障がいを持つお子さんの支援を行う際に直面するのは、彼らが大きな目標を目の前にしたときに感じる不安や無理だと思ってしまう感情です。支援者として、私たちはその不安を和らげ、彼らが「できる」と感じられるような環境を整えることは、日々のミッションです。
このブログでは、大きな目標を達成するために効果的なアプローチである「小さなステップ」の積み重ねについてお話しします。私たちASTEPの活動の中で、お子さんたちがどのようにして自信をつけ、大きな成果を手に入れることができるか、その過程と方法を例を交えて紹介します。
皆さんと一緒に、お子さんたちの成長を見守り、彼らが自立への道を一歩ずつ進んでいけるよう、支援の在り方を考えていければと思います。ぜひ、最後までお読みいただき、皆さんの子育て、支援活動の一助となれば幸いです。
目次
大きな目標が見えるときの反応
お子さんを支援するとき、大きな目標や作業があると「そんなの無理だよ!」って思われることが多いですよね。
例えば、大きな壁面を作るという活動で考えてみると、最終的な作品のイメージを伝えると、お子さんたちは「そんなに大きなものを作るなんて無理です!」と感じてしまうことがあるかもしれません。
でも、実際の作業は、たとえば小さなパーツを一つずつ作って、それを組み合わせて大きな作品にするというように分けることができます。
最初はその目標の大きさに圧倒されてしまうかもしれません。でも「今日はこの部分だけ、ちょこっとやってみよう」といった小さな目標を設定すれば、少しずつ達成感を味わいながら、最終的には大きい壁面を完成させることができたりします。
他の例を挙げると、療育室の掃除をお子さんと一緒にするとしましょう。
お子さんに一度に全体を掃除するように頼むと「こんな広い場所を全部きれいにするなんて無理!」と思ってしまうかもしれませんね。
そこで、療育室をいくつかの小さなエリアに分けて、1回の作業で1エリアだけを掃除するようにします。「このテーブル周りをきれいにしよう。次はあそこの棚の周りをやってみよう」というふうに段階的に進めることで、少しずつ部屋全体をきれいにすることができます。
このように、どんな大きな目標も小さなステップに分解し、一つずつクリアしていくことで、お子さんたちは達成感を味わいながら「できる」という自信を持てるようになります。
支援者としても、お子さんの目線に立って無理なく進められるステップを考えることが大事ですね!
できることから始める小さな一歩
支援者として障がいのあるお子さんに何か新しいことをやってもらうときのポイントは「できることをする」です。これについてはASTEPでは徹底しています。
この「できることをする」を積み重ねたり、少し形を変えることで、それが彼らにとって受け入れやすい形になったりします。そして、繰り返すことで「大きなことができた!」につながっていくんですよね。
先ほども例に挙げましたが、掃除をするなら、まずは範囲を決めてそこだけを掃除をしてもらう。終わったら次の範囲をやるという具合に、作業を分割していくといいですね。
また、作業をさらに細分化することも効果的です。
作業課題をしてもらう時もそうですが、例えば、単調だけど大量にある作業(案内状を封筒に入れるなど)の時、三つ折りが難しいなら、まず1か所だけを折ることに集中します(それが1工程目)そして全部終わったら、2工程目としてもう1か所を折ります。これで紙の三つ折りができるようになった事例もあります。
一つずつの積み重ねが大きな成果に
このように作業を分けて、複雑な連続作業を避け、1つの作業だけを繰り返すことで、お子さんの理解が深まり、自信を持って取り組めるようになります。
複雑なことになるほどわかりにくくなるので、「自分にはできないかも」と感じてしまいがちですが、簡単に見えるように作業を提示すると、その積み重ねで最終的にはとても大きな仕事ができるようになります。
支援者が遠回りに見えても、じっくり取り組むことで近道になることを意識し、作業を分けてみてください。お子さんの強みとなり得る「コツコツと同じことを長時間続ける力」を活かせば、彼らにしかできないような仕事が見つかることもあります。
生活面でも、分割したりできることにちょっと変化をつけることで、できることが増え、自立度も向上します。
支援者として「こうしなければならない」という固定観念を捨てて、お子さんの「できること」に目を向け、彼らの強みを活かした支援を心がけたいところですね。
大きなことを達成したお子さんたちは、きっと自信につながり、達成感を感じてさらに色々なことに挑戦できる可能性が広がれば嬉しいです!
さいごに
障がいのあるお子さんの支援には、小さなステップを積み重ねることが大切です。大きな目標に対しては、無理なく取り組めるように作業を分解し、一つひとつクリアしていくことで、お子さんは自信をつけ、達成感を得られます。
支援者としては、お子さんの「できること」に注目し、それを伸ばすサポートを心がけましょう。固定観念にとらわれず、柔軟に対応することで、お子さんの強みを引き出していきたいですね。
小さな成功の積み重ねが大きな成果に結びつくことを信じて、お子さんと共に前進していきましょう!
お問い合わせはこちら