障がいのある子どもたちと話すとき、私たち支援者は、どうしても言葉だけで伝えようとしがちです。
支援員へ話をするときも【伝わってこその言葉】と思いながら話をしていますが、支援の現場でも当てはまることだと思います。
その言葉が本当に子どもたちに伝わっているのか?もしかすると考えたことがない人も多いかもしれません。
障がいのある子ども、特に知的障がいのある子どもは、理解すること自体が難しい場合もありますし、たくさんの情報を一度に処理するのも苦手なことが多いです。
「わかった?」と聞くと「わかった」と返事をしてくれることもありますが、それは支援者に良い印象を与えようとしているだけで、本当にわかっているわけではないことも多いです。
こうした状況で、支援者が相手が理解していると誤解して物事を進めてしまうことがあります。
目次
視覚的サポートの活用
支援者としては、絵カードや文字、写真、インターネット上の情報や動画などを使えば、彼らの理解度をもっと深めることができるのに、それを活用しないのは非常にもったいないです。
例えば、毎日の活動スケジュールを絵や写真で示したり、具体的な手順をイラストや動画で説明するなど、視覚的に伝えることをできることから取り入れてみてはいかがでしょうか。
活動の説明
トランポリンを使う前に、その手順を一つ一つ絵カードで示して、「まずトランポリンに乗ります。次に軽くジャンプします。」といった具合に視覚的に伝えます。
日常のサポート
朝の支度を絵で描いたスケジュールボードを使って、歯磨きや着替えの順序を視覚的に教えます。例えば、朝のルーティンをイラストで描いたカードを用意し、「まず顔を洗おうね」「次は服を着替えようね」と順番に確認できるようにします。
社会スキルの練習
スーパーに行く前に買い物リストを写真で用意し、子どもが自分で探すことができるようにします。また、実際に店内でどのように商品を選ぶか、事前に写真や動画で見せておくと、実際の場面でも理解が深まります。
感情の理解と表現
感情カードを使って、子どもが自分の気持ちを表現できるようにします。例えば、「今どんな気持ち?」と聞きながらカードを見せ、「悲しい時はこの顔だよね」といったように感情を視覚化することで、彼らが自分の感情を理解しやすくします。
支援者の工夫が鍵
支援者としての基本は、できる限りの工夫を取り入れることです。
例えば、紙に書きながら話すことで、情報を整理しやすくしたり、後で見返すときに役立てることもできます。毎日の活動やコミュニケーションにおいて、言葉以外の方法も積極的に取り入れてみるといいですね。
実際の活動でのアプローチ
- 授業や活動中の板書と教科書:学校の授業では先生の話だけでなく、板書や教科書もあります。私たちもこれを応用し、活動内容を簡単な絵やイラストで示すことができます。例えば、「次に何をするか」をイラストで示すことで、理解を促します。
- 対話を通じた確認:支援者が「今どんな状況かわかる?」と聞いたとき、「うん、わかる」と答えたとしても、具体的に「何がわかるか」を引き出すために、さらに質問をしてみるのも良いです。「トランポリンで何をするか教えて」と聞くと、子どもたちが自分の言葉で説明する練習にもなります。
さいごに
こうした取り組みには時間がかかるかもしれませんが、努力を続けることで、彼らは自分の言葉でより具体的に要求を伝えられるようになります。
支援者がすべてをやってしまうことが支援ではありません。
支援者が少しの工夫を加えることで、彼らの自立を促し、理解度を深めることができるのです。
支援の現場でぜひ、これらの視点を取り入れていきましょう!
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