〇〇じゃない?」「〇〇がいいと思うけどなー」など場の空気を考えた発言ができています。 - 他者の意見を受け入れる場面もあり、まるで大人の会議を見ているかの様子で進行しています。
- ある子どもに「どんな気持ち?」と質問すると「うれしい!」と答えられています。
絵カードの意味とは違う感情の答えではありましたが、「どんな気持ち?」という感情の質問に対して「うれしい!」という感情での答えが返ってきたことに対して、会話が成立していています。 - 集中力が切れ、場から離れてボール遊びをしてしまう子が数人いましたが、少しの間自由に遊ばせて、「そろそろやろうよ!」と声掛けをすると、自身で折り合いをつけて、場に復帰できています。
目の前にある楽しいことから切り替えることは、なかなかできない行動なので、目いっぱい褒めるとそのまま終わりまで参加してくれています。 - 反省すべき点では、進行が速すぎでついていけていない子どもに気づけていないということがあります。
1つの絵カードに対し、リーダーは話をふってあげないといけませんが、早く終わらせたい気持ちが先行してしまい、急ぎ足になって意見が言えない子が出てしまいました。
適宜、職員が介入して、意見を促しましたが、場の状況判断や状況把握についてもリーダーに必要な要素なので、ゆっくり教えていきたいです。
随所で、グループワークの醍醐味を十分に感じさせてくれましたね!
大いに成長を感じることができました。
まとめ
世の中には「大切なこと」と教えられてきたことは、本当に大切なことが多いと思いますが、その意味をしっかり納得して取り組めば、より一層素晴らしい結果が生まれるものだと伝えました。
周りの人とつながりながらより良く生きていく魔法の言葉です。
相手から返ってこなくてもいいんです。恥ずかしがる必要なんてない。とても素晴らしいことをしているんですから。そう子どもたちには伝えています。
子どもたちに対しては、説明をして納得させようとしたり強引に刷り込もうとするのではなく、まずは私たち職員がその姿勢を見せることで、挨拶の大切さを自然に伝えていこうと思います。